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サダナ想像と祈り

2018.03.26 15:30

http://sadhana.jp/sozo/1200.html  より

【24】デメロ師による、「キリストのあがないの恵みに浴する」観想

 最初の10分間、呼吸に注意を向けながら、鼻の先端の内側および上唇に触れる空気の感じ取りをします。その後20分間、下記のガイドに沿って祈ります。(合計30分)

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 では、気楽に座ってあるいは腰掛けて、背中を真直に伸ばして目を閉じます。半眼でも結構です。先ず呼吸に注意を向けながら、鼻と上唇のところに触れる空気を感じ取ります。息が冷たいか暖かいか、どこで感じるか、息は多いか少ないかなどを、注意深く、忍耐強く、平静に感じ取り続けます。(10分)

 ここから、祈りへと入ります。

十字架に付けられたイエス様の姿を見つめて下さい。十字架に付けられたイエス様はあなたの前に居られますか、あるいはあなたの心の中に居られますか、想像して下さい。そして十字架に付けられたイエス様の姿をじっと見つめて下さい。槍で突き剌された脇腹の傷を見つめて下さい。釘による手と足の傷を見つめて下さい。ただ見つめるのです。ゆっくり眺めて下さい。(5分)

 イエス様は少しずつ甦ります。お顔の表情が変わります。苦しみの表情から喜びの表情に変わっていきます。勝利に輝いた顔をよく眺めて下さい。(2分)

 今度は場所が変わって、あなたはイエス様の墓の前に居ます。マグダラのマリアにお現われになったように、今あなたの前に復活したイエス様が居られると想像して下さい。復活されたイエス様をよく見つめて下さい。あなたには、どのような心の動きがありますか? どう感じますか? 考えるのではなくただ見つめるのです。よく意識して下さい。(3分)

 復活したイエス様は槍で突き剌された脇腹をお見せになります。それは愛のシンボルです。あなたのために命をお捧げになった印です。復活したイエス様はあなたを愛しておられます。あなたを受け入れておられます。あなたは、愛されていることを受け入れてください。受身の態度です。イエス様はあなたに欠点があっても愛しておられるのです。愛するだけではなく、あなたが好きなのです。イエス様はあなたをありのまま受け入れ大切にされます。「あなたが変わらなくてもよい、そのありのままを受け入れている」と、イエス様はおっしゃいます。このイエス様の愛を受け入れて下さい。信じて下さい。あなたを無条件で愛しておられます。その愛されている喜びを味わって下さい。しばらくの間祈って下さい。そしてイエス様の愛を受け入れて下さい。(10分)

典礼聖歌 1 2 8番「主を仰ぎ見て」を歌ってこの祈りを結びましょう。

【25】習熟する(1)―尊いイエス様イメージ―

 

 「想像力」を活用して祈りを重ねる流れから――  

 いくつかの尊いイエス様イメージが、心の奥に蓄えられます。

 すでに、上に提出した祈り方のうち、福音を題材とする祈り方からも、自分の人生の体験場面にイエス様が来られる場合からも、極めて尊いイエス様像を得ます。

 このイエス様像は、自分の心の在り方にぴったり寄り添ってくれます。寄り添って、私の心が求めることに、きわめてよく応えてくれます。

祈りの中で形作られたイメージです。大事な折りに、浮かび出て、自分を慰め・励ましてくれます。こうして、自分がイエス様とますます親密になったことを体験できます。

 暮らしの中で

 ――選びの場面で、どういう方向を選ぶべきか

 ――心がしんどいので励ましが欲しい

 ――祈りがうまく進まないのでどうしようか

 このような時に、イエス様像が大いに助けになります。

書き方があまり抽象的なままで終わらないよう、筆者自身の一つの大事なイエス様像を例に示しておきましょう。

 私は、仕事の関係で理不尽な処遇を受けたことがあります。その体験が起こってしまった現場は、大きな建物の長い直線の廊下の端のところでした。このコーナーの13番目に掲げられている冥想をした際に、私には、次のようなイエス様像が得られました。それは、先輩司祭が私の相談を親切に受け止めてくれたそのポーズに似たイエス様でした。この13番目の冥想を私は時々行います。その積み重ねによって、辛い心になったとき私がイエス様にそれを訴えると、イエス様はすぐにそのポーズになって私の脇に立ち、「ちょっと一緒に廊下を歩こうか・・・・」「どういう事があったのか、話してご覧なさい・・・・」と、私とともに廊下を往き来してくださるのです。かすかに、背中を丸め、両手は腰の後ろで軽く握ってゆっくり歩かれるのです。静かにそっとやさしく、私の歩調に合わせ私に寄り添い、よく耳を傾けてくださいます。

