タロットカード殺人事件
タロットカード殺人事件
Scoop
2007年12月2日 日比谷シャンテシネにて
(2006年:イギリス=アメリカ:95分:監督 ウディ・アレン)
わたしにとっては、どうも微妙な位置にあるウディ・アレンの映画。
ウディ・アレンの映画で笑えるのはとてもスマートな証拠?
わたしはどうもスマートさには欠けるので、なんとも、中途半端な気持になるのですが、かといって公開されると必ず観てしまいますよね。
好きなのか、自分でもよくわからないのがウディ・アレンの映画です。
前作『マッチ・ポイント』は、結構好きで、やっとニューヨークを離れたのね・・・って思いましたが、今回もイギリスが舞台となっています。
でも、主演のウディ・アレンとスカーレット・ヨハンソンの素人探偵コンビはアメリカ人で、アメリカ人ですということがとても強調されています。
一応、タイトル通り殺人事件がある訳ですけれど、その殺人事件はあくまでも、新聞で報道された・・・などで、殺人事件を描くものではありません。
だからおそろしくサスペンス度は低いのです。
あくまでも、タロットカード殺人事件と名付けられた殺人事件の犯人は、貴族の青年、ヒュー・ジャックマンではないか・・・と、知ったジャーナリスト志望の女子大生、スカーレット・ヨハンソンが、アメリカ人マジシャンであるウディ・アレンをひきずりこんで、「スクープ」(これが原題ね)を狙う・・・というもの。
何故、犯人がヒュー・ジャックマンなのか・・・なんて、死んでしまった名ジャーナリストの幽霊がですねぇ・・・・マジックの最中に現れて・・・教えてくれるのです。
あくまでも、これは、情けないマジシャンであるウディ・アレンと、強気のスカーレット・ヨハンソンのコンビのボケとツッコミ会話が中心のコメディです。
まぁ、ウディ・アレンが若かったら、スカーレット・ヨハンソン気に入って、恋人役なんでしょうけれど、そこはさすがに偽の父と娘になって、ヒュー・ジャックマンに近づくのです。
リッチで、ハンサムで、優雅なヒュー・ジャックマンに、だんだん惹かれてしまうスカーレット・ヨハンソンの「素人ぶり」ってなかなか微笑ましいものが。それを、ダメだよ、ダメだよ!とぴいぴい言う、ウディ・アレン。
この映画は会話の映画で、テンポのいい会話など軽妙でさすがと思いますが、字幕に頼るしかない観客には、十分に伝わりにくいものがあります。
で、いつものことですけれど、ウディ・アレンの映画になると、声をあげて大笑いする人が必ずいるのです。
今回もいました。
いや~~~わたしはウディ・アレンの映画では、『インテリア』とか『マッチ・ポイント』とか・・・真面目路線なら感心しますが、ネイティブなイングリッシュを楽しむほど、英語は出来ませんし、くすって笑えるけど、げらげらは笑えない・・・という複雑な気持になって映画館を後にするのでした。