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そして、少女は銃を置いた

2017.04.09 03:00

【そして、少女は銃を置いた】 

♂2人 ♀1人 計3人 

~25分 

 

ブラウン ♂ 40前後 

飲んだくれ。 

過去に家族(嫁・娘)を失っている。 

 

ウォルト ♂ 40前後 

元同僚。 

バーで久しぶりに再会した。 

 

グレース ♀ 30代 

バーを経営しているママさん。 

妖艶な女性。 

ブラウンの過去など、いろいろ知っている。 

 

 

――――――――――――――――――― 

ブラウン ♂ : 

ウォルト ♂ : 

グレース ♀ : 

――――――――――――――――――― 

 

グレース「あら?ブラウンじゃない。いらっしゃい」 

 

ブラウン「あぁ・・・。いつもの頼む」 

 

グレース「まだお客さんいないから、カウンターに座ったら?」 

 

ブラウン「ここでいい・・・」 

 

グレース「そう・・・。はい、バーボンとホットミルクよ」 

 

ブラウン「・・・ありがとう」 

 

グレース「一週間ぶりぐらい?・・・今度はどこに行ってきたの?」 

 

ブラウン「ん・・・まぁ、ちょっとな」 

 

グレース「話したくないかしら?」 

 

ブラウン「いや・・・話してもつまらないさ」 

 

グレース「いいじゃない。私は聞きたいわ」 

 

ブラウン「北の方に行ってきたんだ。メアリーがどうしても行きたいってうるさくてね・・・」 

 

グレース「・・・そう。良くなった?」 

 

ブラウン「ん?なにがだい?」 

 

グレース「ううん。なんでもないわ。気にしないで」 

 

ブラウン「そうか?・・・やっぱりこの店は落ち着くな・・・」 

 

グレース「そう言ってもらえるのはうれしいわ。ありがとう」 

 

ブラウン「ほら、仕事はいいのかい?」 

 

グレース「仕込みは全部終わってるわ。お客さん待ちよ」 

 

ブラウン「ん・・・」 

 

グレース「お邪魔かしら?」 

 

ブラウン「別にそうは言ってないが・・・」 

 

ウォルト「・・・開いてるかな?」 

 

ブラウン「ほら・・・、客が来たぞ」 

 

グレース「もぅ、わかってるわよ・・・。いらっしゃい、開いてるわ。初めてのお客さんね。どうぞ、カウンターでいいかしら?」 

 

ウォルト「あぁ。ありがとう。落ち着いた良い店だね」 

 

グレース「ありがとう。自慢の店なの」 

 

ウォルト「ママもとても綺麗だ」 

 

グレース「あら?そんなにおだてても、何も出ないわよ?」 

 

ウォルト「本音を言っただけさ。ジントニックをもらえるかな?」 

 

グレース「ええ。・・・ブラウンも、ゆっくりしてね」 

 

ブラウン「あぁ。ありがとう」 

 

ウォルト「ん・・・?」 

 

グレース「どうぞ」 

 

ウォルト「あぁ・・・、ありがとう」 

 

グレース「こういうところにはよく来るのかしら?」 

 

ウォルト「たまに・・・かな」 

 

グレース「お仕事は何をされてるの?」 

 

ウォルト「どこにでもいる会社員だよ。上司の嫌味に耐えて、部下の尻拭いをする毎日さ」 

 

グレース「それは・・・ご苦労様」 

 

ウォルト「ありがとう。たまにこうして息抜きをできるのが幸せだよ」 

 

グレース「癒しになれるように頑張るわね」 

 

ウォルト「ママは見ているだけで、幸せになれるよ」 

 

グレース「もう・・・。ほら、お酒だけじゃ味気ないでしょ?何か頼みましょう?」 

 

ウォルト「そう言われると、頼むしかないじゃないか」(笑い) 

 

グレース「全部おすすめよ」 

 

ウォルト「あはは、全部は頼めないよ。それはそうと、少し気なったんだが・・・」 

 

グレース「えぇ、なにかしら?」 

 

ウォルト「あそこの席の彼は・・・」 

 

グレース「あぁ・・・話していたところを見ていらしたものね」 

 

