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精神科医 諸藤(モロフジ)えみりの心のレッスン

初めまして

2022.10.25 09:03



初めまして。

精神科医の諸藤えみりです。



これまでInstagramで

心について

発信していました。



長文を書きたくなったので、

ブログを書くことにしました。



初めてのことは

いつもドキドキしますね。



でも、

これからどんなことを書こうか

ワクワクする自分もいます。



記念すべき第1回目の投稿なので、

自己紹介をします。





わたしは祖父母と同居の

3世帯家族で育ちました。



祖母は体が弱く

よく通院していました。



母の勧めもあり

将来は医療系の職に就きたいと

考えていました。



小さい頃は気づかなかったのですが、

わたしの両親は不仲でした。



家には

緊張感が漂っていました。



知らず知らず

「いい子でいなければいけない」

「母を悲しませてはいけない」

という思いが強くなりました。



しっかり者の

お姉ちゃんだったわたしは

学校では学級委員長。

優等生でした。



いい成績を取ると母が喜ぶので

たくさん勉強しました。


しかし、心の内側では


・間違えてはいけない

・皆に好かれないといけない

・人前で泣いてはいけない

・人に迷惑をかけてはいけない

・親を心配させてはいけない

・人の役に立たなければ


など

様々な思い込みが

吹き荒れていました。




勉強ができた私は

母を喜ばせたい一心で勉強し

国立の医学部に入学します。



医学部の同級生が優秀で、

今度は

「自分はダメだ…」と

自己嫌悪に

苛まれるようになりました。



「どうせ私なんて」

が発動し、

自分より成績が悪い人を見て

安心するという

最低な気持ちで

過ごした大学生活でした。



そんな学生時代でしたが

無事卒業し

研修医になりました。


さまざまな科を

ローテーションするうちに

「どのように生きるのか」

を考えるようになりました。




当然ことながら、

わたし達1人1人に異なる人生があります。

相手の喜びや悲しみに

寄り添いたいと考え、

精神科を選びました。



順調に精神科医として

働き始めたものの、


・わたしは人より劣っている。

たくさん働いて

認めてもらわなければ。

・怒られないようにしないと。

・教授回診で失敗しちゃだめ。


と悩みました。



解決するには

もっと働くしかないと考え、

がむしゃらに働きました。



しかし

働けば働くほど

仕事と人間関係に押しつぶされ、

半年間

お休みをもらいました。





優等生で

生きていた私にとって

休職は青天の霹靂です。



学歴などの外側で

存在価値を保っていた私は、

言葉通り

足元から崩れ落ちました。



「今まで死に物狂いで

頑張ってきたのに

なぜわたしが

こんな目に遭わないといけないのか」

と世界を恨みました。



惨めな自分を知られたくなくて、

仲のいい友達にも

会えなくなりました。




そんな地獄の底を

這いずり回るような苦しみの中、


・なぜ自分は苦しいのか

・自分はどうしたいのか


を解き明かしました。



心の傷にも触れました。

遅すぎる反抗期も迎えました。



自分の考え方のクセを知り、

1つ1つ手放しました。



そして、

たくさんの人の支えで復帰しました。



今では天職だと思うくらい

精神科、心療内科医の仕事が

大好きです。




わたしの診察室には

毎日色々な人が来ます。


傷ついている方の話を聞くと、

自分が通った道なので

心の底から共感できます。


なぜ苦しいのかが分かります。



わたしが立ち上がれたので、

相手も大丈夫だと信頼できます。

信頼を土台にして

話を聞けます。




傷ついていたことさえも

気づかなかった私。


受け入れてほしくて

頑張った私。


そんなわたしだからこそ

分かることがあります。



これらを考えると

今では

あの苦しかった出来事が

ギフトに思えて仕方ありません。


苦い経験の1つ1つが愛おしいです。




誰だって

「わたしで良かった。」

と思いたい。



自分を大切にしたい。

同じくらい目の前の人を

大切にしたい。



でも、

心が満たされないと

自分に優しく出来ない。

人にだって厳しくなる。



だからこそ

心のケアが大切です。



どうしたらいいかを

これから少しずつ

お話しできたらいいなと思います。



読んでくださり

ありがとうございました。