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半井小絵さん インタビュー前編

2018.03.14 01:23

旅・仕事・大人の女性像とは…?
各界で活躍する大人女子にお話を伺うインタビュー企画第1弾。
気象予報士の半井小絵さんの登場です。


プロフィール ● なからい・さえ


兵庫県出身。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修了。
日本銀行在職中の2001年に気象予報士の資格を取得。

02年から2年間、NHK「関東甲信越の気象情報」、
04年から7年間、NHK「ニュース7」(月~金)の気象情報を担当する。

現在は気象や防災、環境に関する講演活動をはじめ、
「真相深入り! 虎ノ門ニュース」のコメンテーター、また舞台など幅広く活躍している。

NPO法人火山防災推進機構客員研究員、緊急地震速報評価・改善検討会委員、
「地球ウォッチャーズ~気象友の会~」理事、日本災害情報学会企画会員。

著書に「半井小絵のお天気彩時記」(文春文庫)など。




――半井さんにとって旅行とは?

人との出会いを通じて得られる、癒しを求める対象ですね。

 

 旅行は好きですね。移動すること自体が好きなんです。電車に長い時間乗ることは全く苦にならないほどで。例えば、東京から鹿児島まで新幹線に乗るのだって平気ですよ。電車なら、途中で気が向けば、友人に会いに行くこともできる。せっかく移動するなら、知人に限らず旅先の様々な方々と交流したいですね。そうした人との出会いや、美しい車窓からの風景に巡り合えることで、癒しを得られることが喜びです。


 仕事で移動するときは、現地で美味しいものを食べるのが楽しみですが、プライベートの旅行は、温泉でゆっくりというのが一番ですね。昔は、シュノーケリングをしに行くなど活動的な旅が多かったんですが(苦笑)。温泉に行ったなー!という醍醐味を感じるのは、硫黄のにおいが立ち込める温泉ですね。肌に吸い付いてくるような、ヌメっとしたお湯も好き。旅館で1泊するとき、4回はお風呂に入ります。最近は、長野県の大町温泉へ両親と行きました。




――仕事とは?

必要とされている場所で能力を発揮し、周囲の方々と幸せを感じ合うことだと思います。 

 

 人として生まれて、一番幸せを感じる瞬間というのは、人と人とが分かり合えたとき、触れ合えたときだと私は思います。必要とされている場所が仕事であれば、そこで自分が持っている能力を発揮できるよう努力する、そのことで幸せが広がるのは素晴らしいことですよね。私は、そういうとき、人間として今、生きているな~という実感がものすごく湧きます。


 ただ、若いときの私がそこまで気づけたかというと、そんなことはありません。忙しさを理由にそれで満足してしまうこともありました。でも、いつか「気づく」ときは来るんですよね。偉そうなことを言っていますが、私が本当に「気づいた」のは30代に入ってからです。遅いですよね(笑)。テレビ番組で気象コーナーを担当していた頃、自分は表舞台に出てはいますが、裏方には、制作の方はもちろん、技術スタッフの方もたくさんいらっしゃいました。でも、名前と顔を画面に出しているのが私だけですから、まるで自分の力のみで放送しているような気分になり、「勘違い」しかねない状況でした。そうならないよう、できるだけ大事なことを見失わないようにと必死でしたね。


 大変お世話になっている先輩予報士に、高田斉さんという方がおられます。私の場合、「気づく」ことのできるきっかけは、高田さんだったように思います。「あなたはあくまでも解説者なんだ。前に出て解説をする人なんだ。」と繰り返し言葉を掛けられました。そして、気づくことができました。気づかせてくれる方って本当にありがたいです。


 今、劇団の活動もしていますが、周りには若い子が多いんですよね。たまに、ここは言わないといけないと思う時があるものの、それって愛情がないとできないことなんです。ものを言うことは苦手なタイプですが、言うのには体力が要りますね。「言われるうちが華」ってその通りです。言われた側も、まずは素直に聞くことが大事だと思います。素直さが無ければ、自分の成長がそこで止まってしまうと思います。この先きっと困ることがあるだろうから私も愛情を持って言おうと思います。私が高田さんに言っていただいたように、次の世代に「継承」できればいいですよね。まぁ、まだまだ先輩から気づかされっ放しの私が言うのも変ですが(笑)。





後編では、半井さんが取り組まれている防災の活動について、
そして観光産業にとって切っては切り離せない「風評被害」のことについて伺います。
さらに、半井さんが考える「大人の女性」とは…?

SQUARE VOL.190から引用