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サダナ想像と祈り

2018.03.26 15:33

http://sadhana.jp/sozo/1200.html  より

12】想像で再現する音の中にイエスのみ名を聴く

 最初は聖書から、神様のお働きの素晴らしさを感じ取ります。ここでは、コロサイへの手紙1章15節~20節を味わいます。その後、以下の指示に従って祈りを進め、その祈りに深まって下さい。指示の言葉の間に、三回ほど十字架の聖ヨハネの詩歌がはさまれます。

 始めの5分間は現実界の音を感じ取ります。その後20分間祈ります。

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では、聖書=コロサイ書1,15-20を味わいましょう。

 聖書が終ると、背中を伸ばし、目を閉じて出来るだけ沢山、現実界の音を聴きます。注意深く、かすかな音でも意識するように。忍耐強く平静に。・・・・・(5分)

 音をすべて聴き、出来れば音の中に調和のあることを意識して下さい。・・・・・(1分)

 これから想像に入ります。

 風が森の木を動かしていることを想像して下さい。森の音を聴きなさい。・・・・・(1分)

 山の中の谷川の流れの音を聴きなさい。・・・・・(1分)

 海岸の波の音を聴きなさい。・・・・・(1分)

 私のいとしい人は聳える山々、奥深いひそかな谷間、不思議な島々、音を立ててゆく豊かな流れ、愛を伝える風のそよぎ・・・・・(1分)

 宇宙に入ってその静けさを見なさい。星の動きの静けさと調和を想像して下さい。

 山の夜の静けさを感じて山の音を聴きなさい。・・・・・(1分)

  暁をはらんで満ちわたる夜、音もなく沸き上る音楽、瞭瞭と鳴る鼓笛、愛の火を燃え盛らせる真夜中の鉄火・・・・・(1分)

 山の夜の静けさの中にイエスのみ名を聴きなさい。・・・・・(2分)

 人間の技術で作られた機械の音を聴きなさい。例えば、車、飛行機、工場の機械の音など。 ・・・・・(1分)

 その音響の中にイエスのみ名を聴きなさい。・・・・・(1分)

 音楽を聞きなさい。大きなオーケストラ、コーラスの音楽を想像して下さい。・・・・・(1分)

 その中にイエスのみ名を聴きなさい。・・・・・ (2分)

 イエスのみ名はあなたの心の奥底に響きます。・・・・・(1分)

 宇宙万物はイエスのみ名を呼んでいます。賛美しています。イエスは宇宙のかしらてす。・・・・・(1分)

 数多(あまた)のお恵を撒き散らしながら、急ぎ足でこの森を行かれました。あの方が一目見つめて下さるとお顔の照り映えが映っただけで私はこんな美しい姿に成りました。 ・・・・・(1分)

 神の霊は天地万物によって話します。人間によって、自然によって話します。・・・・・(1分)

 イエスのみ名はあなたの心の奥底にメロディーのように響きます。・・・・・(1分)

 「典礼聖歌」48番 「神の名はあまねく」を歌ってこの祈りを結びましょう。


13】自分の歴史の中にイエスが来られる―2

 想像力を使いつつ、過去の不幸な体験を材料として、賛美の祈りをしましょう。

私たちはどんなことが起こっても、神様を賛美できると幸せです。けれども、物事が思い通り行かないとき、神様を賛美するのは難しいことです。あるいは無理かもしれません。でも、神様はすべてを御存じで、しかもすべてを支配しておられます。この信仰があれば、困難なときでも神様を賛美できます。神様は善と悪を支配しておられます。したがって苦しみも支配しておられます。神様から逃れられるものは何一つありません。すべてを支配しておられるのです。私の喜びも苦しみも支配しておられますから、神様を賛美するのです。

 創世記1章31節に「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。それは極めて良かった」とあります。ですから神様はすべてを支配してよしとされます。聖週間に「幸いなる過ち」という聖歌を歌います。父なる神様は、イエスのご受難を支配しておられます。人間の罪はイエスのご受難の起因になりました。すべてを支配しておられる神様をこの冥想で賛美しましょう。

  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 先ず、しばらく静かに坐して心を鎮めます。

 その後第一段階として10年から5年前までに起こった不幸な辛い出来事の一つを思い出します。第二段階は最近の不幸な辛い出来事を思い出します。

では、冥想の祈りに入ります。

 10年から5年前の辛い不幸な出来事を思い浮べて下さい。どんなことですか。そのときあなたは苦しんでいました。その場所を思い出して下さい。家の中ですか、 それとも屋外ですか。家の中であれば部屋の中を見て下さい。屋外であれば景色を見て下さい。音を聞いて下さい。触れてみて下さい。どんなことが起きていますか。あなたはどうして苦しんでいるのですか。どんな否定的感情が起こりましたか。恐怖ですか、不安ですか、怒りですか。出来るだけそのときの感情を再体験して下さい。(7分)

 イエス様がその出来事の中に入ってこられます。イエス様の姿を見つめて下さい。どんな態度をお取りになりますか。あなたを見つめられますか、近付いてこられますか、あなたに話しかけられますか、それともあなたがイエス様に話しかけますか。しばらくの間、イエス様と一緒にいて下さい。どんな心の動きがありますか。出来るだけ意識して下さい。(3分)

 第二段階に入ります。最近の辛い不幸な出来事を思い出して下さい。その影響であなたは苦しんでいます。どんな出来事ですか。恐れですか、病気ですか、失敗ですか、そのことを見つめて次のように考えて下さい。神様は善と悪を支配しておられます。おん父としてみ子イエスのこ受難を支配されたように、今あなたのその出来事を支配しておられます。このように考察して、この辛い出来事を通して神様を賛美して下さい。どうなりますか、賛美できますか、それとも辛いですか、やってみて下さい。(5分)