ウォルト「よく来るのですか?」 

 

グレース「えぇ、常連さんなの。そんなに気にしなくても大丈夫よ。邪険にされてたから」 

 

ウォルト「へー・・・。ちょっと失礼」 

 

グレース「え?あ、お客さん?」 

 

ウォルト「ブラウン・・・じゃないか?覚えてないかい?」 

 

ブラウン「ん・・・?」 

 

ウォルト「やっぱりそうだ。ほら、俺だよ俺。ウォルト。同期だったろ?」 

 

ブラウン「・・・あ、ウォルトか。・・・久しぶりだな」 

 

グレース「あれ・・・?知り合いなの?」 

 

ウォルト「いきなり申し訳ない。昔の同僚に出会ったもので、つい」 

 

グレース「へぇ。すごい偶然ね」 

 

ウォルト「席一緒にしてもいいかな?」 

 

ブラウン「ん・・・あぁ・・・。別に構わないが・・・」 

 

グレース「珍しい・・・あ、じゃあ、こっちに運ぶわね」 

 

ウォルト「ん・・・?」(誰も座ってない席のホットミルクを見つけて) 

 

ブラウン「どうしたんだ?座らないのか」 

 

ウォルト「いや・・・なんでもない。でも、久しぶりだな」 

 

ブラウン「あぁ、まだあそこに勤めているのかい?」 

 

ウォルト「お前がいきなり仕事をやめて大忙しだよ。まぁ、出世頭だったお前の代わりに、俺が出世できたがな」 

 

ブラウン「それは良かったじゃないか。おめでとう」 

 

ウォルト「ありがとう」 

 

グレース「はい、どうぞ。それと、これは私からのサービスよ」 

 

ブラウン「サービスなんて珍しいな・・・」 

 

グレース「ブラウンが誰かと飲むなんて珍しいからね」 

 

ウォルト「いつも一人で来ているのか?」 

 

ブラウン「一人・・・?」 

 

グレース「あっ!私も失礼していいかしら?昔の話でも聞かせてよ」 

 

ウォルト「あ、あぁ。俺は構わないよ」 

 

ブラウン「・・・好きにすればいい」 

 

ウォルト「昔の事か・・・何を話そうか」 

 

ブラウン「あまり変なことは話すなよ・・・?」 

 

グレース「良いじゃない。面白い話をきかせてよ」 

 

ウォルト「あぁ!そういえば・・・ブラウンとは同期入社なんだが、最初の時に・・・」 

 

 

グレース「ありがとうございます。また来てくださいね・・・。ほら、もう閉店の時間よ」 

 

ブラウン「あぁ、もうそんな時間なのか」 

 

ウォルト「申し訳ない。すぐに出ますよ」 

 

グレース「いいえ。ぜひまたいらしてね」 

 

ウォルト「ええ、もちろん。じゃあブラウンも、またな」 

 

ブラウン「あぁ、またな」 

 

 

―――数週間後 

グレース「いらっしゃい。あぁ、ブラウン。ごめんなさい、今日はお客さんが多くて」 

 

ブラウン「繁盛してるのはいいことさ。空いてる席でいいよ。いつものを」 

 

グレース「えぇ、急いで持ってきますね」 

 

ブラウン「ゆっくりで構わないよ」 

 

 

グレース「ふぅ・・・やっと落ち着いたわ・・・」 

 

ブラウン「お疲れさま。今日はすごかったな」 

 

グレース「ありがとう。でも、繁盛するのはうれしい事よ」 

 

ブラウン「まだ客はいるけどいいのかい?」 

 

グレース「えぇ。みなさんそれぞれで楽しんでいらっしゃるみたいだから大丈夫よ」 

 

ブラウン「そうか・・・(お酒を飲む)」 

 

グレース「また行ってたんでしょう?」 

 

ブラウン「おいっ!」(怒鳴る) 

 

グレース「っ!?あ、あぁ・・・ごめんなさい。こっちの席ならいいわよね」 

 

ブラウン「気を付けろ・・・」 

 

グレース「えぇ・・・」 

 

ウォルト「席は空いてるかな?」 

 

