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変態が魔王で幼女は強い‐第4話『値切り交渉?絶対マケン!』

2017.07.04 03:00

【変態が魔王で幼女は強い‐第4話『値切り交渉?絶対マケン!』】 

♂2人 ♀2人 計4人 

~25分 

 

ポンタ ♂ 見た目25歳前後→16歳ぐらいの爽やかイケメン 

職業:元魔王、現・剣士 

変態、女好き、ロリコン(?)、ドM、バカ。 

パッと見イケメンの残念魔王。 

※台本セリフの読み方:良いぞ=よいぞ 

 

ミィ ♀ 見た目10歳ぐらいの幼女 

職業:修道士。 

天然でドジっ子・・・? 

 

リン ♀ 18歳 

職業:魔法使い 

一人称は『オレ』。 

女2人のパーティは何かと危ないので男装し、男としてふるまっている。 

女性であることを知っている人の前では口調が戻る。 

 

 

魔剣 ♂ 

剣に封印されし悪魔バーティル 

200年前に封印されたらしい、自称大悪魔。 

 

店主 ♂ 

宿屋・道具屋・武器屋の主人(それぞれ別人) 

 

※セリフ量で分けた結果、魔剣・宿屋の店主・道具屋の店主・武器屋の店主の4役になります。 

―――――――――――――― 

ポンタ     ♂ : 

ミィ      ♀ : 

リン      ♀ : 

魔剣・店主達  ♂ : 

―――――――――――――― 

 

―――前回のあらすじ 

ミィ「前回のー?♪」 

 

ポンタ「あっらすっじでーすっ♪」 

 

ミィ「ポンタの冒険者登録のために街にやってきた3人。ポンタは無事に登録を終え、剣士に」 

 

ポンタ「ギルド酒場では新たな友と出会い、交友を深めるのであった」 

 

リン「お酒飲み過ぎて、ポンタが倒れただけよね?」 

 

ポンタ「ぐ・・・、お酒は弱いわけではないのだ・・・」 

 

ミィ「自分の限界がわかんないんだよねー?」 

 

ポンタ「すみませんでした・・・」 

 

リン「本編スタートです」 

 

 

―――ここから本編 

ポンタ「んん・・・重い・・・」 

 

ミィ「すー・・・すー・・・」 

 

ポンタ「ん?ミィ?・・・何で吾輩の上で寝ておるのだ・・・?」 

 

リン「ミィー?まだポンタまだ起きないのー?」 

 

ポンタ「吾輩はもう起きておるぞ。ただ、すまぬ、ちょっと手を貸してくれぬか?」 

 

リン「あれ?起きてるの?入るわよー?」 

 

ミィ「むにゃむにゃ・・・」 

 

ポンタ「という訳なんだが・・・」 

 

リン「あー・・・やっぱり・・・。あんたって、幼女趣味の最低野郎だったのね・・・」 

 

ポンタ「違うぞ!?待ってくれ!吾輩が起きたら、ミィが吾輩の上で寝ておったのだぞ!?」 

 

リン「はいはい、分かってるわよ。にしても・・・、元気そうね?」 

 

ポンタ「ん?吾輩はいつも元気だぞ?」 

 

リン「ほら、ミィ!起きなさい!なんで、起こしに行って一緒に寝てんのよ!」 

 

ミィ「んー・・・?ミィもう食べれないよぉ・・・?でもー・・・デザートならたべるー♪」 

 

リン「昨日散々食べたでしょ・・・」 

 

ミィ「んにゅー・・・?あれー?リンちゃんどったのー?」 

 

ポンタ「目が覚めたみたいだな。おはようミィ。すまないが、退いてもらっても良いか?」 

 

ミィ「ポンタおはよー。あー、そっかぁ!ポンタ起こしに来て一緒に寝ちゃったのかぁ・・・おやすみなさーい・・・すーすー」 

 

