「劇的な昨夜」インタビュー(第1回:ハコベラ)
「4人でやっているものや作っているものが、単純に面白いし、高校生に戻ったくらいの感覚で笑える」
(インタビュー 2022年9月15日) 聞き手:平井寛人
おんがくのじかんで催される、バーでの演劇ショーケース『劇的』
その第一弾の「劇的な昨夜」を、6つの個性豊かな劇団とお届けします☆彡
【公演詳細】
バーでのショーケース公演「劇的」vol.01 『劇的な昨夜』
2022年10月13日(木)ー16日(日)@東京都 三鷹 おんがくのじかん
みなさん、はじめまして。インタビュアーの平井です
当事務局スタッフがイチ押しの、一癖二癖あるような団体さんから、ここでしか聞けないような話を聞きだしてきました!
「劇的な昨夜」参加団体のカタログ、第1回目のゲストはハコベラのみなさんです。
【ゲストプロフィール】
◎青木裕基
(ハコベラ https://hakobera.jimdofree.com/)
ハコベラ代表。2014年冬、北九州の山の中で春の七草を仕分けるバイトをしながら何か北九州演劇界に爪痕を残したいと思うも1人では出来ないと判断、同じ山の中でたまたま出会った現メンバーを巻き込みハコベラを発足。2019年根拠なき自信だけを持ち上京するもすぐに自信と人望とお金を無くし一度夢を諦め、劇団活動、俳優活動を休業。一日中残金の小銭とパンの数を数えながら生きるという地獄の生活を経て、「このまま死にたくない」と思ったところメンバーや友達が救ってくれて劇団活動、俳優活動、写真活動をライフワークと仕事の中間で楽しく継続中。
◎愛里
https://twitter.com/hakoberaairi
ハコベラの役者、一部脚本を担当。1994年生まれ。 個人では自身で作演出した一人芝居をYouTubeへ投稿している。 ミスiD2020 TOKYOブラックホール賞受賞。
◎片渕高史
https://twitter.com/noraya8793
1993年生まれ。役者、宣伝美術担当。 他団体へのチラシイラスト提供、デザインもたまに行っている。 北九州にて大学時代、演劇サークルに所属。その後ハコベラメンバーと共に2018年上京。
◎だーまえ
1993年生まれ。ハコベラの制作、一部脚本、一部役者を担当。 個人では、劇団サヨナランドリーを主催し、脚本と演出を担当している。いつか育児漫画を書いて、バズって書籍化されることが夢だが、子供はいないし絵も描けないので困っている。
〜おうち時間にオススメの一品〜
青木「たま(バンド)」
愛里「ウヨンウ弁護士は天才肌(NetFlixオリジナル)」
片渕「スーパーバッド 童貞ウォーズ(映画)」
だーまえ「オモコロ・チャンネル、じゃれ本シリーズ(Youtube)」
詐欺みたいな結成の仕方でした
青木:20歳ぐらいの時に、福岡の北九州市にある合馬という山で春の七草を仕分けるバイトがあったんです。そこに僕と愛里と片渕くんがいました。
だーまえは後々ユニットに入るんですけど、3人はそこで出会って、「演劇やろうよ」となりました。
外部で話す時には「だーまえともそこで出会った」と言っているんですけど、実際はいなかったんですよね。
北九州の演劇は活発ではあるんですけど、若い人が当時、あんまり注目されないと僕たちが勝手にちょっと感じていて、片渕くんとコインランドリーで洗濯している時に、「若くてやっていても、注目されるのはベテランばっかりだよね。俺たちもいるのにさ」と話しかけたら、片渕くんが涙したんです。
片渕:してないです笑
青木:「えっ」と思って。「君は本当に真っ直ぐにものを言うね」みたいな。
そこで「片渕くんと何かしたい」と思い、とりあえず2人で最初に結成しました。
ただ僕も片渕くんも役者だから「脚本を書いてくれる人が欲しいよね」といった時に、「あいりょん(※愛里)をちょっと誘ってみる?」という話になって、セブンイレブンの入口で「あいりょん、ちょっと今度お芝居を2人でするんだけど、もし良かったら一緒にやんない?」と言った。バイトがすごい重労働だったから疲れていて、断る元気もきっとなくて「いいよ」みたいになりました。
片渕:(当時はまだ)全然仲良くなかったのにね。
青木:そして「3人で何かやろうか」となりました。
その後、「もう1人、制作さんって必要らしいよ」みたいな浅はかな知識で「誰かいないかな」といった時に「だーまえがそう言えば制作できるっぽいわ」と聞いて、「じゃあ、ちょっと呼ぼうよ」と、マクドナルドで「ちょっと制作さんしてくれませんか」って話しました。
はじめましてだったんですけど、「あっ、いいよ」と言ってくれて。
「そういえば脚本も書けるんだよね」と訊いたら「書けるよ」と。「書いてくれたりする?」とか言ったら「いいよ」とか言って。
結局なんかこう、詐欺みたいな結成の仕方でしたね。
――メンバーの皆さんも、そういう事で問題ないですか?