グレース「あら。ウォルトじゃない久しぶりね」 

 

ウォルト「覚えていてくれたのか。うれしいな」 

 

グレース「人の顔と名前を覚えるのも仕事だからね」 

 

ウォルト「それもそうか。お、ブラウンも来ているのか」 

 

ブラウン「あぁ。・・・座るか?」 

 

ウォルト「じゃあ、そうさせてもらおうかな。・・・ん?またホットミルク?」 

 

ブラウン「何かおかしいか?」 

 

ウォルト「いや・・・この前も置いてあったが、一口も口を(付けてなかっただろう?)」 

 

グレース「ほら、ウォルト。ご注文は?まずは何を飲むの?」(被せて) 

 

ウォルト「え・・・?あ、あぁ・・・そうだな、ジントニックをもらおうかな」 

 

グレース「すぐに持ってくるわね」 

 

ブラウン「こないだ言っていた仕事は上手く行ったのかい?」 

 

ウォルト「ん・・・?はは・・・今日もそれで残業さ」 

 

ブラウン「それは大変だな」 

 

ウォルト「新人が思った以上に使えなくてな・・・」 

 

ブラウン「こんなとこで時間使ってて大丈夫なのかい?」 

 

ウォルト「おいおい、時には休息も大事だろう。それに、こんなとこなんて言っちゃ、ママに失礼だぞ」 

 

ブラウン「なんだ?グレースに惚れたのか?」 

 

ウォルト「そうだな。あんなに綺麗で魅力的な女性はそうそういないぞ」 

 

グレース「・・・もぅ。またそんな話?」 

 

ウォルト「い、居たのかい?盗み聞きなんて趣味が悪いなあ・・・」 

 

グレース「あら?私は店員として注文された品を持ってきただけよ?」 

 

ブラウン「はっはっは。ウォルトもまだ独り身なんだろう?お似合いじゃないか」 

 

ウォルト「おい!ブラウン!」 

 

グレース「うふふ・・・」 

 

 

ウォルトM「それから、俺とブラウンはたまにバーで一緒に飲むようになった。そしていつも、ブラウンの隣の席は空席で、ホットミルクが置かれていた」 

 

 

グレース「あら?今日は早いのね」 

 

ウォルト「やっと目途がついてね」 

 

グレース「そう、よかったわね。ブラウンはまだ来てないのよ。先に飲み始める?」 

 

ウォルト「今日はちょっと、ママと話をしたくて・・・さ」 

 

グレース「あら?デートのお誘いかしら?」 

 

ウォルト「ははっ。誘えば答えてくれますか?」 

 

グレース「ふふっ。考えておくわ?」 

 

ウォルト「楽しみだな」 

 

グレース「座ったら?それで、何を聞きたいのかしら?あまり勝手には話せないわよ?」 

 

ウォルト「・・・何を聞こうとしているか、わかっているんだね」 

 

グレース「共通の話題なんて、それぐらいしかないじゃない」 

 

ウォルト「それもそうか。えぇ。ブラウンのことを」 

 

グレース「そうね・・・。どこまで知っているのかしら?」 

 

ウォルト「奥さんと娘さんが亡くなって、仕事を辞めたことだけしか・・・」 

 

グレース「なぜ死んだのかは知っているの?」 

 

ウォルト「いいや・・・、何も話してくれないまま、いきなり辞めてしまったから」 

 

グレース「そう・・・ね。ここに来始めた時はそんな感じだったわね」 

 

ウォルト「ここにはいつから?」 

 

グレース「たぶん、仕事を辞めてからのはずよ」 

 

ウォルト「ママはどこまで知っているんだい?」 

 

グレース「ブラウンから一通りは聞いたかな。あまりたくさんは話してくれないけどね」 

 

ウォルト「あのホットミルクにも理由が・・・?」 

 

グレース「・・・そうね。気になるわよね」 

 

ウォルト「えぇ・・・。俺が話を切り出そうとすると、遮ってた・・・よね?」 

 

グレース「そうね・・・。少し話すわ・・・」 

 

 