リン「・・・《ファイアバーン》!」 

 

ポンタ「ちょ!?」 

 

ミィ「危険察知!緊急回避!」 

 

ポンタ「あ、これって・・・」 

 

―――爆発音 

ポンタ「あっづううう!あぁっ!?ちょ!ベッド燃えてる!ちょ!?吾輩ごと燃え始めてるって!!」 

 

ミィ「あーあ・・・。ミィしーらなーい・・・」 

 

店主「ちょっと!?お客さん!?凄い音しましたけど、大丈夫です・・・か・・・あああぁぁあああああ!!!」 

 

リン「あ・・・えっとー・・・これはー・・・その・・・」 

 

店主「ベッド燃えてるんですけど!?《ウォータークリエイト》!」 

 

ミィ「あっ!ポンタは動いちゃだめだよ!燃えてるんだから!動いちゃ火が広がっちゃうでしょ!」 

 

ポンタ「えぇっ!?あっち!待って、あっづっ!?この中に居ろと!?」 

 

店主「私の初級魔法じゃどうしようもないんですけど!?あなたたち冒険者ですよね!?何とかできないんですか!?」 

 

リン「オレは・・・、火の魔法ばっかやってたからな・・・」 

 

ミィ「んー・・・《エアロトルネード》」 

 

ポンタ「ぬぉぉぉおおおお!?!?!?火に酸素追加されて、さらに燃え上がったんですけどぉぉお!?!?」 

 

店主「あぁぁあああああ!!!店ごと燃やす気ですかぁ!?!?!?」 

 

ミィ「あー・・・やっぱり風魔法じゃだめかー。残念・・・」 

 

ポンタ「《ダークインパックン》・・・ぐえっ」(ポンタの周囲が一瞬黒く染まったかと思うと、次の瞬間、ポンタの下の床は消え一階に落下した) 

 

リン「・・・・・・とりあえず、火は・・・消えた・・・?」 

 

店主「・・・ですね。ベッドはもちろん、壁も床も・・・無くなりましたけど・・・」 

 

ミィ「今のなに!?無くなったところはどこ行ったの!?」 

 

リン「たぶん闇魔法だから・・・消滅した、のか?」 

 

店主「もうお前ら出てけー!!!ギルドの方にしっかり修理代は請求させてもらいますからね!!!」 

 

 

―――宿を追い出され 

ミィ「いやー、朝から大変だねー」 

 

リン「あの修理代って・・・いくらになるの・・・ベッドに・・・壁に・・・。貯金いくらあったっけ・・・」(ぶつぶつ) 

 

ポンタ「リン、大丈夫?」 

 

ミィ「今はそっとしておいた方が良いよー?」 

 

ポンタ「そうなのか?・・・して、これは一帯何処へ向かっているのだ?」 

 

ミィ「えっとねー。まずは道具屋かなー。ポーションとか、スクロールとか買うものはいっぱいだよー」 

 

ポンタ「買い出しという訳だな」 

 

ミィ「王都に行くからねー。王都までは竜車があるから、行くのは簡単なんだけどねー」 

 

ポンタ「交通網が発達しておるのは良いことだな!では、今日買う物は王都では買えない物という訳だな」 

 

ミィ「んーん、王都でも買えるよー。王都だもん、国中のものが手に入るんだよ?でもねー・・・、高いんだぁ・・・」 

 

リン「こっちで買う2倍から3倍はするんだよ。だから、持って行ける範囲のものはこっちで買っていくんだよ」 

 

ポンタ「そんなに違うのか!?・・・人間の世界は恐ろしいな・・・」 

 

ミィ「あ、ポンタ。そろそろ商店街に出るから、言葉遣いちゃんとしてねー?」 

 

ポンタ「ん?・・・あ、あぁ!ごめんよ!気を付けるよ」 

 

