『赤道の下のマクベス』
『赤道の下のマクベス』
作・演出:鄭義信
@新国立劇場 小劇場
借りチラシが出来た時から、
丸山厚人さん、そして尾上寛之さんが共演ともあり、ずーーーーーっと観たかった作品。
私、本当、いいアンテナ張ってるぜと褒めてやりたくなりました。
1947年、シンガポール、チャンギ刑務所で、第二次世界大戦の「BC級戦犯」として収容されていた日本人と元日本人だった朝鮮人の物語。
戦犯、そして死が、確実に待っているという、暗さと恐怖が根底にあって。
その中で、男性ならではのバカや笑いが絶えない。
まるで明るい目の前の人たちの場。
でも、根底があるから、とても切なく感じて寂しくなる。。
パプアニューギニアのことで『南の島に雪が降る』、
朝鮮から去年公演した安部公房『制服』が過ぎる。
人と人が関わりあうって、
愛を持って接する人の美しさ。
生きる、生きているという当たり前の事を、もの凄く噛み締められた。
この少人数の中で場面転換もなく、2時間45分。休憩15分。
それでも魅せられる強さと凄さ。
恐ろしい座組みなんだなぁ、、。
歴史上の出来事を作品にすることは多い。
でも事実だけではなく、ふとした瞬間に緩ませる、作品としてのエンタメや面白さも多々散りばめてあり。
人間味が、ぎゅう、と詰まってた。
哀しさだけではなかった。
笑ったり切なくなったり愛おしくなったり、そして泣いたり。
重たい話なのに、こんなにも色んな感情が湧き出てくるなんて。
観てる側にも、生きてることを実感出来るような時間。
笑うって、なんていいんだろうと、暖かくなる。
丸山さんの人柄、
尾上さんの純粋さが、じゅわぁと伝わる。
2人のラストシーンは本当やられました…。
日本人としてまた考えることもある題材ですが、それ以上に、目の前の生きてる男たちの姿が焼きつく。
光、音、セット、全てが夏のあの刑務所を創り上げてた。
過去の話から、今日・明日笑うこと、
これからの、普通に生きることを前向きに考えさせてもらいました。
3/25まで。
どこかで時間があればここに行って欲しい。
私ももう一回行きたい。
観てて疲れるよ。笑)
それでも本当にお勧めしたい、です。
本当に、いい時間でした。