ウォルトN「話はこうだった。 

ある日、ブラウンの家に強盗が入った。 

休日の、家族3人とも居た家に。 

強盗は銃を持っており、奥さんと娘さんは撃たれて亡くなった。 

ブラウンも撃たれたが、発砲音を聞いた近隣住民の通報により、救急車で病院へ運ばれ、奇跡的に一命をとりとめた。 

それからブラウンは、娘メアリーの幻覚を見ているらしい」 

 

 

グレース「だから毎回ブラウンの横の席にはホットミルクを置くの。メアリーちゃん用の・・・ね」 

 

ウォルト「そうだったのか・・・」 

 

グレース「会話もできることがあるらしいわ。よく出かけるのよ、彼。メアリーちゃんが行きたいって言うらしいの」 

 

ウォルト「どこに行ったのかは?」 

 

グレース「全部は教えてくれないけど、知ってるところは・・・」 

 

ウォルト「え・・・?その場所って・・・たしか・・・」 

 

ブラウン「なんだ、珍しいな。今日はウォルトのほうが先に来ていたのか」 

 

グレース「あっ、・・・ブラウン。いらっしゃい」 

 

ウォルト「ん、あぁ・・・仕事が一段落ついてな」 

 

ブラウン「何の話をしていたんだい?」 

 

ウォルト「えっ、いや・・・ママをデートに誘おうと、な」 

 

ブラウン「おぉ、それは良いじゃないか。で、どうだったんだ?」 

 

グレース「考えておくって言ったのよ」 

 

ブラウン「なんだ・・・、ウォルトは良い男だぞ?なにせ出世コースのエリートだ。お似合いだと思うがな」 

 

ウォルト「や、やめてくれよ」 

 

グレース「わかってるわよ。ちゃんと考えるわ?時間が欲しいだけよ。いつものでよかったかしら?」 

 

ブラウン「今夜はお祝いだな」 

 

ウォルト「待て待て。何のお祝いだよ」 

 

ブラウン「良いじゃないか。きっといい返事がもらえるさ。ん・・・?メアリー・・・?ど、どうしたんだ・・・?」 

 

ウォルト「ブラウン?どうした?」 

 

ブラウン「や・・・やめるんだ!メアリー・・・そんな物持っちゃ危ない!!」 

 

グレース「ブラウン!どうしたの!?メアリーちゃんが何をしているの?」 

 

ブラウン「や、やめろ・・・撃たないでくれ!!!すまない!!!ほんとにすまなかった!!!許してくれ!!!」 

 

グレース「ウォルト!ブラウンを押さえてて!店を閉めてくるわっ」 

 

ブラウン「うわあああ・・・!!!はぁ・・・はぁ・・・メアリー・・・たのむ・・・。やめてくれ・・・。許してくれ・・・。おれは・・・俺は・・・本当に・・・」 

 

ウォルト「ブラウン!!!落ち着くんだ!!!メアリーは居ない!!誰もいない!!目を覚ますんだ!!!」 

 

ブラウン「やめてくれ・・・たのむ!!!メアリー・・・!!!銃を置いてくれ!!すまなかった!!許してくれ!!!本当に俺はお前たちを!!!」 

 

ウォルト「ブラウン!!君が見ているのは幻覚だ!!!現実じゃない!!目を覚ますんだ!!!」 

 

ブラウン「やめろ・・・撃たないでくれ・・・たのむ・・・おねがいだ・・・メア・・・りー・・・」 

 

ウォルト「ブラウン?おい・・・大丈夫か?おいっ」 

 

グレース「店は閉めてきたわ。落ち着いたのかしら?」 

 

ウォルト「気を失ったみたいだ・・・」 

 

 

グレース「はい、水よ。お酒の方が良かったかしら?」 

 

ウォルト「いや、これでいい。ありがとう」 

 

グレース「お礼を言うのは私のほうよ。私一人だったら、彼を止めれなかったわ・・・」 

 

ウォルト「一人で気を失ったんだ・・・。なにもできなかったよ・・・」 

 

グレース「・・・そう」 

 

ウォルト「こういう事は前にも?」 

 

グレース「いいえ。ここでは初めてね。幻覚のメアリーちゃんに怯えているようなところがあったのは、気が付いていたけれど・・・」 

 