店主「いらっしゃい!いらっしゃい!この街一番の道具屋だよ!おっ!そこの奥さんっ!どうだい?この竜のナミダを使った秘薬!若返りに美容効果、旦那さんが見間違えるほどキレイになりますよ!」 

 

ポンタ「おぉ・・・。昨日のところとは違って、人がいっぱいだね」 

 

ミィ「ギルド酒場は裏路地だからねー。ここはこの街一番の大通りだもん。いろんな人がいるよー」 

 

店主「おっ!そこに居るのは冒険者様ではないですか!?どうですか!うちは最高の商品ばかりですよ!冒険の前にはぜひ!」 

 

・・・・・・ 

 

ポンタ「あれ・・・道具屋通り過ぎてるけどいいの?」 

 

ミィ「あー・・・いいのいいの。ミィ達がいっつも行ってるお店あるから、そっち行くんだよー」 

 

リン「あの店、口では大きい事言ってるけど、売ってる商品は粗悪品ばっかだし、料金も他の店より高いんだよ」(小声) 

 

ポンタ「なるほどー・・・」 

 

ミィ「ここだよー。じゃあポンタ、はいっ!これ買い物リストねー」 

 

ポンタ「ほぇ?」 

 

リン「オレは水と食料買ってくるからな」 

 

ミィ「ミィは武器と防具の整備と調整行ってくるからね」 

 

ポンタ「僕はこれを買ってくればいいの?」 

 

リン「全部この店で買えるものだから、簡単だろ?」 

 

ミィ「終わったら、この商店街のさっきと逆の入り口に噴水広場があるから、そこに集合ねー」 

 

ポンタ「え・・・あ・・・うん。えーっと・・・中級ポーションが20個・・・初級ポーションが30個・・・マジックポーションもあるのか。うぇっ!?裏までびっしりだ、これ!」 

 

(リンとミィ遠ざかりながら) 

リン「あ、ミィ。もう変な装飾はつけなくていいからね?無駄遣いはしないこと!わかった?」 

 

ミィ「ちがうもーん。あれはミィが買ったんじゃなくて、おばちゃんが付けてあげるってくれたんだもーん」 

 

リン「だとしてもなんで俺のに付けるんだよ。自分のにしろよ・・・」 

 

ミィ「えー?可愛いのにー・・・」 

 

 

 

ミィ「ポンタおそーい!」 

 

ポンタ「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。こんな大量に買ったら・・・。よいしょっと・・・ふぅ・・・。運ぶのしんどいよ・・・」 

 

リン「あ・・・、そうか。ポンタは冒険バッグもってないのか。貸してみ〈ストレージ〉」 

 

ポンタ「へ・・・?消えた!?」 

 

ミィ「消えてないよー?マジックバッグにしまったの。冒険者なら常識だよ?!」 

 

ポンタ「マジックバッグ・・・?ってなに?」 

 

ミィ「・・・あっ!そっか!ポンタは『マジックバッグ』知らないんだ!」 

 

リン「そーいえば・・・これって15年ぐらい前に開発されたんだっけ・・・」 

 

ミィ「今じゃ当たり前の道具だけど・・・。そっかぁ・・・20年前にはなかったのかー・・・」 

 

ポンタ「この中にさっきのが全部入って・・・?」 

 

リン「ん?あぁ、こうやって。《ストレージリスト》これが、この中に入ってる物の一覧で。《ゲットアウト》よっと。これで取り出すってわけ」 

 

ポンタ「お・・・おぉ・・・。なんだこれ!?凄い!こんな便利なものが!?」 

 

ミィ「そーだよー。これが出来てから、冒険はすっごく楽になったんだよねー♪今じゃ、性能差はあるけど、誰でも手に入れれるようになったしねー」 

 

リン「オレのみたいな容量の大きいものはそれなりの値段がするけど、最低限の道具が入るぐらいのならこないだの報酬でも買えるんじゃないか?」 

 

