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渡辺音楽教室

ブルグミュラー 25の練習曲 作品100 20.タランテラ - La tarentelle

2022.10.20 10:42

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

20.タランテラ - La tarentelle

25曲中最難関の一つ。タランテラは当時ロマン派の作曲家が題材としてよく使っています。ショパンやリストも作品を残しています。毒グモ タランチュラに噛まれた人が死ぬまで踊り狂う様子を表したイタリア発祥の民族舞踏です。8分の六拍子の速いリズム、ユニゾン、激しい強弱、場面描写などの練習です。

最初から速いユニゾンで激しい描写が出てきます。6小節目、和音は決定的な感じで。9小節目からテーマが始まります。10小節目に出てくるタッタ・タッタのリズムは前のめりになりやすいので二拍目に掛かるようにタタッ・タタッ、と演奏します。左手和音もバスの音をよく保ち上声

クリシェの音を強調します。17小節目からこのリズムが主役となります。一回目はピアノで二回目はクレッシェンドを掛けます。感情と場面の変化が音楽に現れるように弾きます。25小節目からテーマがフォルテで繰り返されます。ここで一旦クライマックスを迎え終了します。

33小節目から新しいテーマの登場です。スタッカートが響くように切りすぎず腕の重さを乗せます。36小節目、スフォルツアンドは強いだけでなく表情を付けて。45小節目から第二テーマのタタッ、タタッというリズムが繰り返されます。二回繰り返し、再現部が出てきます。二回繰り返しますがフォルテの指定になっていますので踊り狂う人の末期の状態を表すように激しく弾きます。その後コーダに移ります。踊り狂い最後に倒れるようにディミニエンドをかけていきます。ラストはフォルテで締めくくりです。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

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