「宇田川源流」【日本万歳!】 今年も大谷翔平のMVPを期待してしまう史上初「W規定到達」の快挙
「宇田川源流」【日本万歳!】 今年も大谷翔平のMVPを期待してしまう史上初「W規定到達」の快挙
毎週月曜日は「日本万歳!」をお届けしている。これは、「日本人のすばらしさ」や「日本として誇りに思えること」を紹介したマスコミの報道をここに紹介し、その内容をしっかりと分析し、そしてその中に日本人としての国民性や日本人の生活習慣などで、我々がいつも意識しないでやっていることを見つけ出し、その世界で称賛されている日本人のすばらしさは、我々一般の日本人の中にもあるということを再発見しようという目的の連載である。ある意味で、日本人は日本人を批判的に見る癖がついてしまい、必要以上に日本を卑下してしまっているような気がする。正当に評価しても日本はそれほど変な国ではないし、また世界から称賛されている国である。そして、その日本人が世界に出て、様々な分野で活躍しているのであり、それは、日本人特有のすばらしさを様々なところで発揮しているということになる。その内容をこの中に記載し、そしてその素晴らしさを見て行きたいと思うのである。
そのような連載の趣旨だから、本来は、「日本人の誰でもが持っている特質」などを記載したいのである。本来ならば「特別な人」や「ヒーロー」「ヒロイン」はこの連載とは異なる気がする。しかし、私も人間なので、どうしてもその方向に目が行ってしまう。特に「大谷翔平」は素晴らしい。なお、本文の中では大谷翔平選手(投手)の肩書はどれを使ってよいかわからないので、敬称や肩書は略させていただきたい。
さて、大谷翔平は何が素晴らしいって、その数字や活躍、また、その愛されるキャラクターや日本人特有の礼儀の正しさなど、その内容はどの一点を取っても誰もまねできないような素晴らしさであろう。本件の連載の趣旨からいえば「真似できない活躍」を書いても、日本人として、共有した日本人の国民性などを持つことはできないのであるから、あまり役に立たないのかもしれないのであるが、まあ、その辺はうまくまとめてみたいと思う。
大谷翔平 史上初のW規定到達! 5回1失点で日米通じて自己最多16勝目はならず
◇ア・リーグ エンゼルスーアスレチックス(2022年10月4日 オークランド)
エンゼルス・大谷翔平投手(28)が5日(日本時間6日)、今季最終戦となる敵地オークランド・コロシアムでのアスレチックス戦に「3番投手兼DH」で出場。前人未到の大記録を達成した。初回を投げ終えた時点で今季の投球回数が162回となり、シーズンの規定投球回に到達。すでに到達している規定打席と合わせ、史上初の「W規定」を達成した。5回1安打1失点と抜群の安定感を示したが、日米を通じて自己最多となる16勝目はならなかった。
前回登板で8回2死まで無安打無得点に封じたアスレチックスを相手に抜群の安定感を示した。初回、先頭のケンプをスライダーで見逃し三振に仕留めると、後続も危なげなく打ち取り、初回を無失点。前人未到の“W規定”を達成するとペースを上げた。
2回を3者凡退。3回も2つの三振を奪うなど、危なげなく3人で終えた。5回1死、今季限りでの現役引退を表明している5番・ボートに四球を与え、この日初めて塁上に走者を背負うと、次打者・ピンダーに左翼線二塁打。1死二、三塁から犠飛を許し、先制点を失った。直後、右手を気にするそぶりを見せたが、この回を投げ切り、先発投手としての責任投球回を完了。日本ハム時代の2015年にマークした15勝を上回る16勝目こそならなかったが、確実に仕事は遂行した。
今季もメジャーの舞台で、数々の偉業を成し遂げた。8月9日(同10日)のアスレチックス戦で、1918年にベーブ・ルースが記録して以来、104年ぶり2人目となる「2桁勝利、2桁本塁打」を達成。日米通算の奪三振数を1000に乗せ、日本人投手4人目となるシーズン200奪三振も記録した。シーズン終盤には自身最長となる18試合連続安打も記録し、今月1日(同2日)には日本選手歴代最高年俸となる、1年3000万ドル(約43億5000万円)で来季の契約を結んだ。今季最終戦、誰も歩んだことのない道を歩み続けた、その集大成が投打の「W規定」到達だった。
