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銀河書店's HP

【試し読み】銀の河を漂い彷徨う2(第五章全文)

2022.10.24 10:04

 5.迷い込め、未知の世界へ


 サークルあるいは自著の所属するジャンルが少々ぼんやりしている私の、イチオシイベントがある。

 その名も『ジャンル迷子オンリー』(*2)! 正直に言います、ド直球ネーミングに惹かれました。

 オールジャンルとはまた違う、「これ、ファンタジー…か?」みたいな、既存枠にはまりにくい、もしくは敢えて囚われない。

 一般的なイベントならジャンル分けに非常に悩むか、「その他」とでも分類されそうなサークル及び作品大歓迎のイベントである。


 実は、初回(2021年9月26日)には既にその存在は認識していた。

 が、このイベントの参加申し込み時期には、まだオンラインイベントというもののなんたるかを分かっていなかったので、あちこち手を出す度胸も余裕もなかったのだ。

「そんなイベントもあるんだな、機会があればな」くらいは思ったかもしれない。イベントを覗きに行くこともできなかったが(なにせリアイベでフィーバー中だった)、なんとなく記憶に残っていた。

 それがある時、他愛もない呟きを主催さまがイイネしてくださったことがあり、なにやら急に親近感が湧いた(単純だなおい)。

 第2回目が開催決定しているのも知って、しかしまだ参加には悩むところがあった。とりあえず保留、というやつである。

 その後しばらくして、元・相方と「ジャンルってよくわからんよね~」という話で盛り上がった際に「そういえばこんなイベントあるよ」と紹介されたのが、何を隠そう第2回目、『まだまだ! ジャンル迷子オンリー』(2022年9月10~11日)である。


 これはもうさ、申し込めってことだろ。

 10年来の友人が勧めてくれるイベントだぞ。


 盛り上がった勢いで申し込んで、なぜ参加を迷っていたのか思い出した。

 ……前述の『海賊オンリー』と、がっつり日程被ってるんですわ……

 それでか。それで迷ってたのか。ただでさえネット環境苦手なのに、オンラインで二重出店とか!

 いやまぁ、どちらの主催さまも、それを禁止してはいなかったんですがね。

 というか、それができるのがオンライン最大の利点でもある気はするが。いいのか?!

 出店はともかく、頒布物に関して長々と思い悩んだ挙げ句、開催直前に主催さまに相談という名のお伺いを立てたところ、非常に丁寧なご回答を頂いた。

 一安心して(というか調子に乗って)双方のイベントに臨んだ次第。

 やはり不安や悩みはとっとと相談するに限る。


 このイベント、何がありがたいって、申し込み時に申告するのが、2つ用意されたエリアのどちらにスペースがほしいかだけなのだ。

 ジャンルだの作品傾向だの、明確な定義もなくその答えは無限にあるような曖昧な問いはないので、非常にラクである。

 主催さまには主催さまの作業効率というものがあり、イベントを運営するにあたって最低限必要な情報があるのもわかる。こちらの情報を提示するのは参加者の義務だろう。

 そんなことはわかっているが、それが苦手な人間にとっては、質問が多ければ多いほど、入り口が狭まるばかり。申し込み時にあれこれ悩むことが多いと、正直疲れて面倒になり、最悪参加を諦めかねない。

 主催さまの質問(=申し込み時の入力必須項目)にうまく答えられない時点で、イベントの主旨と合っていないのでは、などと余計なことまで考えてしまうので(それも恐らく間違いではないだろうが)、申し込みはシンプルに済む方が、私としては断然参加のハードルが下がるし、ありがたいの一言に尽きる。


 そして、申し込みがシンプルだからイベントもそうだったかというと、無論そんなわけはない。webアンソロ・装丁まとめ・イベントブックレット(いわゆるサークル情報カタログ)と、事前企画が盛りだくさんだった。改めて主催さまの運営力と企画力に頭が下がる。

 全部に参加する必要はないのだが、こんな企画でもなければ自発的にPRすることが非常に苦手なので、可能な限り乗っかることにしている。

 多少(?)の我が侭や無理をお願いしてしまったりしたのだが、イベント当日だけでなく、準備期間も共有しているような、「参加している」感がすごくあった。

 特にブックレットは中綴じできるように編集してくださっており、ホチキス留めするだけでイベント感が半端なかった。紙媒体好きにはたまらんです。形が残るって素晴らしい。


 私は元来、お尻を叩かれないとやる気を出さないモノグサーである。あれやこれや提案して頂き、都度締切があり、「○日までだよ!」とアナウンスしてくださる主催さまのおかげで、いつものように既刊のみ、などという勿体ないことにならずに済んだ。人を動かす力って、すごいね。

 こちらも、次回開催は少し間が空くとのことだが、未知との遭遇、予期せぬ素敵な出会いを、サークル側としても一般側としても楽しみに待ちたいところである。


*2…主催:草群鶏さま(@yamakana10)

  イベント公式Twitter:@wandering_works

  イベント特設サイト:https://kusamurakei.wixsite.com/wonder2