 このような“像”を得ることが、祈りの道の最終ゴールなのではありません。祈りの道のゴールは、霊でおられる神様との深い一致ということです。 ――ところが、霊でおられる神様を五官で捉えることはできません。その神様が近づいて(ほんとうは、「神様が私を引き寄せて」)くださいます。その神様の「私へのお働き」を感じることはできます。神様の「私へのお働き」が、上述のようなイメージに、いかにもぴったりなのです。そのイメージを生き生きと感じ取るとき、神様の「お働き」を生き生きと感じ取る大きな助けになるのです。

【26】神からの7つの恵みを受ける祈り-1

  この祈りは、神様から7種類の恵みを求めるものです。<神の愛><神の義><神の力><神のいのち><神のことば><神の知恵><神の祝福>という7つの恵みを受ける祈り(観想)です。

 やがて7つを同時に求める段階に進みますが、さしあたって7つのうちのいずれかの3つを同時に求めることとしましょう。

 第一回目は、<神の愛><神の義><神の力>の3つを求めることとします。

 方法は、次のようになります。――神様からの「愛」の恵みを、十分に受けようとする祈りから入りましょう。

 神様からの「愛」の恵みは、私の心の中にすでに届いています。その見えない恵みを、見えるイメージを借りながらいっそう豊かに受けられるように祈るわけです。神様からの「愛」が、私の胸のうちに、燃えるともし火として光を発するイメージをしっかり描きます。光の色も自分で選んで決めましょう。(筆者は、その色をさくら色としていますが)。

 以上が、整うと、まず、頭を空にして体の各部の感じ取りを入念に行います(10分程度)。その後祈りの本体に入ります。本体に入ってからは、<神の愛を求める>をかわきりに、順次似ているプロセスをたどって、<神の義を求める><神の力を求める>と、展開するわけです。

☆☆☆☆☆

 目を閉じたまま、想像を働かせて、自分の胸のうちに、神様の愛がともし火としてすてきな色の光を放射していることをイメージします。その光が、自分の胸の中も、頭の中も、体じゅうも満たして行くのをイメージします。さらにはその光は、自分の今居る部屋も、建物全体も、今居る町も、地球全体も、宇宙も満たして行くのをイメージします。

 私がこの神様の愛の光に包まれることを明瞭にイメージします。その光によって、私の、怒り、憎しみ、物欲、野心、嫉妬、虚栄心、裁く心など、邪悪なものが消されて行きます。しばらくの間、この光に包まれて居ましょう。私の邪悪が減少させられ、私の愛が増し加わるのを願って居ましょう。

ひとときの間<神の愛>を求めて祈りました。次の段階として、<神の義>を求めることに進みましょう。想像を働かせて、自分の臍の内側に神様の義がともし火としてすてきな色の光(筆者の場合黄色ですが)を放射していることをイメージします。その光が、愛のともし火の場合と同じように、自分のお腹の中、胸の中、頭の中、体の中全体、自分の部屋全体、自分の家全体、自分の町全体、地球全体、宇宙も満たしているのをイメージしましょう。

私がこの神様の義の光に包まれることを明瞭にイメージします。その光によって、私の中の、むさぼり、悪意、卑怯、ひねくれ、などが消されて行きます。

 しばらくの間、この光に包まれて居ましょう。私の怯堕が減少させられ、私の義が増し加わるのを願って居ましょう。

 <神の義>を求めた後は、第三部として、<神の力>を求めましょう。想像を働かせて、自分の下腹部(丹田)の内側に神様の力がともし火としてすてきな色の光(筆者の場合赤ですが)を放射していることをイメージしましょう。その光が、愛のともし火の場合と同じように、自分のお腹の中、胸の中、頭の中、体の中全体、自分の部屋全体、自分の家全体、自分の町全体、地球全体、宇宙も満たしているのをイメージしましょう。

 私がこの神様の力の光に包まれることを明瞭にイメージします。その光によって、私の中の、弱さ、恐怖心、臆病、引っ込み思案、などが消されて行きます。

 しばらくの間、この光に包まれて居ましょう。私の弱さが減少させられ、私の力が増し加わるのを願って居ましょう。

 準備を含め、全体を25~30分でまとめ、結びに聖歌(たとえば典礼聖歌6番)を歌ってしめくくりましょう。