ブラウン「ん・・・、ん?・・・あれ?俺は・・・」 

 

グレース「あ、目が覚めたの?大丈夫?私がわかる?」 

 

ブラウン「・・・グレー・・・ス。俺は・・・何を?」 

 

ウォルト「酒を飲み過ぎて倒れたんだよ。覚えてないのか?」 

 

ブラウン「・・・?今日はまだ飲んでなかったはずだが・・・」 

 

グレース「もぅ・・・。記憶がなくなるほど飲むなんて・・・、お酒は楽しむものよ?」 

 

ブラウン「す、すまない・・・。今日はもう帰るとするよ・・・」 

 

ウォルト「一人で大丈夫か?」 

 

ブラウン「・・・大丈夫だ。頭ははっきりしているよ」 

 

グレース「今日はゆっくり休みなさい?」 

 

ブラウン「そうだな。迷惑をかけてすまなかったね。グレース、ウォルト」 

 

グレース「大丈夫よ。またいらっしゃい」 

 

ウォルト「あぁ。もう飲み過ぎるなよ?」 

 

 

グレース「はぁ・・・」 

 

ウォルト「一人で帰らせてしまって大丈夫だろうか?」 

 

グレース「わからないけど、ついて行ってもできることはないわ・・・」 

 

ウォルト「どう思う?」 

 

グレース「彼はずっと後悔しているのよ。同じ場所に居たのに、助けることができなかったことを。自分だけが生きてしまったことを」 

 

ウォルト「だから娘さんの幻覚を見ている・・・と?」 

 

グレース「まぁ、私の考えよ?専門知識があるわけでもないから」 

 

ウォルト「あぁ」 

 

グレース「たぶん・・・メアリーちゃんは、ブラウンの後悔の念なのよ」 

 

ウォルト「さっき言いかけてたんだが、おそらくブラウンが出かけている場所は、自殺の名所じゃないかと思うんだ。いくつか聞き覚えのある地名だった・・・」 

 

グレース「じゃあ・・・メアリーちゃんが持っている銃は・・・自分だけが生きてしまっていることへの・・・」 

 

 

 

ブラウン「ん?まだこんな時間じゃないか・・・。俺は本当に酔いつぶれたのか・・・?」 

 

ブラウン「・・・メアリー?どこだ?おい、メアリー?」 

 

ブラウン「なんだ、そんなところに居たのか。っ!?メアリー・・・何を・・・」 

 

ブラウン「や、やめるんだ・・・。やめてくれ・・・メアリー・・・本当に・・・本当に俺はお前たちを・・・愛していた。許してくれ・・・、助けたかった・・・。すまない・・・ゆるしてくれ・・・」 

 

 

 

ウォルト「今日は俺も、帰るとするかな・・・」 

 

グレース「えぇ、そうね」 

 

ウォルト「また来るよ」 

 

グレース「待ってるわ」 

 

 

ウォルト「・・・寒いな、もうそんな季節か。・・・ん?」 

 

ウォルト「ブラウン!おい!ブラウン!聞こえるか!?」 

 

ブラウン「ん・・・あ・・・あなたは・・・?」 

 

ウォルト「また気を失ってたのか!?」 

 

ブラウン「・・・?どちら様ですか?」 

 

ウォルト「お、おい?何を言っているんだ?」 

 

ブラウン「わたしは・・・あれ・・・?わたし・・・は・・・?」 

 

 

ウォルトN「店から数百メートルほど離れた路地裏に、ブラウンは倒れていた。目を覚ました彼は、俺のことも、グレースのことも、自分の名前も・・・。そして、奥さんと娘さんのことすらも・・・覚えていなかった」 

 


END 

―――――――――――――――――――――――――――――――― 

この台本はLOLチャンネル・レンガさんの固定ツイートにありました『先題台本』という企画に参加したくて書いてみました。 

台本のタイトルだけが決まっている状態で、時間・ジャンルなどは自由に台本を書く!と言うものです。 

いかがでしたでしょうか? 

 

もし気になった方は、誰でも参加して良いらしいのでやってみてはどうでしょうか!? 

 

るいんでした(。◕ˇдˇ​◕。)/