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Fashion source: Daily Journal

ジャン・ロンドー(JEAN RONDEAU)チェンバロ @東京文化会館

2017.04.11 14:35

 昨年、たまたまピアノ関連でYouTubeの動画を検索しているときに、ジャン・ロンドーというチェンバロのフランス人動画を見つけました。チェンバロの音色とクラシックにしては、Cool!すぎる、素晴らしい動画にくぎ付けになり、たまに彼の演奏を聴いていました。いつかParisへ行ったときに、彼のリサイタルに行きたいな~と、その時思ったのです。

 春分の日、上野へお墓参りへ両親と。上野公園内のカフェがとても混んでいたので、父にウエイティングしてもらっている間、母が東京文化会館の売店を覗きたいというので、行ってみることに。それで、なんと「ジャン・ロンドー 日本初来日」のポスターを見つけてしまいました! 私がParisへ行かなくても聴けることに?! 感動です。お墓参り効果でしょうか! その場でお申込み、母と行くことにしました。



 チェンバロを聞きに来ている人たちは割と男性の年配の方が多く、私でも若い方でした。

 YouTubeで見ていた、あの人が?! 少し緊張の面持ちで彼の登場を待っていました。すると、思っていた髪型と違うのでまずびっくり! まだ25歳ですが、チェンバロの巨匠のオーラを放っていました。すごく長いあごひげ&髪を束ねており、そこも芸術的。YouTubeで見ていたとおりの、カジュアルでもある白いシャツに黒のパンツ。いかにもパリジャン!雰囲気抜群でした!

 曲は、J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」です。チェンバロはピアノと同じく鍵盤の楽器ですが、ピアノよりも前の時代のもので、音の強弱をつけられない楽器であり、ペダルもありません。調律もその都度必要な楽器なのだそうです。ピアノリサイタルによく行くようになったので、ピアノとの違いがよくわかりました。
 音の強弱はないけれど、彼の体の動きは、音の強弱を身体で演じているかのように、ピアニストよりも動きがある感じがしました。チェンバロの音は、まるで宮廷の中にいるような気分にさせて、ピント張りつめた空気が、ホール中に漂い始めたのも感じました。調べてみると「倍音」が出る楽器なのだそうです。倍音とは基本となる音の周波数の倍の周波数を持つ音です。




 音の強弱なく、淡々と、だけど倍音で奏でる感じは、雨音や風の音のようにも感じました。そうしていくうちに、演奏者となんだか一体感を感じて涙が流れてきました。彼は使命を今ここではたしている、そんなパフォーマンスにも見えてきて、私も幸せな気分になったのです。

 最後のほうは、ものすごい早いピッチの演奏になって、圧倒されました! 途中休憩もなく、90分、演奏に集中していたことになります。最後の音がホール中に響き渡りながら、ジャン・ロンドーは、30秒以上静止していたでしょうか。固唾をのみこむような、余韻に、満席の会場からすさまじい拍手が鳴り響き渡りました。ブラボー!!!



 終わってからサイン会が! 束ねていた髪が解かれ、ライオンのように!!! 肌きれいだな~。(笑)近づいて、世界のジャン・ロンドーを脳裏に刻み込みつつ、会場を後にしました。発見してから1年でお会いできるとは?! 夢か現実か?! 朧月の夜でした。