円錐の表面積。
例えば、母線が12cmで、半径が4cmの
円錐が存在したとして、その表面積が
何㎠になるのか、ということは、大抵の
中学生が学校の授業を聞いてきて
悩んでいることの1つに数えられます。
「そんなの、48πと16πを足した値に
決まってるじゃん。」
と、数学が得意な人は思うでしょうけれど、
それを納得していない場合は忘れてしまうため、
忘れてしまわないために、どう教えるか、ということは
毎年テーマになることです。
まあ塾では基本的に、側面の形成する扇型の半径と
底面が形成する円の半径の比から考えると、
例えば上のような立体ならば周の比は4:12になっているので、
4/12という比率を使って考えてもらうことになり、
それで「ああ、なるほどね」という感じになっていき、
”側面積=母線×半径×π”といった一般的な公式について
納得をしてもらうようになります。
すごい簡単なことなのですが、数学を形に
とらわれて考えすぎる、すなわち算数的に柔らかく
考える視点が欠けていると、どうしてもその点を
頭でがっちりと納得することが難しく、
幾何というのはやはり基本に立脚する
ふわっとした感覚からスッと公式の意味を
類推できる力が大切なのだと思います。
そういう意味で、中学・高校数学へ接続していく意味で、
中学受験において算数を鍛えておくことは重要です。
例えば三角形においても四角形においても、
底辺が2倍、高さが3倍になれば、当然面積は6倍になるとか、
円において、半径が2倍になれば、周は2倍になり、面積は4倍になるとか
数字上の問題ではなく、長さや広さの感覚として正しく
認知できているということはとても重要なのです。
いちいち計算をすればそれらは算出されますが、
どうぞ、答えが出るだけでは足りないということを
理解してほしいと思います。
幾何はイメージと感覚を数式とリンクしなければ
成り立っていかないものです。
今日指導した中学生においても、半径が3倍違えば、
周の長さも3倍違うよね、ということを、
感覚として理解してもらういい指導になりました。