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粋なカエサル

入浴文化比較②

2018.03.10 17:21

 古代ローマ時代のローマ人がいかに入浴好きだったかは、ローマに残る巨大な浴場跡からわかる。有名なのはカラカラ浴場。巨大さでは、ディオクレティアヌス浴場だ。パン1個の値段で入場でき、たまにならば大衆から好感を持たれたい皇帝も姿を見せた。皇帝が権力を維持するには大衆の支持は不可欠だった。大衆の支持が得られないときは、合法的手段ではなく暗殺によって失脚させられたから。ディオクレティアヌス浴場は、数ある公共浴場の中でも最も豪華で完璧な施設を誇る社交場だった。庭園や運動場、図書館、談話室、食堂などを含めた敷地は10万平方メートル以上もあり、3000人を収容することが可能だった。その地下には薪置き場や業務室が作られ、2台の荷車がすれちがうことができる地下通路が張り巡らされていた。1万人の従業員が働き、一度に1600人、1日で5000人が入浴できたと推定される。また、日本の銭湯が、富士山などの絵を描いて目を楽しませるものであるように、古代ローマの浴場は彫刻を置いて人々を楽しませた。現在イタリアの国宝級の彫刻とされる、「ラオコーン」(ヴァチカン美術館)、「ファルネーゼの牡牛」(ナポリ国立考古学博物館)、「ファルネーゼのヘラクレス」(ナポリ国立考古学博物館)は、いずれも浴場を飾って人々も目を楽しませていた。浴場はまさに「貧乏人のための宮殿」だった。

(カラカラ浴場) 

(ディオクレティアヌス浴場)テルミニ駅のすぐそば

(「ラオコーン」ヴァチカン美術館)

(「ファルネーゼの牡牛」ナポリ国立考古学博物館)

(「ファルネーゼのヘラクレス」ナポリ国立考古学博物館)

(古代ローマの公衆浴場)

(古代ローマ水道)マルキア水道はなんと全長92km

(ローマ近郊の古代ローマ水道)