教える、ということ
毎朝7:30にTwitterとFacebookでトランペットや音楽についての一言、「 #今朝の一言_ラッパの吹き方 」を投稿しています。
先日はこんなことを書きました。
「教える」というのは演奏する事とだいぶ違う頭の使い方をします。僕自身がレッスンなどで心がけていることは以下のようなもののバランスです。
洞察力・分析力
言語的なスキル
演奏スキル
音楽理論
確信・プライド
相手との距離感・相手を理解する姿勢
ノリ・テンション
相手によって、内容によって、場面によってこれらのバランスを少しずつ変えていくのですが、当然最初から全部できたわけではありません。様々な角度から経験、研究、練習を繰り返して精度を上げていきましたし、今もそれは継続しています。まだまだ知らないことだらけです。
ですから、リンクしたツイートのように、中学や高校で上級生になったからといってまるでバンドディレクターのような指導ができるなんてことは、まずありえません。「先輩」「上級生」という肩書きにプライドを持つことは大切かもしれませんが、みんなで目線を合わせて一緒に考えて、一緒に上手になろうという姿勢のほうが絶対楽しいし、成長するはずです。
僕が中学生の時の吹奏楽部では、パート練習の時にパートリーダーが打楽器の古くて使えなくなったスティックで床だとかイスだとかをガンガン叩いて「3,4!」とメトロノームになって、「リズムが合ってないから合わせてください!」「はい!」だとか「音程が悪いから合わせてください!」「はい!」と叫んで一向にリズムもピッチも合わない、という謎時間を繰り返していました。いやいや、パートリーダーも吹きなさいよ。
そんな感じで、頑張って教えようという姿勢はとても良いことではありますが、それより大切なのはパートのメンバーが仲良くなること、楽しく充実した時間であること、全員が協力し合ってスキルアップのために試行錯誤することのほうが大切だと思います。
みなさんのパート練習はどんな感じでしょうか。もっと良い方法、もっと良い時間にする余地があるなら、ぜひいろいろと考え、試してみてください。
荻原明(おぎわらあきら)