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退屈と惰性と 改

HG デイランザ(グエル専用機) レビュー

2022.11.12 02:28

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、

“HGTWFM 04 ディランザ(グエル専用機)” です。


 “機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、御三家の一角、ジェターク社の御曹司でアスティカシア高等専門学校の元ホルダー、グエル・ジェターク専用にカスタマイズされたモビルスーツ、

“MDー0032G ディランザ(グエル専用機)” が、

HGシリーズで発売されました。


 かつてのホルダー、グエル先輩も連敗続きでついに寮を追い出され、学園サバイバル生活に突入してしまいました。

 というか、徐々に物語がその本性を現してきた感じで、今後は彼の存在が唯一の癒やしになっていくかもしれないなんて、第1話を見終わった段階では思いもしなかったなぁ。

 そんな1話で主人公、スレッタ・マーキュリーが駆るエアリアルにダルマ状態にされて以降、登場しないグエル専用のディランザですよ。

 いや、確かにガンダムシリーズにおいて登場が1回限りというMSはいくらでもいるわけですが、正直大した活躍もなくボロ負けでしたからね。

 赤いくせに。

 むしろのちに無理矢理持ち出した弟のカスタム機に乗っての決闘のほうが見せ場がありましたし。

 負けた翌週にこのHGキットが発売されたのですが、なかなか動きが鈍かったようですね。

 さすがに一月経った今となってはどこも売り切れ状態のようですが、それも以降のグエルの活躍(いろいろな意味で)もあってのことかと思います。

 先日発売された一般機/ラウダ専用機については早い段階で売り切りになっていたところが多いよう。

 これはまぁ、先の通り本来の専用機よりも活躍したことに加えて、一般機とのコンパチなので複数購入する人も多かっただろうことが想像できます。

 僕も一つは確保しているのですが、いつもの月ごとのまとめ買いなので、届くのは月末になってしまう・・

 それまでにどこかで見かけたらもう一つ買いたいのですが、巡り逢えるかなぁ?

 このレビューも、タイミングが合えばまとめてやってしまおうかとも思ったのですが、ただでさえ遅いものがさらに遅くなるのもアレなので、もう単体でのレビューに踏み切りました。

 まぁ、いろいろ書きたいこともあるしね。

 キットとは直接関係ないことのほうが多いかもしれないけど(笑)。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。


MDー0032G ディランザ グエル・ジェターク専用機

 ジェターク社の汎用量産型MS、ディランザをグエル用にカスタマイズした機体。

 ジェターク社のMSの方向性は、足りないものを追加で補っていくというものらしく、高いパワーと重装甲を得た結果大型化した機体の機動性を推進器の大型化とホバー走行で確保するという、けっこうな力業で完成したのがこのディランザシリーズ。

 学園の外で軍事運用もされています。

 グエルの専用機は、まずメインカラーが彼のパーソナルカラー(?)であるマゼンタに塗り変えられ、頭部には学園での決闘用に立派な角と、たぶんホルダーの証なんだろう羽根飾りが付けられています。