愛里:そういうことで大丈夫です笑
だー:はい、問題ないです笑
片渕:大体は。
泣いてはいないんですけど笑
――メンバーの皆さんからも、自己紹介をいただけますか?
愛里:愛里といいます。
ハコベラでは、脚本と役者をやっています。
片渕:片渕高史といいます。
ハコベラでは、役者と宣伝美術――ハコベラで使うビジュアルやイラストを引き受けております。
出身は佐賀です。
だー:前田です。芸名がだーまえです。
ハコベラでは、制作と脚本と、役者を一部やらせてもらっています。窓口はだいたい私がやっています。
出身は鹿児島です
――ハコベラでは、代表というのはどんな役割なんですか?
青木:あー。
稽古場取りです。
――あー、野球部のキャプテンも、練習試合を取りつけたり、場所とったりしますもんね。
青木:そんな感じかもしれないですね笑
単なる綺麗な瞬間じゃない、あんまり飾っていない、自然な感じ
――皆さんの好きなものを教えてください。
青木:最近はたまに仕事でも請け負うんですけど、風景でも人でも、カメラで写真を撮る事が好きですね。
「心が荒れているな」みたいな時に風景を撮ると、ちょっと落ち着くのが自分の中であったりします。
単なる綺麗な瞬間じゃない、あんまり飾っていない、自然な感じを撮るのが好きです。
まだ現像していないんですけど、最近撮ったのは――今、地元に帰ってきていて、地元が海に近いんですよね。海にふらっと行ったりとか。
自分の住んでいる町があんまりずっと好きじゃなかったんですけど、「カメラを持って歩いてみよう」と思ったら「意外といいな」みたいなのが最近ありました。
愛里:最近、韓国料理が好きです。
この間、キムチを自分で作って、とっても美味しかったです笑
あと韓国の人がやっているYoutubeを観るのが好きで、ただ食べる様子を映像に残す「モッパン」が好き。今、韓国で流行っているやつは一通り作ったり食べたりしてみたい笑
ちょっと前だと「チーズハットグ」とか。流行りものは一通りやったかも。
最近は「キンパ」がドラマですごくバズっているんです。具が多めの海苔巻きみたいな。
片渕:第一に好きなものはドラえもんです。
あと芸人のラジオをめちゃくちゃ聴くことと、酒です。
ドラえもんの映画は全部観ています。
藤子不二雄がそもそもめっちゃくっちゃ好きです。その中でもドラえもんが一番好き。
小学生の時にドラえもんとかアンパンマンって通るじゃないですか。
自分は小学校の低学年の時に逆にハマらなくて、あんまり観ていなかった。
みんながドラえもんを卒業するタイミングで逆にドラえもんにドハマリしてしまって、漫画で初めて読んだんですよね。
めちゃくちゃ面白いじゃんって。
そこで小学生高学年ぐらいの時に全巻を集めて、そこからアニメや映画もめちゃくちゃ見るようになって、いまだに映画は毎年映画館に観に行きます。
上京した当初は藤子・F・不二雄ミュージアムにも2ヶ月に1回ぐらい行っちゃっていました。
最初行った時は泣いちゃいましたね。
ラジオは空いた時間にずっと聴いています。
1つ面白いものを見つけたら、そのバックナンバーを一気に聴いちゃう。
今聴いてるのは有吉のサンドリ。毎週聴いていて、大好き。
だー:私は片渕とは真逆で、すごく飽きっぽくて全然語れることがない。
猫を飼っています。猫がかわいいです。
黒猫を飼って2年目なんですけど、猫のために仕事している。
抱っこすると、ゴロゴロ言うのがかわいいですね。
すごくなんか、「抱っこしてもいいんだ」って思える。
人間だったら分かんないから。
猫は正直なんで、抱っこしたら喜ぶところが可愛いなって。
10年後にもハコベラが続いていたら、もうそれは幸せ
――演劇を続ける原動力について聞かせてください。
青木:僕の場合は、今まで人生でドハマリした事や、褒められる事があんまりなくて、それでもハマったり褒められたものがお芝居だったんですよね。
