北斎とジャポニスム展。
「5か所の流れに異常はありませんでした」。1年に1回、2回のタイミングで来る、マンションの排水溝掃除の業者にそう言われ、「流れに身を任せる」についてEVENTでも今扱っているトピックなので、いつも以上にメッセージ性を感じました。
さて、10月に国立西洋美術館の前を通ったときに、激混みだったためまた今度にしようと思っていた『北斎とジャポニスム』。あっという間に1/28終了日に近づいてきたので行ってきました。さすがにすーっとはいれました。
それにしても昨年10月は、自分がイラストを描くなんて、夢にも思っていませんでしたが、今回イラストレーター1年生として入場してみると、やはり絵を見る目が変わるんだなと感じました。
浮世絵を見たのは、江戸資料館以来でしょうか。私は浮世絵よりも印象派のほうが好きな典型的日本人です。だからよくわかりませんでした。北斎は人物、風景、虫、花、すべてのモチーフが的確で細かく、人間の動きを描くのに、体の勉強をしてしまったくらい、根本的なところから追及していたという画家だったということを始めて知りました。
鎖国時代の日本、出島からしか日本の情報は海外に出ることはないのですが、開国とともに、多くの西洋人がやってきて、葛飾北斎の作品は、今までにないモチーフ、構図など、西洋の画家の虜となったようです。ドガ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガン、ロートレックなど、有名な画家たち。美術にも造詣の深い作曲家のドビュッシーまで影響受けていたようです。
ということは、なんとなく知っていましたが、今回の展覧会の展示の仕方から、本当にインスパイアーされていたんだなと、鎖国していたからこそ面白い日本があったのだなと、葛飾北斎が日本に生まれたことは神様の計らいかもと思いました。西洋の画家の絵が、北斎の絵で変わってしまった。
館長の方のお話にもありましたが、日本人よりも西洋画家のほうが浮世絵をもっと生かして、絵を発展させていたというところに、逆に浮世絵が残ることができたという側面もあるというのも印象的でした。今後、私の絵も影響を受けていくのでしょうか?