Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

藤沢の塾物語「響き」

2020.02.23 15:05


「塾物語」と銘打って、当時の生徒や講師をモデルにショートストーリーを作っていたことがありました。


このブログを始めた頃のことですね。今回ご紹介するのは、その頃に書いた記事のリライトです。たまたま振り返ってみたら、懐かしかったので、写真をつけて整えました。



「響き」



「学校に行きたくないんです」

転校したばかりの頃、私は友達ができないことや不安ばかりの日々に耐えられなくなって信頼できる塾の先生にそう相談した。

あの頃の私は、何に対しても臆病で、気ばかり遣っていて、きっと周りにも気を遣わせていたんだろう。話を聞いてくれたあと、先生は私にこんな言葉を教えてくれた。

「あなたがあなたらしい言葉を響かせれば、共鳴するように、世界もそれに合わせた音を鳴らすよ」

ある歌の歌詞だけどね、と先生は笑った。

次の日学校で、私の落とした消しゴムを隣の子が拾ってくれたとき、「ごめんなさい」と言いかけて、私は本当に言いたい言葉がそれじゃないことに気付いた。

「ありがとう」

自然に笑顔が生まれて、相手も笑ってくれた。

少し距離が縮まった気がした。

結局学校を一日も休まず卒業した私は、もっと多くの場所で、色んな世界の音に出会いたくなって、海外で勉強することを決めた。今、アメリカで音楽を学んでいます。

先生、元気かな。


あの言葉、まだ私の中に響いてるよ。





本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

物語はそれぞれにある。