だから続けているみたいな事なんですけど、2年前ぐらいに限界を迎えて、一回お芝居をお休みしたんです。
お休みしている間にも、「ハコベラはひとまず3人でやっていこうか。それともどうしようか」と、一度4人で会って話した時に、やっぱりこう――僕もその間にハコベラの過去の動画を観たりした時に、ハコベラに関しては4人でやっているものや作っているものが、単純に面白いし、高校生に戻ったくらいの感覚で笑えるから。
「就職しないといけない」みたいなこととかは、親の目や世間体としてあるけど、「でも、まぁ、好きなものならずっと続けたいよね」「これだけ面白いと思うんだから、どうせなら世間にも知ってもらいたいよね」ということで、今はYoutubeだったり、舞台でお芝居するだけじゃない遊び方も模索しながら「楽しくやろうぜ」という感じでやっています。
――団体のSNSでも掲げていますが、団体としての目標は「チャンネル登録者数1億人」?
青木:そうですね。世界を取りたいです笑
役者で売れたいみたいなのもあったんですけど、それも疲れちゃって。
でも「役者を辞めようかな」と悩んでいた時に、ハコベラのメンバーや、その周りの友達や信頼している俳優さんにも「もったいない」というか「役者やっている青木が面白いから続けていいんじゃない」とか言われて。
他の人から言われて「自分が向いてることは役者なんだろうな」と思って、お芝居するのも好きなんで。
僕は正直観るのはあんまり苦手なんですけど、自分がやるのはすごい好きなんです。
だから個人の最終目標みたいなものは無く、役者もライフワークみたいな感じで続けられたらいいなというのが正直なところですね。
本当は親からしたら売れた方が安心とか、そういうのはあると思うんですけど、楽しくずっとやっていきたいなって。
――青木さんが10年後・38歳になった時に、どんな役者になっていたら良いみたいなイメージはありますか?
青木:新垣結衣さんとキスシーンを(やりたいです)笑
映画とか、色々出られたらいいなと思います。
事務所入りとか、そういうのもあんまり考えていないですね。ハコベラや写真の活動と、しがらみにならないところと巡り合えればいいなと思います。
――愛里さんは10年後いかがでしょうか?
愛里:健康に過ごせていたらなによりだなと。
今が28歳なんですけども、ちょっと年齢もあるので。
「どういう人生にしていこうかな」と上京して3年ぐらいちょっと頑張って、創作1本でやっていこうというルートで頑張っていたんですけど。
なんかちょっとイヤな人とかもいっぱいいたりしたので、なんか、うん、イヤだなって思っちゃって。
いい人もいるんだろうけど、私の周りは嫌な人が多かったり、傷つくことが多かった上に、芸能活動って福利厚生もちゃんとしていないし、最悪だなと思ったので。
ちょっと今人生について悩んでいるところなんですけど、ハコベラは続けていたいなと思っている、みたいな感じです。
――ゆくゆくハコベラはどういうところで公演を打ちたいですか?
愛里:武道館です笑
片渕:自分はハコベラ自体がエンジンになっています。
元々北九州でお芝居をやってはいたんですけど、もちろん楽しかったし、今も楽しいけど、色んなところで「自分は役者に向いていないな」とずっと思っていて。
今もだから、「役者としてこうなりたい」みたいなのが全然ない。
なんなら「もうやらない方がいいし、なんかダメだな」とか思っちゃう事もある。
――東京にはイヤな人もいっぱいいるし?
片渕:「言いたいことばっかり言って逃げやがって」みたいな笑
「もっとみんな楽しくできないのかな」と思った事があって、それをできるのが自分にとって運よくハコベラだったから、10年後にもハコベラが続いていたら、もうそれは幸せなんだろうなと思います。
――5年後、ハコベラはどういうところで公演をしていたら良いなと思いますか?