 ほかにも専用の仕様、装備がいろいろありますが、それらについてはまた後ほど。

 見ため以外、性能的な部分でもなんらかチューンアップされてるんでしょうかね。


 では全体像を前から。

 角のせいもあってなんかカブトムシっぽい(笑)。

 全体に太く、ムッチリとしたデザインです。腕だけはほかのMSとあまり変わらないですけどね。

 とくに下半身にボリュームがあって、どっしりとして安定感はこれぞ重MSという感じ。

 短く丸い爪先も特徴的ですね。馬の蹄みたいです。

 色分けはほぼ完璧。ホイルシールは目の一部とライフルのセンサーに貼るものだけです。

 ホバー走行可能な重MSというと、やはりドムを思い出しますが、デザイン的にはザクに近い感じもあります。二割ほど太ましくした感じではありますが。

 なんにせよ、そこはかとないジオン臭が漂います。

 グエルの趣味なのか、頭部の装飾を始め両肩のシールドやバックパックのウイングなど、どぎついカラーリングもあってなかなかに派手な印象が強いです。

 赤系統のカラーリングで専用機となると、これまたやはり3倍速いあの人を彷彿させるところもありますが、劇中での活躍はあの通り。

 マジか? と思いましたけどね。

 まぁ、色味が全然違いますし、むしろ本命のダリルバルデこそ真の赤い機体という感じですから。

 ただグエルはシャアというよりはジェリドだなぁ。

 主人公への執着度合い(ベクトルは全然違うけど)に、なんとなく顔も似てるし。

 ジェリドみたく次々とMSを乗り換えていくのも面白いかも。

 最期まで真似してほしくはないけど。


 頭部アップ。

 まさしくカブトムシの角っぽい、大型のブレードアンテナ。

 まぁたぶん、本来のアンテナとしての役割はないですね。

 決闘のルール上、でかくて目立つと不利だと思うのですが、そこはグエルの自信の顕れということなんでしょう。

 そんなでかい角付けるな! とあの父親なら言ってそうですが(笑)。

 その角の後ろの羽根飾りはなんなんでしょうか。ホルダーになってから付け足したんじゃないかと思ってるんですが・・


 目に当たる部分の黄色は成型色で色分けされていますが、左右のグリーンはシール再現です。

 これ、映像を捉えているのはどこなんですかね。


 脚部はパッと見あまり動かなそうですが、いわゆるサイドアーマーがないデザイン(そこは水星の魔女に登場するMSでほぼ共通の仕様ですね)なので、エアリアルなどと較べて漏れほど遜色ない程度には動きます。

 ただ、外装が周囲と干渉するので、ロール可動は左右30度ほど、水平方向にも画像程度しか上げられません。

 とくに腹部とのクリアランスはけっこうタイトで擦れやすいです。

 フレーム部の素材は当然(?)KPSなので、気付くと傷が付いていたり・・

 ちなみに、上半身を外せば脚はこの通り、

180度真横にまで上げられます。


 足首はボールジョイント接続。

 さらに爪先と踵が一体で左右スイングできるので、接地性は足首接続がCジョイントのエアリアルなどよりも高いです。


 背面。

 バックパックとふくらはぎのスラスターもしっかり色分けされています。

 バックパックのウイングは姿勢制御などに効果があるんでしょうか? 

 可動しないので、ひょっとしたら雰囲気で付けてみた、単なる装飾かもしれません。

 羽根があったほう格好いいだろ! みたいな(笑)。


 リアスカートは全体を上方に跳ね上げることができ、左右のフィン状パーツも可動します。

 グエル機ではそのパーツも一般機より大型になっています。


付属武器・装備

ビームライフル

 ディランザシリーズの基本装備の一つ。

 本体に対して小型なので、威力よりも取り回し重視ということなんでしょうか。

 ディランザはこのほかに胸部にビームバルカンを固定装備していますが、射撃武装はあくまで補助的な役割としているような気がします。

 センサーはシール。銃身下部のエネルギーカートリッジは取り外し可能です。


ビームトーチ

 こちらも基本装備の一つ。

 一般的なビ-ムサーベルと違って幅の広いビーム刃を発振できる格闘用武装です。

 ビーム刃はもちろん専用パーツになっています。


スパイクシールド

 グエル専用機が両肩に装備するシールド。

 防御だけでなく、表面のスパイクを使って攻撃にも使用できます。

 タックル攻撃は伝統ですね。

 肩の接続基部、マウントアームと併せて3ヶ所で可動するので、けっこう自由に位置を変えられます。


 また、裏面にはビームライフル(カートリッジは取り外して別個に)、ビームトーチをそれぞれマウント可能。

 それぞれスライドするかたちでしっかり固定できます。

 デフォルトではライフルを右にトーチを左にマウントしますが、シールドの構造は左右共通なので、入れ換えてのマウントも可能です。


ビームパルチザン

 グエル機専用の大型格闘武器。

 十字状のビーム刃を発振できる長大な槍型の武器です。

 ビーム刃を発振しない状態だと船のオールのような見ためですね。

 この状態でも物理的な攻撃手段にはなりそう。

 持った状態で全体像を。

 でかい・・

 なお、手で持つ以外に本体にマウントする術はありません。

 あと、この部分には裏面に肉抜きが・・

 ちなみに、ビームトーチとエフェクトを交換して取り付けることも一応は可能。


比較画像

 エアリアルと。

 単純の体格差だけを見ると圧倒できそうですが、いや、あれはダメでしょうよ。反則だよ。

 機体もパイロットもチートやん・・

 純粋なパイロット能力なら、6話までにMSを操縦したキャラのなかでは一番だと思うんだよなぁ、グエル。

 宇宙世紀的に言うと、オールドタイプのトップエース級ですよね。スペーシアンだけど。

 さて、宇宙世紀のMSで近いものはなにかなぁと考えたときに、やっぱりホバー走行部分に引っ張られてドム系が頭から離れず、でもドムはジャイアントバズを使った通距離線のイメージだから、ならその後継で格闘戦主体に進化したMSならドライセンかなぁ? と。

 見ためはザクっぽいとか言いながら(笑)。

 トライブレードがあるぶん、ドライセンのほうがエアリアル相手には善戦できる?


