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更夜飯店

京義線(キョンイセン)

2018.03.14 23:55

京義線(キョンイセン)

The Railroad

2007年11月3日 NHKふれあいホールにて(第8回NHKアジアフィルムフェスティバル)

(2007年:韓国:107分:監督 パク・フンシク)

 京義線(キョンイセン)というのはソウルから北へ走る鉄道の名前ですが、北朝鮮の一番近くまでいく路線なのだそうです。

この映画は男女の出会いを描いた、ラブロマンスかもしれませんが、とにかく出てきますよ、鉄道の映像。

しかも、男性、マンスの職業は地下鉄の運転士ですから、外から見た電車・・・でなく、運転席から見た線路の映像も盛りだくさんで、ラブロマンス期待の人よりも、鉄こと鉄道ファンのための映画なんじゃないか、とすら思います。

ゲームの「電車でGO!」を思い出してしまいました。

 女性、ハンナは大学のドイツ文学の講師で、先輩教授と不倫の仲にある。

鉄道士のマンスは、真面目に日勤、夜勤・・・・と地下鉄を運転する。

毎朝決まった時間にある駅のホームに、差し入れを持ってきてくれる女性がいて・・・なんとなくうれしい。

 全く違う世界の2人が出合う。

女は不倫の破綻から、男は、運転中に飛び込み自殺があって、そのショックから、酒を飲んで、京義線に乗り合わせ・・・一番、北の駅に真夜中、置き去りにされてしまうのです。

 最初は、それぞれ、用心しあっていますが、だんだん、お互い、違った事で心を痛めている・・・という事に気付く・・・という。

 この最北端の駅というのが、大雪で、ものすごく寒そうなんですね。

でも、やっと見つけたホテル。

一部屋しかなくて、仕方なく同室になるのですが、ドイツ文学の留学の時、孤独で「風呂で独り言を言うようになるのよ」なんていうハンナは、ホテルの風呂の中で、独り言を言う・・・

その間、部屋にいる男のマンスのほうは、忘れられないショッキングな事件からまだまだ立ち上がれず、暖かい所に来たとたん、涙が出てしまうのです。

 あまり寒いと涙も出ないけれど、「ほっとした瞬間に出てしまう涙」というのが印象的でした。

この2人が、すぐにめでたし・・・になりますか?というとそこら辺は、親しみを感じてくらいに抑えています。

 とにかく、この映画は、電車、地下鉄に関する映像が、ふんだんで美しく、わたしの中では、「綺麗な鉄道映画」です。