片渕:北九州に4人で凱旋できたら、第一部アガリみたいな。
「北九州で出会えた素敵な人たちもいっぱいいるし、その人たちに元気だよみたいな感じで行きたい」のが8割と「なんだよ。あいつら何の力もないのに東京に行きやがってと思っている一部の人らに、おい、って感じで行きたい」のが2割です笑
ハコベラがなくなったら、自分ももう演劇をやめようと思ってはいるので、本当にそんな感じです。
だー:私はシナリオ業をメインでやっているので、それで食べられるようになればいいかなと。
今はゲームのシナリオをやっていたり、色んな事ができるようになると食いっぱぐれないのかなと思っています。
もう30なんで、ハコベラも、できることをやっていけたらいいなと思ってます。
私の数少ない友達なんで、大切にしていきたいなと思っています。
ハコベラが幸せになっていればいいなって思っていますね。Youtubeチャンネルも賑わって、やりたいことでお金を稼げるようになれればいいなと思います。
――未来、どういうふうなシナリオライターになっていたいですか?
だー:エンタメの分野にいるので、人を楽しませるものを作っていけたらいいなと思ってます。
ちゃんとテクニックを磨いて、「こうやったらこうなるよ」というのを、ちゃんと勉強していきたいなと思います。職場の先輩たちを尊敬しています。
素敵なものが全部組み合わさって1つの作品になっている
――最近刺激を受けた作品について聞かせてください。
青木:写真家の川島小鳥さんが最近、ジャルジャルという芸人さんと松本ほのかさんの写真集を出したんです。「松本さんを撮っていると、ジャルジャルのコント内の人物が写りこんじゃう」みたいな設定でやっていて、普通に写真としても面白い。
川島小鳥さんが撮る写真も面白いんだけど、松本ほのかさんの魅力やジャルジャル2人の面白さとか、素敵なものが全部組み合わさって1つの作品になっているというのが、すごいなと思いました。
愛里:今回の『劇的な昨夜』に出すハコベラの作品について4人で話し合っていた時に、片渕君が喩えで「『AKIRA』みたいな」と言った時に、私は『AKIRA』を観た事がなくてピンとこなかったので、『AKIRA』を観たんですよ。
『AKIRA』、ビビるほど面白かったです。
最高だった。
私の生まれる前に作られたアニメーションなのに、演出がとにかくカッコいい。
バイクが通る時に線がピュンってして笑
動きも滑らかだし、あの演出全部がかっこいいなと。音楽もそうだし、「あァ、痺れるぜ」って感じでした。
片渕:どんぐりずがすごい好きです。
5月にもワンマンライブを観に行ったんですけど、めっちゃ良くてあれはまだ(記憶に)残っていますね。
地方の悪ガキが楽しい事をそのまま突き詰めていったら、ファンもついてきたみたいな感じがすごい好きなんですよ。
曲もめちゃくちゃかっこいいし盛り上げも最高だし。
だー:スパイダーマンの『ノー・ウェイ・ホーム』が面白かったです。
スパイダーマンの培ってきたものを全部『ノー・ウェイ・ホーム』で回収したみたいな形になっていて、「スパイダーマンというコンテンツ、強っ」って思って楽しかったです。
教師になったら演劇をやる事はもう無いだろうね
――初めて演劇に触れた時の事について聞かせてください。
青木:幼稚園児の頃にお遊戯会で「ピーターパン」をする事になって、僕はフック船長の役でした。背が高いからフック船長にさせられちゃって。
ピーターパンになりたいじゃないですか。主人公が良かったんですけど、「フック船長は裕基くんにしかできないんだよ」と言われて。
でも、僕は練習中に辛くて泣いちゃったんですよね。みんながピーターパンを応援する、負けるシーンで。
それでクヨクヨしていたら、先生が慰めてくれて、友達みんなも「裕基くん、頑張れ」と言ってくれた。
それで頑張ろうと思えて本番を迎えたら、親や親戚も「すごいね。上手だったよ」と言われた成功体験が、演劇との最初の記憶です。
そこから演劇をしたいなという気持ちはあったけど、中学高校も演劇部が無くて、大学に入った時には小学校の教師を目指そうと思っていました。
それで、「多分、教師になったら演劇をやる事はもう無いだろうね」と思って、演劇部に入って気づいたら今こんな感じになっちゃった。
――今はフック船長も楽しんで演じられそうですか?