今季、投手としては28試合に登板し、15勝9敗、防御率2・33をマーク。219個の三振を奪った。打者としても打線をけん引。この日は4打数1安打で、最終の打撃成績は586打数160安打の打率・273。34本塁打、95打点だった。
2022年10月6日 6時39分 スポニチアネックス
https://news.livedoor.com/article/detail/22975941/
さて、日本人がアメリカのベースボールの中で「史上初」を叩きだすのはなかなか存在しない。ちなみに規定投球回数というのは、試合数と同じ数のイニングを投げなければならない。つまりアメリカの場合は、一年で162試合あるので、162イニング登板しなければならない。あまり野球に詳しくない人はこの書き方でわからないと困るので、あえて開設すると、1イニングというのは、3アウトで1回が終わることを言う。つまり、通常の試合は9イニングあるということになる。だから、1試合完投すれば9イニングということになるのだ。そして規定打席というのは、試合数に3.1を乗じた数ということにある。大体平均で3打席から4打席あることを考えれば、これもほぼ毎試合でなければならないということになろう。
大谷翔平は、それを二つともクリアしたということになる。つまり、「ほぼ毎試合打者として活躍しながら、162イニング投手として投げた」ということになる。何でもが線行政になっている中で、とてもできるような内容ではない。また、野球チームには、控えの選手を入れてたくさんあり、その中で9人のレギュラーに選ばれなければならないし、また、病気やけがで休むこともできないのである。つまり、健康であり、活躍し、なおかつチームのみんなに嫌われずに、中心選手であり続け、そのうえで、投手と打者の双方でほぼ全試合活躍したということになる。少ない数の試合であれば、それもあるかもしれない。一年で9試合くらいしかなければ、一回完投すれば良いし、また、3試合レギュラーで出ればよいのであるが、162試合で一年間を通じてということになれば、そうはいかない。
さて、これを「日本万歳!」的に解釈するとどうなるのであろうか。もちろん、日本人がこんなことをマネするなどと言っても不可能であるし、また真似しようとする人もいないだろう。
しかし、「日本人気質」は変わらない気がする。日本人気質とは何か、「利他的」と言ってはちょっとニュアンスが違うような気がするが、しかし、「期待された仕事以上の仕事の結果を残そうと努力をする」という意味であれば、そのような感じになるのではないか。日本人は「皆のために」ということで頑張ることができる国民性を有しており、その「みんな」が、特定されていない「社会」というような感じであってもその期待おw背負うことができる。もちろん結果は別の問題であるが、しかし、その精神性や期待に応えようとする努力は、日本人のすべてに共通する気質であろう。もちろん、中にはそのことに重圧を感じてプレッシャーに潰されてしまう人もいるが、いずれにせよ、そのような期待を感じて応えようとするということができる民族である。これは、実は世界でも稀有な能力ではないか。
当然に大谷翔平であっても、その様に期待されているから頑張ることができる。そして我々にはない身体的能力や野球に関するセンス、そして、ストイックな精神性を持っているから「実現」し「結果」を残せるのである。もちろん運もあったかもしれないが、ここでそれは言うのはやめておこう。ただし、その期待に応えるという心があるということが、日本人としては共通なのではないか。あとは、我々にはできない努力を続ける能力が凄いのではないか。
我々日本人は、我々のできる範囲で、その内容を行っていればよいということでしかないのであるが、同時に、大谷翔平を見て、そのような「他人の期待を感じる」感覚が我々にもあるということを忘れないでもらいたい。