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年賀状にまつわる悩み

2022.11.01 06:06

↑「天使の保護者ルカの会」のサイトでは、セレモニーカード(喪中はがき)のテンプレート(可愛らしい天使のイラストが使われています)をダウンロードして使えるようになっています。 


流産・死産で子どもを亡くした場合、年賀状をどうするのか、喪中はがきを出すべきなのかについては多くの人が悩んでいます。当事者としては、「大切な子どもを亡くして喪に服しているのだから、年賀欠礼しよう」というのが自然な心情だと思います。が、一方で、 世間一般としては、お腹の中の子はまだこの世に生まれていない存在であり、その死をあえて周囲に公にすることについては賛否両論あるようです。

ネット上の色々な意見を読んでわかったことは、生まれる前の赤ちゃんを亡くした場合に喪中はがきを出すか出さないかは、社会通念上明確な約束事がなく、両親の判断に任されているということです。

年賀状を書く気持ちにはとてもなれないのであれば、年賀状は出さずに寒中見舞いを出すか、事前に喪中はがきを出すという選択肢があります。

年末近くに亡くされた場合は、とてもそれどころじゃない、何も考えられないという方もいらっしゃると思います。その場合は、ご自身の気持ちや体調を優先して、年賀状については考えられるようになったら、その時に考え対応することで十分だと思います。

いずれにせよ、年賀状をどうするかについては、夫婦間での意見のすり合わせが必要なので、早めに意思確認をしておくと良いと思います。


◆喪中はがきを出すときの考え方

①年賀状だけでも今後のお付き合いを継続したい方(仕事関係を含め)には、喪中はがきを出す。誰が亡くなったかの詳細は書かずに、不幸があったため年賀欠礼する旨だけを伝える文面にする。

*年賀状だけの関係で、妊娠していたことを知らない人には、不幸があったことだけを伝えるのが無難かと思います。

*なんとなく年賀状だけのお付き合いをしている方には、喪中ハガキも出さずに、この機会にフェイドアウトするのもアリかと思います。

②赤ちゃんの死をきちんと伝えたい&気持ちをわかってくれそうな人には、赤ちゃんの週数に関係なく、喪中はがきで事情を伝えてよいと思います。

*周囲が妊娠に気付かない週数の場合、色々と聞かれて説明するほうがつらいので、通常どおり年賀状を書いたという意見がネット上では多かったです。

◆喪中はがきを出す場合の注意点

①喪中はがきを書いた場合、赤ちゃんのことについて色々と聞かれる可能性もある(誰が亡くなったかを書かない場合、誰が?と聞かれたり)ことを考え、その覚悟&準備(どう返答するか考えておく)をすること。

②喪中はがきの内容について、夫婦(親戚間の付き合いが多い場合など、夫婦の両親の意向も確認した方が良いこともある)できちんと話し合い、意見を一致させること。

*夫に話さずに出して、後から親戚等からのいちゃもんがあり、もめたという話を読んだことがあります。

◆喪中はがきを出すことのメリット

①年賀状には、様々な慶事(結婚、妊娠、出産)の報告や子どもと一緒の家族写真が載っていることが多く、死別後間もない時期にこれらの話題に触れることは、強い悲しみ、痛みが刺激されるつらい体験になるかもしれません。喪中はがきを事前に出しておくと、これらの年賀状を受け取らずに済むというメリットがあります。

②そこまで親しくないけれども、今後も付き合う予定の人(親戚など)で、今回の妊娠について知っている人に対して、赤ちゃんを亡くした事実を対面で直接伝えるのは、なかなかしんどい作業だと思います。このような場合、喪中はがきを通して、赤ちゃんとの死別の事実と今後どのように接してほしいと考えているのかを伝えておくと、今後の付き合いが楽になるかもしれません。今後、どのように接してほしいのかは人それぞれ異なりますが、元々苦手な相手やあまり自分の気持ちを尊重してくれないと感じている人に対しては、この出来事を理解してもらおうという期待はせずに、「赤ちゃんのことを話すことはとてもつらいので、当面は赤ちゃんのことには触れず、今まで通り接してほしい」「妊娠や出産に関する話題は控えてほしい」「しばらくは夫婦だけでゆっくり過ごそうと思う」等を伝えるのが無難かと思います。

 


また、喪中ハガキを作成すること自体、初めての方も多いと思うので、一般的な喪中はがきのマナーもまとめておきます。

◆喪中はがきとは? 

定義:1年以内に近親者(一般的には2親等まで)に不幸があったとき、喪に服しているため、年賀の挨拶を遠慮することを知らせる挨拶状

送る期間:11月中旬〜12月上旬までに届くように送る。年末に不幸があり、喪中はがきが間に合わない場合は、年が明け、松の内が明けてから(1月7日〜遅くても2月3日までに)寒中見舞いはがきとして年賀欠礼を伝える。

書く内容: 

1.喪中のために年賀欠礼することを伝える。近況報告やその他の用件は書かないこと。

2.「年賀」「おめでとう」「お慶び」などの言葉は使わず、句読点を入れずに、お世話になったお礼等を伝える。

3.いつ、誰が亡くなったのか、差出人からの続柄を伝えるのが一般的だったが、最近では、亡くなった方の詳細を入れない場合も増えている。


管理人の場合は、喪中ハガキは間に合わない時期だったので、年賀状を頂いた方と、これまで年賀状をやりとりしている仕事上の目上の方にだけ、1月下旬に寒中見舞いを出しました。パソコンで文面をきちんと作成して印刷するという気力がなくて、どうしても書かなくてはという人にだけ、手書きで文面を書いて出したのですが、息子を亡くして1ヶ月くらいの時期だったので、書きながら泣けてきて、とてもつらい作業だったのを覚えています。親しい人にはメールで死産のこと、年賀欠礼の旨を伝えて済ませました。何も伝えず、年賀欠礼してしまった人も多く、どう思われているか少し気になりましたが、やりとりしている人全員に寒中見舞いを出す余力はありませんでした。

最後に〜近親者の不幸のために不要となったお年玉付き年賀はがき(新品)は、 販売期間内であれば郵便局窓口で無料で通常切手に交換してもらえます(服喪であることを申し出て、書類提出する必要あり、管理人は夫にしてきてもらいました)。