Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

梨の日

『赤道の下のマクベス』

2018.03.09 12:40

『赤道の下のマクベス』

作・演出:鄭義信

@新国立劇場 小劇場





借りチラシが出来た時から、

丸山厚人さん、そして尾上寛之さんが共演ともあり、ずーーーーーっと観たかった作品。


私、本当、いいアンテナ張ってるぜと褒めてやりたくなりました。




1947年、シンガポール、チャンギ刑務所で、第二次世界大戦の「BC級戦犯」として収容されていた日本人と元日本人だった朝鮮人の物語。



戦犯、そして死が、確実に待っているという、暗さと恐怖が根底にあって。


その中で、男性ならではのバカや笑いが絶えない。

まるで明るい目の前の人たちの場。


でも、根底があるから、とても切なく感じて寂しくなる。。



パプアニューギニアのことで『南の島に雪が降る』、

朝鮮から去年公演した安部公房『制服』が過ぎる。





人と人が関わりあうって、

愛を持って接する人の美しさ。


生きる、生きているという当たり前の事を、もの凄く噛み締められた。



この少人数の中で場面転換もなく、2時間45分。休憩15分。


それでも魅せられる強さと凄さ。

恐ろしい座組みなんだなぁ、、。




歴史上の出来事を作品にすることは多い。


でも事実だけではなく、ふとした瞬間に緩ませる、作品としてのエンタメや面白さも多々散りばめてあり。


人間味が、ぎゅう、と詰まってた。



哀しさだけではなかった。

笑ったり切なくなったり愛おしくなったり、そして泣いたり。


重たい話なのに、こんなにも色んな感情が湧き出てくるなんて。


観てる側にも、生きてることを実感出来るような時間。



笑うって、なんていいんだろうと、暖かくなる。




丸山さんの人柄、

尾上さんの純粋さが、じゅわぁと伝わる。

2人のラストシーンは本当やられました…。




日本人としてまた考えることもある題材ですが、それ以上に、目の前の生きてる男たちの姿が焼きつく。


光、音、セット、全てが夏のあの刑務所を創り上げてた。




過去の話から、今日・明日笑うこと、

これからの、普通に生きることを前向きに考えさせてもらいました。






3/25まで。

どこかで時間があればここに行って欲しい。

私ももう一回行きたい。


観てて疲れるよ。笑)

それでも本当にお勧めしたい、です。


本当に、いい時間でした。



『赤道の下のマクベス』