青木:そうですね。むしろ、ピーターパンよりしたいですね笑
(2021年 第5回公演『大ドンデン返シ』ビジュアル)
1回はそこで爆笑できたから
――制作の進め方について聞かせてください。
愛里:作品については話し合いで決めて、とにかく全員でやる感じです。
今までは台本も、ちょっと大げさに言うと、一言一句全員で全部考えるみたいなスタイルでした。
でも、やっぱり4人とも違う人間で、考え方も違うので、その意見が二転三転したり、各々に譲れないところもあったりして、本番直前まで脚本が上がらないとか、全然意見が纏まらないまま本番を迎えるみたいな事にずっとなってきたので、今回のこのイベントからはスタイルを変えようと思っています。
意見やアイデアをみんなで出すけど、脚本を書けるだーまえと私で台本を纏めて、稽古は稽古でちゃんとやろうというスタイルに変えました。
片渕:「もうここはこうしよう。まとめよう。まとめた。形になった」みたいなった後に、自分も言っちゃうけど、他のメンバーからも「いや、ここでもちょっとダサい気がするよね」と後からなって、「わー、どうしよう」みたいな。
――青木さんは今回声だけの出演で、片渕さんだけが今回役者としてのみ参加する事になるかと思いますが、後から文句を言ったりしないというか、大丈夫ですか?
片渕:後からは言わないです。制作の最中に言います笑
愛里とだーまえも書く人としてすごく頼れるので。
話の筋と言うか、細かいことはまだ何も決まってないけど、「こういうふうな話にしたいね」みたいな会議を週に1回ぐらいやっているんですけど、なんか1回はそこで爆笑できたからもういいんじゃないかなと思えたというか、あんまり不安はない。
久々だから緊張するというのはめっちゃあるんですけど、ワクワクしている方が大きいかもしれないです。
愛里:今回はSF。『AKIRA』の世界観で。
だー:嘘つけ笑
片渕:青木が力を手に入れて、みたいなね笑
可愛いタイトルがいいね
――今回の作品タイトル『LOVE&30 〜フローズンマルガリータにチョコレートをひとかけ〜』(仮)について聞かせてください。
だー:「可愛いタイトルがいいね」という話だったんですよね。
最近、マイティ・ソーの『ラブ&サンダー』という映画があったんで。我々も30っていう節目をそろそろ迎えそうという話でもあるので『LOVE&30』にして、ちょっと可愛くしました。
後ろの『〜フローズンマルガリータにチョコレートをひとかけ〜』は、カクテル言葉で「元気を出して」という事もあって、お洒落かなと思って笑
おうち時間にオススメの一品
――家にいるのも飽きつつある中で、それでも自粛しないといけない世の中かと思います。そんな時にオススメできる、自宅で楽しめる一品を教えてください。
青木「たま(バンド)」
青木:もう解散しちゃってるんですけど、たまというバンドの歌が好きで。
昔の動画が今「公式チャンネル」でも上がったりしていて、凄いオススメ。
たまって、4人が4人とも曲を作っているんですよね。作った人が歌って、他の人が合わせてという。
みんな、作る曲の方向性が全然違ったりしているのに、それをリスペクトしてより良いものにしようみたいな。
曲の根っこが全然違うから、1曲1曲聴いていてビックリしちゃう。絵本みたいな曲だったり、聴くだけでも面白いし、見ていても4人の風貌がすごい面白いお方です。
――初めて聴く方に、イチオシの曲といったらなんですか?
