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粋なカエサル

「いき」と「湯上り姿」

2018.03.07 15:01

 西洋の絵画では、湯に入っている女性の裸体姿を描いたものは珍しくないが、湯上り姿を描いた絵画はほとんど見いだせない。他方、垢抜けした湯上り姿は、浮世絵に多く見られる絵柄である。九鬼周造にならって、「いき」の定義を「垢ぬけて、張りのある、色っぽさ」とするなら、人目をはばからない「湯上り姿」はまさに「いき」な姿であり、江戸っ子好みの浮世絵の主題だったのだろう。しばらく前までは裸体でいた気配を漂わせながら、あっさりした浴衣を無造作に着こなしているところに「いき」の本質が表現されている。

(歌麿「「婦人相学十躰」 浮気之相」)

(歌麿「高名美人六家撰」 朝日屋後家」)

(歌麿「娘日時計 午ノ刻」)

(鳥居清長「湯上り三美人」)

(鳥居清満「湯上り」)