帝国の時代39-スペイン革命勃発
2022.11.05 11:31
1867年4月26日、北ドイツ連邦が発足した。プロイセンと22の領邦からなるゆるやかな連合体ということだが、領土の大部分はプロイセンが占める。立法議会は普通選挙で選ばれるが、連邦参議院の同意が必要であり、この票は何と併合した領邦の分もプロイセンが持っていた。もちろん主席はプロイセン王である。
ビスマルクは北独連邦首相となったが、残る南ドイツはバイエルンを中心としてカトリックが強く、反プロイセンの気運が満ちていた。ビスマルクも、南ドイツとの統一は19世紀中にできれば神の恵みというしかない、と困難さを認めていた。しかしその神の恵みがやってくるのだ。
1868年9月18日、スペインでクーデターが起こり、女王イザベル2世は破れてフランスに亡命した。これはほとんど流血を見なかったので「スペインの名誉革命」と呼ばれる。女王は35年間スペインを統治したが、後年にはいろいろよけいな介入をして国民の不人気を買った。約170年間続いたスペインブルボン王朝はここで終わりを告げる。
この時期、なんと日本から軽業師が渡西しており、この革命に遭遇してしまう。この後見人である高野広八は「女王ゆえに、あまり細かなることを致しそうろう」と冷静に革命の原因を記している。ともあれ、この女王の後継をめぐる争いが普仏戦争の原因である。