以下、画像

 先にも言ったように腰周りが若干窮屈ではありますが、そのプロポーションとは裏腹なほどによく動きます。

 足首がよく動くので、しっかり接地できるのも好感触。

 重MSの足許が浮いてるとか、けっこう萎えるんだよなぁ。


 立て膝もご覧の通りかなり自然に決まります。

 誰の真似をしているんだい?


 ビームパルチザンの柄は十分な長さがありますし、肘も深く曲げられるので両手持ちが無理なく決まります。

 腹部腰部間の接続はボールジョイントなので捻留用に動かせます。

 さらに胸部が前後にスイング(後ろにはほぼ反れませんが)できるので、ぐっと力のこもったポーズが決まりますね。


 スタンドを使って。

 劇中でもエアリル(ミオリネ操縦)を吹っ飛ばしたシールドアタック。

 でもそれ、スパイクその位置で当たる?


 ライフルで。

 劇中ではあまりジャンプしたりするシーンはなかったですが、やっぱり基本は陸戦用なのかな?


 もう一回パルチザンで。

 劇中ではエアリアルの操縦がスレッタに代わってから、なぜかパルチザンを捨て、ライフルでの射撃、そのあとやはりライフルを捨ててトーチ1本で突っ込んでいくという戦法をとったグエル。

 完全に相手を嘗めてかかっていた感じですね。

 せめてパルチザンを捨ててなかったら、ガンビットのビーム攻撃ももう少し防げたかもしれないのに・・

 

 1話で終わっていたかもしれない水星の魔女。

 ガンビットの存在を知っていれば、このディランザでもある程度は対処できたかもしれないと思わせてくれる活躍を以降2回も見せてくれていますからね、グエルは。

 こうなっていた可能性も・・いや、さすがに勝てはしないか。

 ディランザは攻撃を避けるのではなく、当たっても耐えるタイプのMSだと思われますが、エアリアルのガンビットのビームで易々と斬り刻まれていたので、結果重装甲は意味がない。

 もっと動ける機体でないと無理なんだろうな。

 そう思うとダリルバルデは惜しかったですね。

 ずっとグエルが直接操縦できていれば、相打ちくらいには持ち込めたかも。

 しかし、ディランザの後継機としてダリルバルデは新機軸過ぎる気がしますね。どういう経緯であれが誕生したのか・・


 以上、“HG ディランザ(グエル専用機)” でした。

 あぁ・・無残・・

 主人公メカの強さを見せつけるための咬ませ犬として1話限りの登場となった赤いディランザ。

 まぁ、まだそうと決まったわけじゃないけど、あんな状態ではもう直せないだろうし、余ってる一般機をまた同じ仕様にカスタムするとも思えない。

 そもそもグエルは寮を追い出されたし・・ 

  ともあれ、ある意味ロボットアニメの伝統的な手法という感じで、その役割は十二分に果たしてくれたと思います。

 もったいない気もしますが、パイロットであるグエルの変遷含めてネタキャラとして定着した感もあるのでよいのかな。

 それにしても、スレッタもやり過ぎなんだよな、あそこまでする必要ある? 

 1話の段階だと初めてで慣れてないからちょっとやり過ぎちゃった・・で済まされるかもしれませんが、6話の対ファラクト線でもけっこうやっちゃってるんで、そういうタイプなんだな、と。

 あでも、あれはスレッタの意思じゃなくガンビットの・・おっと、まだよくわからないのでこの話はやめておきましょうか。


 キットの感想としては、実に7年ぶりのTVシリーズに併走するかたちとなるHGキットシリーズで、久しぶりの重MSということもあってなかなか新鮮な気持ちで組むことができました。

 もちろん組んだあとも、意外と動くのでポーズ付けが楽しいです。

 劇中の残念さを払拭できるくらい、格好いいポージングがバシバシ決まりますよ。

 長もの武器を無理なく構えられるのがいいですね。

 またそれとは別に、普段ガンプでコメディタッチの画像を撮ることはあまりなんですが、こいつはついついやってみたい衝動に駆られます。

 こんな感じで。

 いろいろ吹っ切れたディランザ。

 いや、普通にグエキャンΔしたかったんですけど、キャンプ用品がまありなかったので、なんか林業従事者の休憩みたいになっちゃった(笑)。


 さて、すでにバリエーションで一般機/ラウダ専用機が発売済み。

 12月発売予定のダリルバルデも、一部パーツが流用されているようです。

 軍事用のディランザ・ソルは、あるとしてもプレバンかな。

 もし発売するつもりがあるなら、ほかの量産機もまとめてせめて放送中に予約開始してほしいですね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。