 典礼聖歌130番「主をたたえよう」を歌ってこの冥想の祈りを結びましょう。

14】聖イグナチオに導かれて聖書の場面を観想する-1A(ご託身①)

 ルカ福音の1章1節から38節に関わる観想を、聖イグナチオは、次の構成と方法において敬虔に行う祈り方に招いています。(『霊操』101番~109番を参照。(注1))聖人が招いている構成と方法の枠組みは、以下の通りです。

1―【準備の祈り】

2―【3つの準備考察】(想像による状況設定を含む)

3―【観想の本体部】

4―【結びの対話】

 この枠組みを念頭に置いた上で、以下に示される聖人の原文の形(注2)に、極力沿って祈ってみましょう。

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【準備の祈り】

 自分のあらゆる意向と行動と働きが、ひたすら主なる神への奉仕と賛美だけに向けられるよう、主の助けを願う。

【第一の準備(3つのうちの第1)】 

 これから観想する内容をまとめること。ここでは、神の三つのペルソナが、人々で満ちた地球の全面を眺め、そして、人々がみな地獄に落ちるのをご覧になり、人類を救うため第二のペルソナが人間となることを永遠から決められたことである。そして、時が満ち、天使ガブリエルを聖母のもとに遣わされた様子を観想する。

【第二の準備(3つのうちの第2)】

 見えるように場所を設定すること。ここでは、たくさんの、そして多様な民族が住む広々とした地球の表面を見ること。また、その後、とくにガリラヤ地方のナザレという町にある聖母の家と部屋を見る。

【第三の準備(3つのうちの第3)】

 望んでいるものを願うこと。ここでは、いっそう主を愛し主に従えるよう、私のために人となられた主を深く知ることを願う。

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 以上の【準備の祈り】と【3つの準備考察】を済ませてから、黙想(観想)の本体部に入ります。

【要点第一(本体部の第1)】

 観想におけるあれこれの人物を見ること。

まず、服装と動作の様子が非常に異なる地上の人々を見る。その中には白人もいれば黒人もいる。ある人は平和のうちに、ある人は、戦争のさ中におり、ある人は泣き、ある人は、笑っている。健康な人もいれば、病人もいる。生まれたばかりの者もおれば、死にかかっている者もいる。そのような様子を見る。

第二には、自分の王座、主なる神のみ座についておられる三位一体を見る。三つのペルソナが、地球の全面と、ひどい盲目に陥ったすべての民を見られ、彼らが死んで、地獄に落ちていくのを見られることを考察する。

第三は、聖母と彼女に挨拶する天使を見、そこから益を収めるため自分に目を向ける。

【要点第二(本体部の第2)】

 地上の人々が、話している言葉を聴くこと、すなわち、彼ら互いの話、また呪いや冒涜などの言葉を聴く。

同じように、神の三つのペルソナが語り合っておられること。すなわち、「人間をあがなおう」などの言葉を聴く。

 次に、天使と聖母が語り合う言葉を聴く。その後、その言葉から益を収めるため自分に目を向ける。

【要点第三(本体部の第3)】

 それから人々が地上で行っていることを見る。たとえば、人を傷つけたり殺したりして地獄に落ちていく様子などを見る。

 またその後、神の三つのペルソナが行われる業、すなわち、受肉を実行されることなどを見る。

 そして同じく天使と聖母のしていることを見る。すなわち、天使が使者の役目を果たし、聖母がへりくだって主なる神に感謝するのを見る。その後、この一つ一つのことから何らかの益を収めるため自分に目を向ける。

【対話】

 最後には対話すべきである。神の三つのペルソナ、または、人となられた永遠のみことば、あるいは、わが母なる聖母マリアに申し上げるべきことを考え、今しがた、誕生なさったわが主にいっそう従い倣うため、自分の中で感じているところによって願うのである。主の祈りを唱える。

 ※聖イグナチオは、この観想を繰り返して行うことを勧めており、その繰り返しの観想においては、神(聖母を含む)との対話を深めることへと導きます。

つまり、次のような対話です――。

 慰めかすさみ、または霊的感動をより深く感じた点に注意し、そこにとどまる。そして、次に述べる方法で三つの対話をする。《第一対話》聖母との対話である。自分の御子であり主である方から次のことのために恵みをとりなしてくださるよう、聖母にお願いする。つまり、私が今しがた、誕生なさったわが主にいっそう従い倣うため、自分の中で感じているところによって願う。次いで、天使祝詞。《第二対話》御父からその恵みをとりなしてくださるように御子に同じことを願う。次いで、「アニマ・クリスティ」。《第三対話》永遠の主自身がその恵みを与えてくださるよう御父に同じことを願う。次いで、主の祈り。(注3)

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(注1)聖イグナチオは、真剣に生き方を向上させようとする熱心な信仰者のために、おおよそ30日を使う徹底的な黙想のプログラムをまとめました。そのプログラムの骨子を成文化して『霊操』という本にしました。この本には、一項目ずつに通し番号が付けられていて、その総数は370であり、ここに抜粋した101番~109番は、したがって、本全体の開巻から3分の1ほど進んだところに位置することもわかります。

(注2)日本語の翻訳は、幾つか存在します。ここではイエズス会司祭ホセ・ミゲル・バラ師が1992年に改訂訳(聖イグナチオの自筆テキストから)を出版された新世社版から引用しました。

(注3)まず、聖母に向って、第二にキリストに向って、第三におん父に向って、という3段階で対話を上昇させて行く組み立てが最も詳細に示されているのは、『霊操』61番~63番です。101番~109番における対話の示し方からして、この61番~63番にある具体性にのっとるのが最良と思われます。そこで、ここには、63番に表現された具体形を適用して表現しました。