ルーン文字とオーディン
ルーン文字はケルト民族が使っていた文字で、魔術的な力が強いとされている。 普段使いではなく、儀式やまじない、また装飾品に刻む際に使われていた特別な文字で、木や石に刻みやすい様直線だけで作られている文字であり、装飾品に書かれていた文字の大半が所有者の名前だったそう。
しかし逆に「名前」ではないものはほぼ「呪術」として使われているという気合の入った文字。
元々ルーンとは秘密という意味があり、今確認されている最古のルーン文字は2,3世紀ごろ。
ラテン語の普及に伴い使用頻度は下がっていくもスカーディナウィアでは中世期後まで使われており、また一部の地域では初期近代まで親しまれていた。
また神話的にいうと、ルーン文字はオーディンによって与えられたという。
どういった経由でオーディンがルーン文字を作り出したのははっきりとはしていないが、
文字を生み出した時、
「九夜のあいだ、我が槍に傷つき、オーディンの犠牲となり、我と我が身をおのれへ捧げて、私は風にゆらぐあの樹に、人々がその根のいかなるものとも知らぬあの力強い樹に吊るされよう」と本人が言ったという。
つまり、 「ユグドラシルの木で首を吊り、グングニルに突き刺されたまま9日9夜自分を『最高神オーディン』に捧げると、ルーン文字の秘密を得る事が出来る」というもの。
つまり自分に自分を捧げないといけない。
実際オーディンはこれを行い、痛みに耐えたという。
この逸話にちなんでオーディンへの供物は首を吊って槍で貫くという珍しい供え方をする。
またタロットカードの大アルカナ「吊るされた男」もこの逸話でのオーディンを模している。
オーディンの最後はラグナロクにてロキの息子「フェンリル」により食べられてしまいます。
しかしその死もオーディンはわかっていた事であり、承知していた事。 その後息子「ヴィーザル」が敵を討ちました。
神も必ず死ぬという厳しい神話。