青木:『待ち合わせ』です。
あと川島小鳥さんの写真集『おはようもしもしあいしてる』。
人物じゃなくて全部風景なんですけど、コーヒーを飲みながら好きな音楽を聴きながら読むと、優しい気持ちになれると思います。
愛里「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(NetFlixオリジナル)」
愛里:Netflixオリジナルの韓国ドラマです。
韓国のエンタメ、特に映画はすごいなと思って観ているんですけど、ドラマには手を出せずにいたんです。
オープニングから可愛らしくて、ドハマリしてしまいました。
全16話、もう老若男女全員にオススメできる優しいお話なので、是非観てみてください。
片渕:主演女優みたい笑
片渕「スーパーバッド 童貞ウォーズ(映画)」
片渕:「人生で一番好きなものは何か」と問われたら、この映画を出すぐらい好きなんです。
高校卒業を目前に、スクールカーストメチャクチャ下の男の子3人組が、偽のIDを作って酒を調達して、イケイケの女の子たちのパーティーに行けるように頑張るみたいな話。
偏見の塊みたいな3人組の話なんで、めちゃくちゃ頭もエロい事でいっぱい。ゲスい話もめちゃくちゃする。見る人が見たらちょっと最悪だなみたいなコメディーではある。
けど、1番の青春映画。
途中で倫理観最悪の警察官2人組が出てくるんですけど、その2人組がメチャメチャ良い。最初こそほんとクソみたいなやつで、普通にギャグとしてはめっちゃ笑えるんですけど、そういう感じの突飛なキャラとして出てきたのかなと思って見ていくうちに、「こういう大人が側にいたなら、どんだけ心が救われただろう」みたいな気持ちになって、めっちゃ泣きました。
1番好きなシーンがあって――3人組のうちの1人が色々あって、その2人組の警察官と一緒に行動するようになるんですね。その警察官と打ち解けていくんですけど、その男の子が「銃を撃ちたい」と言うんですよ。
最初こそ弾を抜いて触らせるだけだったけど、その警察官が自分の乗っているパトカーをもうボコボコに乗り回して最後に爆発までさせて、最終的にその男の子に弾入りの銃を渡して、そのパトカーに向かって「お前、撃ってみろ」ってな感じで撃たせる。
そこがもう大号泣ポイント。
この子の鬱屈としたものが解放されたシーンだと自分は受け取ってしまって、大好きだし、すごく切ない映画ですね。
だーまえ「オモコロ・チャンネル、じゃれ本シリーズ(Youtube)」
だー:最近、本当に集中力がなくてYoutubeでもお笑い系しか見れなくなっちゃったんですけど、オモコロチャンネル『じゃれ本』が好きなんです。
バーグハンバーグバーグという広告会社があるんですね。そこが運営しているチャンネルなんですけど、もともと友達としか仕事したくないというんで集まった会社らしいんです。「友達を集めて仕事している」みたいなのって理想の働き方だなと思いながら見ていますね。
ただのファンです笑
「どうやったら面白く」とか、そういうのをちゃんと分かった上で色んな事をやっているのかなと思います。
まぁ、偉そうな事を言っていますけど、面白いから好きです笑
――エンタメとしての信頼感が大きいというか。
だー:そうです、それでお願いします笑
年々楽しく大人になっている
――最後に一言お願いします。
愛里:Youtubeをやっているので、是非観てください。
片渕:あのー、お芝居とか全然よくわかってないっていうのが正直なところですが、お手柔らかにお願いします。
だー:あいりょんと被るんですけど、Instagramもよろしくお願いします!
青木:我々4人は基本ネクラで後ろ向きな感じなんですけど、年々楽しく大人になっているので、そういう様子を優しく見守ってくれたら嬉しいです。
◎作品情報◎
ハコベラ「LOVE&30 〜フローズンマルガリータにチョコレートをひとかけ〜」
~あらすじ~
ハコベラにはあらすじというものがわからぬ。ハコベラは3年前に福岡県から上京した劇団である。ハコベラには演出家がいない。脚本も全員で作る。福岡にいたときは天才集団と呼ばれていたものだが、東京でそう呼ぶ者はまだ一人もいない。正直福岡にもニ人しかいなかった。ハコベラにはあらすじというものがわからぬ。分かるのはただ、演劇が好きだということと、それを暗く覆い尽くすほどに、現実の壁は大きいのだということである。
~出演者~
愛里
片渕高史
だーまえ
青木裕基(音声のみ出演)
~参加チーム・タイムテーブル~
αチーム
2022年10月
13日(木)19:00
15日(土)19:00
16日(日)15:00※
※終演後にアフタートーク有(約20分予定)
受付・開場は開演の20分前。
上演時間は約90分予定(1団体につき約20分の上演+OP演奏15分)。
※次回は明日、みちばたカナブン 渡邉結衣さんのインタビュー記事です。また次回でお会いしましょう!