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猫又【あびくん♀22歳】気まぐれ長生き猫日記

帰りたくない

2018.03.09 15:03

今朝あびくんが死んでしまって、

その後泣いた。


とても悲しくて、

泣いた。泣いた。


今日は朝から晩まで仕事が入っていたので、

午前9時、私は家を出た。


そして午後11時半をすぎ、

私は今、電車の中にいる。


仕事仲間に誘われて、

晩御飯を食べてきた。


とびきりおいしい梅酒を飲み、

おいしいそばを食べ、日本酒を飲んだ。


杯を重ねても、

私は酔わなかった。


こんな日は、酔えないんだね。


そして気づいた。


家のベッドにあびくんを寝かせているのに、

私はなかなか家に帰らない。


もしかして私は、

家に帰りたくないのではないか?


あびくんのあの寝姿を、

私は見たくないのではないか?


たくさんの人がSNSを通じて、

追悼の意を述べてくれた。


それを見るだけでもう、

気持ちがいっぱいいっぱいだった。


もうすぐ家に着く。


あびくんはどうしているだろうか?


そんな心配も、もうできない。


悲しいことだ。

寂しいことだ。


帰りたくない。


あびくんはいるけれど、

生きたあびくんがいないあの家には、

帰りたくない。


きっとものすごく冷たくて、

ものすごく固くなっているにちがいない。


いやだ。

そんなあびくんは見たくない。


電車は最寄駅に近づいている。


帰りたくない。


帰りたくない。


でも、

帰りたい気もする。


死してなお、

やわらかなあの毛並みに、

弾けるような弾力のあの耳に、

また触れたいと私は思う。


あびくんはどうしているだろうか。


あ、眠っているだけか。


眠っているだけか。


眠っているだけなのか。


起きてくれないかな。


もう一度、もう一度だけ、

起き上がってくれないかな。


あのかわいいお顔を、

あのお目目を、

私に向けてくれないかな。


いいよ、

そうしてくれたら私は帰る!


そんなことをついつい、

考えてしまうの。