伝承物:三番叟(さんばそう)袋 a sanbaso (a harvest dance) pouch
2018.03.10 14:03
三番叟は、五穀豊穰を願う舞で、歌舞伎や浄瑠璃、そのほか様々な民俗芸能で、披露されてきました。
実際の踊りの衣装を見ると、鶴や松などのおめでたい柄がふんだんにあしらわれていて、かなり豪華なものなのですが、
明治のお細工物のデザインは、白と赤のみ。
そこに松の枝や紋を描いてできあがりです。
私としては、こちらの紅白の方が、神社で舞を踊るお稚児さんのような、おめでたさを感じて好きです。
今回は古布のなかに、ちょうど良い吉祥柄の紋様があったので、そちらを縫い付けてみました。
右は違い扇、左は違い丁子です。
丁子とは、クローブのことで、
殺菌作用があるスパイスとして、
かなり古くから日本に輸入されていました。
密教系のお寺では、丁子は、勤行の前などに口に含んだり、お風呂に入れたりするなど、お清めとしても使われているそうです。
三番叟、扇と丁子、松と、吉祥柄満載の袋物となりました。