ポンタ「じゃあ、早速買いに行こう!どこに売ってるんだー!僕のマジックバッグー!」 

 

ミィ「ぽーんーたー!勝手にどこかに行こうとしないのっ!迷子になるでしょ!」 

 

ポンタ「うっ・・・」 

 

リン「ははっ、見た目と中身が完全に逆だな。まぁ、残念だが、バッグの前にもっと大事なものを買いに行くぞ」 

 

ポンタ「もっと大事なものって?」 

 

ミィ「剣士なのに素手で戦うつもりなのかにゃー?」 

 

ポンタ「あっ!武器!」 

 

リン「そーゆーことだ。まぁ、鍛冶屋に行っても、まだ素材も何もないから。武器屋に行って使えそうなのを買うだけだけどな」 

 

 

―――カランカランカラン 

店主「いらっしゃい。悪いね、裏で作業してるから。好きに見てくれて構わないよ」(店の奥から) 

 

リン「久しぶりに武器屋に入ったな」 

 

ミィ「大量生産できる既製品買うより、素材集めて作った方が性能良いもんね」 

 

ポンタ「へー・・・武器って一言に言ってもいろいろあるんだね・・・」 

 

リン「お、これ魔力強化のバフが付くんだな。へー・・・。こっちは連撃性能強化かー」 

 

ミィ「あ、ポンタ。そっちのはー・・・」 

 

ポンタ「おっも!?なにこれ!?」 

 

ミィ「そっちは重戦士用のだから、ポンタじゃ使いこなせないよ。って言おうとしたのにー」 

 

ポンタ「ぐぬぬぬぬ・・・ちょ・・・ミィ・・・、助け・・・潰れ・・・・」 

 

ミィ「リンちゃーん、手伝ってー。ポンタが死んじゃうよー?」 

 

リン「ったく、何してるんだよー。ほら、ミィそっち持て。せーのっ」 

 

ポンタ「っぷはぁ・・・。助かったぁ・・・」 

 

魔剣「はぁ・・・なんだこいつら・・・。冷やかしに来てんのかよ・・・?」 

 

ミィ「ん?・・・リンちゃん何か言った?」 

 

リン「オレは何も言ってないけど?気のせいじゃないのか?」 

 

魔剣「ったく、俺様の昼寝の邪魔しやがって・・・」 

 

ミィ「やっぱり聞こえるよ!」 

 

ポンタ「・・・んー?」 

 

リン「ポンタ?そっちはたぶん中古品だぞ?」 

 

ポンタ「お前か?」 

 

魔剣「ぬおっ!?な、なんだてめぇ!いきなり持ち上げんじゃねーよ!」 

 

ポンタ「てめぇじゃない、僕はポンタだ」 

 

魔剣「は?ポンタだ?・・・つーか、てめぇ!俺様の声が聞こえてんのかっ!?」 

 

ポンタ「だから僕はポンタだって―――」 

 

ミィ「その剣が喋ってるの!?」 

 

リン「っ!魔物か?!」 

 

魔剣「チィッ!《閃》」 

 

ポンタ「っ!?」 

 

ミィ「消えた・・・?」 

 

魔剣「こっちだ」 

 

リン「っ!?何しやがった!」 

 

ミィ「瞬間移動・・・ってやつかな?」 

 

魔剣「なんで俺様の声が聞こえてんのかは知らねーが。(聞こえるならむしろ好都合!俺様は!)」 

 

ミィ「あ!たぶん聞こえるのはポンタの翻訳バフだよー」(被せて) 

 

リン「あれ?まだ範囲のままにしてるのか?」 

 

ポンタ「この辺は人間が多いから・・・。使ってないと、人の言葉がわからないんだよ」 

 

リン「あー・・・そうか。使ってないとオレたちとも話せないのか・・・」 

 

魔剣「俺様の話を聞けぇええええ!!」 

 

ミィ「あ、ごめんね。どうぞ?」 

 

