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マヤ

『W旦那+(プラス)』第167話 三代目妄想劇場

2018.03.17 23:00

すっと隆臣を抱き上げ、立ち上がったのは臣だった。





臣「んーっ♫隆臣、ちゅーしよ♡」





臣が口をすぼめて隆臣に迫る。





その臣の口を横から手で塞ぎ、

隆二が阻止する。





隆二「だーめだめ!虫歯菌が移ったらどーすんの?」





臣「虫歯菌?人をなんだと思って…」





臣が油断した隙に、隆二が隆臣を奪って逃げた。





臣「あ‼︎コラッ!湯たんぽ返せ!」





隆二「やだね‼︎たっくん、パパとチューしよ♡」





隆二がアヒル口を作り、隆臣に迫る。





臣「やめろっ!虫歯菌が移るだろ!」





隆二「俺、生まれてから今まで虫歯なんてできたことねーもん」





隆二は隆臣を抱えたまま走り出した。





臣「隆二‼︎転んだらどーすんだよ!

止まれっ!」





小高い丘の上まで登り、臣の忠告を聞いてハタッと隆二が止まった。





臣「うわっ⁉︎急に止まんなっ…」





臣が隆二の背中にぶつかった。





軽い衝撃があったが、隆臣は手を叩いて笑っている。





臣「隆臣…」





隆二「たっくん、遊んでもらってるって勘違いしてるよ」





臣「隆二」





隆二「え⁉︎説教なら聞かねぇ…」





臣が隆二の腰を引き寄せ、甘いキスをした。





隆二「お…み」





真ん中にいる隆臣を二人で抱えている。





隆二「たっくんのファーストキスは…」





臣「未来の花嫁の為に、取っといてやろうな」





暖かい春の日差しを浴びて、三人のシルエットが一つに重なった。





ゴォーと風が吹いた。





桜の花びらが舞う。





隆臣が草むらの方角を指差して、

「あーあ」と言った。





隆二「あーっ‼︎ビニールシートが飛んでる!」





臣「やべっ!」





臣が先に走り出した。





隆二は隆臣を抱いて、ゆっくり歩きながら後に続く。





「臣パーパ、転ぶなよ」





隆二と隆臣は揃って、天使の笑顔で微笑んだ。









ご愛読ありがとうございました。



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