三代目❤夢小説 『直己編⑱』
2018.03.11 14:50
「まだ街灯もなかった頃、道端でうずくまっている若い女性がいました」
ん?昔話かな?
「もしもし、娘さん、どこか具合が悪いのか?」
「提灯ひとつ提げて家路を急いでいた村の若者が声をかけました」
「娘は下を向き、みぞおちの辺りを押さえています」
「腹が痛むのか?」
「はい…シクシクと痛みます」
「提灯の灯りだけではよく見えませんが、色白で赤い着物を着た、としのころなら18、9の生娘のよう…」
「立てないほど痛むのか?」
「いえ、手を貸していただければ立てると思います」
「娘がそう言うので、若者は娘の白い手を取りました」
「下を向き、片手で顔を隠していた娘は、くるりと若者の方を見ました」
「真っ白でつるんとした顔…」
「耳まで裂けた口から、ギザギザと尖った歯を見せて笑った娘には目がありません」
のっぺらぼう?
「若者は叫び声をあげる間も無く…」
「大きな口を開けた娘に、頭から飲み込まれたそうです…」
つづく
直己さん目線でストーリーが進んでいきます。
《イメージイラスト》