魔剣「お、おう・・・。いきなりそう振られるとやりずらいな・・・。まぁいいだろう!俺様は!いや、俺様こそが!この世界を恐怖と絶望で染め上げた大悪魔!バーティル様だ!」 

 

リン「ポンタ知ってるか?」 

 

ポンタ「んー・・・。いや、バーティルって名前は聞いたことが無いかな・・・」 

 

魔剣「ふんっ!無知とはなんと愚かなことか・・・。まぁ、今回は見逃してやる。なにせ、俺様がこの剣に封印されたのは200年も前の話だからな」 

 

ポンタ「200年!?僕が生まれるよりずっと前じゃないか」 

 

魔剣「人の子の尺度で物事を測るな。これだから下等生物は」 

 

ミィ「ポンタは人の子じゃないんだけどねー」 

 

リン「なぁ、たしか悪魔っていえば、100年ほど前に魔族に吸収された種族だよな?」 

 

ポンタ「それなら覚えてるよ。無謀にも魔族に戦いを挑んできた挙句、魔族の傘下に収まったんだよ」 

 

魔剣「間違っておるぞ!下等生物共。悪魔は魔族に負けた訳じゃない、神に負けたのだ」 

 

ミィ「神と悪魔の長きにわたる戦いってやつー?」 

 

魔剣「そうだ!てめぇは少しは知識があるようだな」 

 

ミィ「てめぇじゃないよー?ミィって名前があるよ!覚えてね!」 

 

魔剣「神族に敗れ住処を失った悪魔族は、種の存続のために魔族に挑んだ。だが、すでにボロボロの戦力では勝つことはできず魔族の傘下になることで、種の根絶を回避したんだ」 

 

リン「でも、200年その剣に封印されたなら、あんた参加してないんじゃ?」 

 

魔剣「てめぇらこそ俺様の名前を覚えたらどうなんだ!ふんっ、このぐらいの情報収集朝飯前よ。俺様が何もせずここで遊んでいたとでも思うか?」 

 

ポンタ「な、なにをしていたと言うんだ・・・?」 

 

魔剣「人間共の言葉を理解できるようになったぞ!喋れはしないがな!」 

 

リン「翻訳が無くても伝わるってことか?」 

 

ミィ「でも喋れないんじゃ意味なくない?」 

 

魔剣「や、やめろ!俺様をそんな憐れんだ目で見るんじゃねぇ!」 

 

リン「その姿じゃ・・・なぁ?」 

 

ミィ「さっきの瞬間移動は凄かったけど・・・ねぇ・・・」 

 

魔剣「お、俺様を侮辱するとはいい度胸だな!?」 

 

ミィ「侮辱したら、どうなるのー?」 

 

リン「何もしてこないのは、話をする為じゃなく、その姿じゃ何もできないからだろ?」 

 

魔剣「ぐ・・・、好きに言わせておけば・・・この下等民族共が!俺様の恐ろしさを味わわせてやる!《閃》」 

 

ポンタ「うぇっ!?・・・ぐはっ」(閃により空中に移動させられ、地面に落ちる) 

 

魔剣「そらっ!《閃》!」 

 

ポンタ「うわっ!?・・・ぐへっ!」(上と同じ) 

 

魔剣「まだまだぁ!《閃》!」 

 

ポンタ「ぬわぁっ!?・・・がはっ・・・」(上と同じ) 

 

ミィ「あ、その技って触れてる相手も飛ばすことが出来るんだね!」 

 

魔剣「どうだ?俺様の力の前に恐れ戦くが良いわ」 

 

ポンタ「い、ててて・・・ねぇ!なんで僕ばっかり!?僕なにもしてないよね!?」 

 

魔剣「・・・お、女に手を上げるのは最低野郎のすることだろ!?別に近かったからとかじゃ・・・ないし・・・(小声)」 

 

ミィ「もしかして、その技って・・・範囲狭かったりするの?」 

 

