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一号館一○一教室

ラブシーンはどのくらいの表現まで許される?

2022.11.06 11:20

【質問】 

中国のテレビでは、ラブシーンはどのくらいの表現まで許されていますか? 

【回答】 

現在、中国のドラマと映画には、ラブシーンは普通なことになってきました。 80年代では、中国で最初の恋愛ドラマと映画が生まれました。映画やテレビドラマで、女性が前を走り、男性が追いかけてくる恋愛表現のカタチが流行った時期があります。これが80年代の最もロマンチックな愛の表現でした。その後、キスやハグがあって、そして、ベッドシーンも登場しました。 

 「ラスト、コーション」(原題: 色・戒)は、2007年公開の台湾アン・リー監督の映画が中国で大きな反響を及んでいました。激しい性描写が話題となり、アメリカではNC-17指定、日本ではR-18指定、中国では7分間短縮されたバージョンが公開されていました。 

 中国のラブシーンは、この映画を超えるようなスケールで表現されることはなさそうです。 映画やテレビドラマの規制は、やはり厳しいです。かなり大胆なセリフを言っても、アクションには制約があります。 現代劇以上に、古代物語をテーマにしたドラマは、愛の表現が大胆です。例えば、楊貴妃、武則天、潘金蓮など、古代の有名な女性を描いたドラマでは、たっぷりラブシーンが映されています。ベッドシーンや入浴シーンなど、男女の役者がより身体的に裸になるシーンが熱演されています。 

 2001年に制作されたドラマ「呂不韋伝奇」はラブシーンの表現が最も大胆だといわれます。この劇は、戦国時代の物語を描いています。呂不韋は中国戦国時代の秦の政治家、始皇帝の実父とする説もあります。 ネットでドラマの映像を見る限り、好色な主人公が数名の女性とのラブシーンが多数あります。呂不韋は愛する女性の趙姫と7日間一つの部屋に籠り、今風に言えば一緒に隔離された状態です。女性ヒロインの衣装は露出度が高くて、胸の半分が露出しているようです。ベッドシーンも情熱的な演出が満載、身体はほぼ裸になってしまいます。 

 古代題材のドラマのラブシーンを見ていると、昔の中国人は現代の中国人よりも自由に自分の気持ちを表現していたような気がします。古代の中国人はもっと華やかに暮らしていたではないか、と思ってしまいました。 ところで、現代のドラマには、ラブシーンはそんなに大胆なものではないのに、ベッドシーンやヌードシーンのタグが付いた作品が多いです。映画やドラマの宣伝で観客の関心を引くために、映画の中のベッドシーンやヌードシーンをクローズアップさせることは、ほとんど慣例になっているのです。  

(メルマガ黄文葦の日中楽話第77話より)