[見どころ!]ジーメル・マグラモ vs.桑原拓
10月25日(火) 後楽園ホール
東洋太平洋フライ級タイトルマッチ
王者ジーメル・マグラモ(フィリピン)
vs.
挑戦者・桑原拓(大橋)
マグラモ=1994年10月5日、フィリピン出身の28歳。右ボクサーファイター型。戦績:28戦26勝(21KO)2敗。
桑原=1995年4月4日、大阪府出身の27歳。右ボクサーファイター型。戦績:11戦10勝(6KO)1敗。
王座と世界ランク――
勝って総取りを狙う桑原
2年前に来日して中谷潤人(M.T)とWBO世界フライ級王座決定戦で拳を交えた経験を持つマグラモに、桑原が初戴冠を狙って挑む。
現在、マグラモはフライ級でWBC4位、IBF12位、WBO13位にランクされている。勝つことが前提となるが、桑原にとっては得るものの大きい試合といえる。
マグラモは中谷には完敗に近い内容の8回KO負けを喫したが、再起戦で東洋太平洋王座を獲得し、今年7月の無冠戦では相手のボディに差し込んだ右ストレート一発で3回TKO勝ちを収めている。以前の勢いを取り戻した印象だ。体をやや前傾にした構えからテンポよく攻撃を仕掛けてくる好戦派で、右ストレートのほか細かいアッパー系のパンチも得意としている。
桑原は高校時代にインターハイ、国体で優勝するなど68戦50勝18敗のアマチュア戦績を残し、東京農大を経て2018年5月にプロデビュー。8連勝後の昨年7月にはユーリ阿久井政悟(倉敷守安)の持つ日本王座に挑んだが10回TKOで敗れた。今年3月に32秒TKO勝ちで再起を果たし、7月には2回TKO勝ちを収めるなど復調を印象づけている。軽快な動きのなかで自ら攻めたりカウンターを狙ったりと幅の広いボクシングが持ち味だ。スピードだけでなくパンチ力もある。
まずは左ジャブの探り合いで始まりそうだが、早い段階でマグラモが攻撃のリズムを上げてくるものと思われる。これに桑原は打ち合いで応じるのか、それともスピードと足を生かしながらカウンターで迎え撃つ戦法を選択するのか。このあたりがカギになると思われるが、勝負が長引いた場合は必然的に打撃戦になりそうだ。(原功)