魔剣「ギクッ!?」 

 

リン「あーあ・・・声に出ちゃってるよ・・・」 

 

魔剣「ち、違うぞ!?これはだな・・・、封印されているせいでうまく魔力が使えずにだな・・・」 

 

ミィ「つまんなーい。ミィ飽きたー。無視して早く武器えらんじゃおー」 

 

魔剣「えっ・・・ちょ・・・」 

 

ポンタ「あ、いや、でも。実際、瞬間移動魔法ってすごく特殊な魔法だし、それを自分以外にも使えるのって凄いことだよ?」 

 

リン「ん?なんだポンタ?これが気に入ったのか?」 

 

ポンタ「いや、そーゆーわけじゃないけど・・・」 

 

魔剣「ここは武器屋だぜ・・・小範囲しか飛ばせなくてもな、移動先を武器の上にしたらどうなると思う?・・・答えはその身体で思い知れっ!!!」 

 

ミィ「うるさいなぁ・・・今ミィ達が話してるの!《マジックブレイク》!よっと・・・。悪魔さんゲット♪」 

 

魔剣「ぬっ!?な、なにをしやがった!?なぜ俺様に触れているのに飛ばされないんだ!やめろ!離せ!」 

 

ミィ「しばらく魔法を使えなくしたんだよー。どんなにすごい能力でも、それが魔法なら使えないねー?」 

 

魔剣「ぐっ・・・やめろ!俺様は悪魔だ!剣じゃねぇ!離せ!くそっ・・・」 

 

ポンタ「ちょっとそれ貸してくれないかな?」 

 

ミィ「んー?良いけど。・・・これにするの?ミィやだよー?うるさいだけだし」 

 

ポンタ「バーティルさんだっけ?僕は純粋に凄い力だと思うよ?瞬間移動」 

 

魔剣「ふんっ・・・」 

 

ポンタ「範囲は狭くても、使用者も一緒に移動できるなら、相手の背後に移動して攻撃!とかできるでしょ?」 

 

魔剣「・・・そうだな。まぁ、それぐらいは余裕だな」 

 

ポンタ「敵の攻撃を簡単に避けることが出来て、さらに攻撃にも生かせる!すごいじゃないか!」 

 

魔剣「・・・出来るが、そんなことはしねーぞ?そもそも、これは俺の能力だ。お前ら下等生物に使わせるわけがないだろ?」 

 

リン「能力は凄いかもしれないけどさ、こいつじゃ使い物にならないって。こっちの普通のにしとけよ」 

 

ポンタ「んー・・・そんなに、使われるのが嫌いなの?」 

 

魔剣「当たり前だ。俺様は恐怖と絶望の大悪魔だぞ?人間などに素直に使われるぐらいなら死んだ方がましだ」 

 

ミィ「でも、今は剣だけどねー?」 

 

ポンタ「まぁまぁ。でも、ずっとその姿でいいの?封印を解く方法とか、ないの?」 

 

魔剣「・・・あればとっくにやってるさ」 

 

リン「あー・・・それこそさ、冒険者と旅して探すとか?いろいろ探してみたらいいんじゃないのか?」 

 

魔剣「自由の利かないこの身で、人の言葉は理解できても喋れないのに・・・か?」 

 

ミィ「そっか・・・悪魔さんも大変だったんだね」 

 

リン「悪い。今普通に話してたから・・・忘れてた・・・」 

 

魔剣「・・・いや、別に構わない」 

 

リン「事情とか、詳しい事全然知らない癖に、好き勝手言いすぎた」 

 

ミィ「200年だもんね・・・。いっぱい頑張ってきたんだもんね・・・」 

 

ポンタ「右も左もわからない場所で、頼る人もいないって、すごく怖いもんな・・・」 

 

