瞑想入門
https://www.ashi-tano.jp/?p=9142 より
瞑想は、仏教をはじめとする宗教からスタートしたもの。
この時点で「うさんくさい」イメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし最近では Google やインテルなどの名だたる企業の社内研修に、瞑想が「マインドフルネス」という名前で取り入れられるようになりました。
スティーブ・ジョブズが瞑想を取り入れていたことをご存じの方も多いでしょう。
また、最新の研究結果から、瞑想の効果に科学的な根拠も示されるようになってきました。
わたしは瞑想をはじめて約3年になりますが、ストレス解消や集中力の強化をはじめ、その効果を実感しています。
控えめに言っても、瞑想がわたしの人生を大きく変えてくれたことは間違いありません。
わたしは瞑想を3年続けているだけのシロウトですが、そんなわたしだからこそお伝えできる、初心者にもやさしい瞑想のコツやメリットをお伝えします。
やり方の前に効果を知る
さっそく瞑想のやり方を紹介したいところですが、その前に瞑想をするとどんな効果があるのかまとめてみました。
瞑想をあやしく思っていたり、やってみて挫折してしまった人でも、効果を知っていると続けやすいのではないでしょうか。
GoogleのSIY
瞑想やマインドフルネスがここまで大きく広がった1番のきっかけは、何といってもGoogleが自社の社内研修に取り入れたことです。
Googleで開発されたこの研修プログラムはSIY(Search Inside Yourself)と呼はれています。
公式ホームページでは、以下のように紹介されています。
Google社が、最新の脳科学に基づいて開発したリーダーシップ・パフォーマンス向上のプログラムです。
もともと、多忙なGoogleのマネージャー・エンジニアのパフォーマンスをさらに高めるために開発されました。
SIYは、マインドフルネスに基づく新しいプログラムで心の知能指数(エモーショナルインテリジェンス)における「5つの要素」(自己認識・自己制御・モチベーション・共感・コミュニケーション)に着目した「心と思考力」を科学的アプローチで強化するプログラムです。
現在ではGoogle以外にも、インテルやアドビ、ゴールドマン・サックスなど、さまざまな企業で瞑想が使われています。
明確な研究結果
瞑想の効果を科学的に明らかにする試みも進んできています。
例えばこちら。
瞑想はプラセボ効果ではなく科学的に脳を変えることが初めて判明 – GIGAZINE
瞑想の研究ではプラセボ効果を取り除くことが難しいのですが、この実験では被験者に正しい瞑想のやり方と間違ったやり方を教えて、その結果を比較しています。
瞑想の効果
この結果以外にも、以下のようなさまざまな効果があると言われています。
ストレスを減らす
集中力を高める
感情をコントロールできるようになる
熟睡できる
記憶力が増す
脳の灰白質を増やす
科学的に証明されているものはまだ少ないですが、一定の効果があるのは間違いないと言えるでしょう。
わたしが考える効果
わたしが実際に瞑想をして感じた効果も紹介しましょう。
刺激と行動の間に距離を置く
瞑想をするようになって1番変わったのが、感情に振り回されなくなったこと。
瞑想では、自分の中からわき起こる思考や感情、感覚などにいったん気づいたあと、それをそのまま流していきます。
これを繰り返し行っていると、瞑想をしていなくても同じような対応ができるようになります。
例えばイライラすることがあっても、それに自動的に反応して怒鳴り散らすのではなく、「あー、今自分はイライラしているな」と気づいて流すことができるのです。
自動的に反応することか減って、以前より一層おだやかな人間になれました。
とはいっても子どもにイライラさせられて怒鳴ってることもたまにはありますけどね(笑)。人生まだまだ修行です。
ワーキングメモリの消去
もうひとつ感じる効果は頭の中がスッキリすること。
科学的な根拠はないのですが、瞑想をすると短期記憶やワーキングメモリといったものを整理できるからではないかと考えています。
短期記憶やワーキングメモリとは、一時的に机の上に必要な書類を出しておくようなもの。
そこからからに必要なものは脳の別の場所に長期記憶として保存されます。机の上から必要なものを選んで別の棚に入れておくようなものですね。
通常はこの選別は寝ている時に行っているのですが、瞑想でも同じような効果があると言われています。
机の上を整理すれば、新しいものを置くことができる。
つまり頭の中がスッキリして新しいことを考えられるようになるのです。
わたしは昼休みや考えごとをする前などに5分くらい瞑想することがよくあります。
まとめ
瞑想やマインドフルネスについて、歴史や研究結果、抱える問題などを全体的に理解するには最適な本。
トップカスタマーレビュー
I am that I am.
VINEメンバー殿堂入りベスト10レビュアー
5つ星のうち3.0西洋でのマインドフルネス瞑想のリポート
西洋において、マインドフルネス瞑想が、どのように取り入れられ、どのように受け入れられ、どのように利用されているか、についてのジャーナリストによるリポートです。
仏教的要素を取り除いたが故に、医学、スポーツ、ビジネス等、様々な分野に広まったことや、仏教的要素を取り除いたが故に、いい加減な手法が生まれ蔓延していること、などが紹介されています。
仏教的要素を取り除いたマインドフルネス瞑想が、西洋でどのように扱われているのか、について、雑学的な情報をとりあえず知っておきたいという方には、お勧めかもしれません。
なお、原書版副題である『How Meditation is Changing Business From Inside Out』についてですが、様々な企業のリーダー、従業員がマインドフルネス瞑想を実践している事例が数多く紹介されています。
また、企業向けに様々なマインドフルネス瞑想手法が改良&導入されていることも知ることができます。
ただし、如何なる目的に対して、如何なる手法が効果があるのか、またないのか、といった詳細にまでは踏み込んでいません。
したがって、具体的かつ効果的な『How』を知りたい方には、あまりお勧めできません。
また、邦訳版副題である『瞑想の脳科学があなたの働き方を変える』についてですが、
マインドフルネス瞑想についての脳科学的な検証は多少は盛り込まれています。
ただし、西洋において受け入れられるためのプロセスの1つとして記述されているだけで、
本書で紹介されている様々な手法のすべてについて脳科学的な検証が記述されているわけではありません。
したがって、マインドフルネス瞑想の『脳科学的な裏付け』を知りたい方には、あまりお勧めできません。
最後に、本書を読んでの感想です。
仏教的要素を取り除いたマインドフルネス瞑想は、よほど注意して選ばないと危ないように思えます。
ポイントは、その手法がマインドフルネス瞑想を深く長く実践してきた方が改良したものか否か、ということだと思います。
本書で登場するものの中では、ジョン・カバット・ジン氏の『マインドフルネスストレス低減法』が最も信頼できると思います。
また、宗教アレルギーが強くない方は、できるだけ仏教のマインドフルネス瞑想を実践した方がいいのではないかと思います。
私自身は、ティク・ナット・ハン氏の著作ベースでマインドフルネス瞑想を行っていますが、人それぞれ好みがあると思いますので、いろいろ触れてみて自分自身にあったものを選ぶのがよいと思います。
補足:
★3つは、マインドフルネス瞑想はやはり仏教ベースで実践するのがよいと確信させてくれたことに対するものです。
これで、仏教的要素を取り除いたマインドフルネス瞑想についての書籍に煩わされることがなくなりました。