Japan Cup 2022にて
先週の木曜日から日曜日まで、宇都宮で行われましたJapan Cup 2022 に行っておりまして、その間留守にしておりました事、まずお詫び申し上げます。
今回も前回同様、Bahrain Victoriousチームのメカニック補助としての依頼でしたが、いつもの事ながら、現代のレースシーンにての知識の更新と、自分自身の持つ知識や作業スキルの確認が、複数日休店してまで、このお仕事をお引き受けする理由となります。
勿論最大の目的は、チームの勝利に貢献する事と言うのは言うまでもない事です。
実際はこの様な短期間で全てを得られるものではないのですが、私も数年にわたりヨーロッパのレースシーンにおいてプロサイクリングチームの専属メカニックとして身を置いて参りました。その経験と知見をベースに持つ事で、この様な短期間でも毎回、私なりに多くの発見と、多くの情報を得る事が出来ると思っており、この様なお店以外のレース現場でのお仕事は良い機会と考えております。
私が今回、帯同をしましたBahrain Victoriousチーム、ご存知の方も多いと思いますが、日本が誇るプロロードレーサーの新城幸也選手が所属するチームでもあり、今回も彼の凱旋レースと言う事で、非常に注目度の高いチームです。
今回もこのコースに適しているHermann Pernsteiner選手と共に、新城選手も優勝をターゲットに置いてのメンバー構成で、チームとしても真剣に挑みに来ていました。
今回共に行動するスタッフは、前回の同レースで一緒だった監督のPelizzotti以外、初対面のスタッフ達でしたが、来日2週間前からwatsappで連絡を取り合い、備品の事や、今回の自転車やホイール等の器材の詳細、選手の情報、前回のレースの経験からこちらが提供出来る情報やアドバイス等など、この時代だからこその、無駄な時間を割く事の無い打ち合わせを行いながら現場に入る事が出来ました。
こういったコミニュケーションツールは日本でも当り前ではありますが、スマホ一つで世界中どこでも情報共有がタイムリーに出来ると言うのは、良い時代になったと改めて思います。
今回のメンバーは、選手もスタッフもそれぞれが異なる国籍を持つメンバーから構成されており、イタリア人、クロアチア人、スロベニア人、イギリス人、オーストリア人、台湾人、ポーランド人、デンマーク人、そして日本人からのチーム構成となり、私の時代では考えられない、現代のチーム運営や、レースのワールドワイド化を改めて実感しましたし、勿論私としても2レースの参加でここまでの多国籍は初めての経験となりました。
そして共通語は英語で行われ、それぞれが英語の他にもコミュニケーションが取れる複数の言語を、ネイティブレベルでは無いにしても、相手によって普通に切り替えながら仕事を進める現代のレース事情も実感しました。
私は主にイタリア語にてコミュニケーションをとりますが、今回のスタッフに関してはイギリス人のドクター以外、問題なくイタリア語にて意思疎通が取れた事は幸いでした。
でも、これから海外でレースの世界に身を置いて生計を立てる事を希望する若い方は、仕事のスキル以外にも、複数言語でのコミュニケーション能力は必要不可欠なのだと実感しました。
(補給地点でBikeExcengeマッサー宮島さんからの差し入れ餃子はあっという間に完食)
逆に私がレースメカニック時代の良き部分があるとすれば、それはチームとしての基盤が、ローカルなメンバーからなるスタッフで構成されている事でしょうか。
表現が難しいですが、ある意味気心の知れている多国籍ではないメンバー間に生まれる、心理的なつながりの強さではないかと。それにより、なあなあな組織になる危険性も勿論ある訳ですが・・・そうならない個人の人間性が必要不可欠な事は言うまでもないです。
帰りの車の中で、ヨーロッパでの経験が豊富なENNE Sports Massage院長の中野氏とも意見が一致しましたが、イタリアで言うマフィアの様な絶対的な絆は、組織がよりシンプルに目標に向かいやすいのかなとも感じています。ある意味、思想的には危険な部分もありますが・・・
ただ、今やアジアやアフリカ、南米にまで活動範囲の広がった現代のレースシーンにおいて求められる組織作りには、昔のそれとは違った考え方が当然必要になっているのだと思います。
昔のスタイルのチームが、ワールドツアーレベルにおいては、もはや皆無な現実が物語っています。
ここまで話をしておいてとも思いますが、今回のメンバーに関しては、まるで何年も一緒に仕事をしているかのような連帯感で接して頂き、結局は相手の事や全体の事に思いやりを行き渡らせる事が出来ると言う事が一番大事なのかなと思わせるメンバーでした。
さて、話も長くなってしまいましたが、今回感じた一番のインパクトを残した個人的な感想のお話でした。
レース展開や、機材に関する細かなお土産話は、是非ご来店の口実にして私に聞いて下さい。
まだまだ皆様に還元したいお話は沢山ありますので!
そうそう、EF Education-EasyPostでトレーニーとして出走した門田祐輔も頑張っていました!
(写真が無くて申し訳ないです)
あの展開で後半まで仕事をしていたのは立派でした。
その話もお店で!
店主