魔剣「やめろよ、さっきのままでいい。調子狂うだろ?・・・なんだろうな。なんだかんだ今こうして、てめぇらと話せて・・・その・・・、楽しいんだ。だから、そんなしんみりすんなよ」 

 

ミィ「お、悪魔さんがデレた」 

 

リン「デレたな」 

 

魔剣「デレてなどいない!ただ、ちょっと・・・こう、誰かと話すのはこの姿になって以来だったから・・・な・・・。その・・・なんだ・・・。人間は嫌いだが・・・、貴様らのことは、悪くはないなと思い始めてる」 

 

ポンタ「うん。人間もそんなに悪い奴らばっかじゃないよ。それに、世界は広いんだ。封印する方法があるなら、解除する方法もきっとあると、僕は思うな」 

 

ミィ「そーそ!冒険したらもっともっといろんな発見があるよ!」 

 

リン「そーだぜ。『悪魔だ』とか、『剣だから』とか、『人間が』とか・・・そんな大きなくくりじゃなくてさ。オレやミィ、ポンタ、そしてあんたっていう、それぞれをちゃんと見ていこうぜ?」 

 

魔剣「・・・な、なんだよ。さっきまで散々バカにしてきてたくせによ・・・」 

 

ポンタ「よしっ!決めた!」 

 

ミィ「ほんとに良いの?」 

 

リン「まぁ・・・使うのはポンタだしな・・・」 

 

魔剣「ったく・・・しゃーねーな・・・。貴様らにこの俺様(の素晴らしい力を貸してやるよ)」 

 

ポンタ「あのー!こっちの壁に掛かってる、片手剣買いたいんですけどー!」(被せて) 

 

ミィ「え?」 

 

リン「こいつは?」 

 

ポンタ「え?だって、僕には重すぎるし。話も一段落かなって」 

 

魔剣「は・・・?え・・・?」 

 

ポンタ「これからずっと使っていくにはさ、重すぎてまともに振れないもん」 

 

魔剣「これだから人間は嫌いだぁぁぁああああああ!!!」 

 

ミィ「ポンタは人間じゃなくて魔族だよ?」 

 

リン「この場合は鬼だと思うけどな」 

 

 

 

―――次回予告(魔剣が小さくぶつぶつ言っている) 

ミィ「じっかい♪よっこくっ♪」 

 

リン「また今回もいろいろあったけども・・・。とりあえず武器は買ったし」 

 

ポンタ「マジックバッグも買ったし!」 

 

ミィ「冒険の準備は整った!って感じだねー」 

 

ポンタ「明日も一日街に居るんだよね?なにするんだ?」 

 

リン「ん?明日はポンタは何も予定ないぞ?」 

 

ミィ「ミィとリンちゃんはデートに行くのです♪」 

 

リン「デートではないけどな。ちょっと出かけるから、ポンタは好きに街を見て回ってみるといいんじゃないか?少しだが、ほら。これで飯とか遊んだりして来ればいいよ」 

 

ポンタ「ありがとう。そーだな・・・この街は何か名物とかはあるのか?」 

 

リン「名物か?んー・・・そーだな・・・。てか、さっきからずっとぶつぶつ聞こえてんのはなんだ・・・?すげー気になるんだが」 

 

ミィ「あ、それはね。悪魔さんが次回予告の練習してるんだよー」 

 

魔剣「おい!違うぞ!俺様がこの程度の事でビビッて練習などするわけがないだろ!」 

 

リン「んじゃ、次回予告頼んだ!」 

 

魔剣「魔族に人間、悪魔に神に至るまで、様々な種が存在するこの世界。 

元魔王は他種族の世界を見て、何を思い、どう行動するのか・・・。 

次回!!『ポンタの休日』」(カッコよく) 

 

ポンタ「強者とは常に、学び吸収する者である」(カッコよく) 

 

ミィ「ちゃんと言えたねー♪」 

 

魔剣「ふんっ。このぐらい、出来て当たり前だ・・・」