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EDICOLANTEのイタリア小さな可愛い街の旅行記とコラム

サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂 Basilica di San Paolo fuori le mura

2018.03.18 19:35

ローマにあるカトリック教会の大聖堂。サン・ピエトロ寺院の次に大きな教会。サンピエトロとサン・パオロローマの守護聖人で、共に6月29日がローマの祭日。

ローマの五大バジリカの一つ

ローマの初期バジリカ式の教会の典型的な例である。

他は、サン・ピエトロ大聖堂、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂サン・ロレンツォ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂

★ 聖パオロ

聖パオロはネロ帝のキリスト教迫害により殉教。ローマ大火のすぐ後だった。当時のローマ城壁から2kmも離れたこの場所は、オスティア街道沿いで、紀元前2世紀ころから紀元5世紀頃まで使われていた埋葬所だった。聖パオロは現在の聖堂下に眠る。


★ コンスタンティヌス1世により建立

始めは聖パウロの墓を祀る聖堂としてつくられた小さな教会だった。名称は「城壁外の聖パウロ大聖堂」の意味。 

キリスト教徒が増えたため、386年、テオドシウス1世によって大規模に建設された。最も古い記録は、4世紀初頭のコンスタンティヌス1世時の小さな石碑であり、「殉教者たる使徒パウロ」という銘文が大理石版に記されている。


★ 1823年の大火災

二日間に渡る火事で、ほぼ全焼した。その数年後、できるだけ元の教会のマテリアルを使い再建された。

工事費を募ったところ、金銭だけでなくエジプトやロシアからマテリアルまで寄贈され、一世紀以上修復に時間をかけ、最終的に、グリエルモ・カルデリーニ設計で1928年に完成された。

現在見られるのは、ヴァラディエール設計時に働いていた、パスクワーレ・ベッリ Pasquale Belli と、 カンポレーゼ設計の新しい聖堂。

Luigi Rossini画の大火事の後の状態。  


★ サン・パオロ大聖堂四角い回廊 

1890年から1928年に、一辺が70mもある大回廊(Quadriportico)を建造。ルイジ・ポレッティ(Luigi Poletti)らが文献などを使い、元の聖堂に似せるように設計を始め、グリエルモ・カルデリーに(Guglielmo Calderini)が指揮をとった。

四角い回廊には聖パオロ像。カッラーラの大理石製。ジュゼッペ・オビチ(Giuseppe Obici)の作品。

ピエトロ・カヴァッリーニのモザイクのファサード

★ 聖なる門

コンスタンティノープルで造られた11世紀の聖なる門(Porta bizantina)青銅のパオリーナ門扉。


教会内部

広い聖堂内部は5廊式で、20本の大理石の円柱が4列に並んでいる。袖廊と内陣が交わる部分には、大アーチがある。

床の大理石は古い大聖堂で使われていたものを再利用。

金色の格天井で装飾され、ピウス9世の紋章がある。

両脇の廊には、5世紀から現在の歴代法王の肖像モザイク画が円の中に描かれ並べられており、それらの上には、サン・パオロの生涯をテーマに描かれている。べっ甲色のステンドグラスは光があたった時、十字架になるデザイン。

★ 5世紀のモザイク画

ホノリウス3世がヴェネチアから職人を呼び完成させたヴィザンチン様式のアプス。ガッラ・プラキディアとも呼ばれているモザイク画。イエスの足元には、ホノリウス3世が謙遜して小さく描かれている。

火事でほぼ全焼でこのモザイクは奇跡的に少しの損害を受けただけだった。元の聖堂から剥がされ、新しい聖堂に移された。

アルコ・トリオンファーレ(凱旋門の意味)と呼ばれる手前のアーチ

★ 1200年代の復活祭用の燭台 カンデラブロ 

復活祭前日の土曜日日暮れから灯されるロウソクを立てる燭台(Cero pasquale)。ローマの有名大理石職人の家、コズマーティ様式ヴァサレット家のニコラとピエトロによる作品。

猛獣とバビロンの女性達↑ ヨハネの黙示録(Apocalisse di Giovanni)がテーマに彫られている。

★ ゴシック様式の聖体用祭壇の天蓋 Ciborio 

アルノルフォ・ディ・カンビオ Arnolfo di Cambio (1285年)作

(次回写真を撮りなおす)


1725年の秘蹟の礼拝堂

火事の難を逃れた13世紀の聖母のモザイクがある。1541年イグナティウス・デ・ロヨラはこの礼拝堂の聖母の前でイエズス会を結成した。(次回見学)


被昇天の祭壇 Altare dell'Assunta 

 べっ甲色のステンドグラス

火事の前の礼拝堂 Cappella del Santissimo Sacramento

カルロ・マデルノ設計でした。 ここにある彼の作品だとされる、スウェーデンのビルギッタ Santa Brigida の像が残っている。(次回探す)


★ クリプタ 地下祭壇

地下祭壇の最近の修復中、 聖パオロの石棺と、大昔の教会のアプス部分が見つかった。(次回見学)



北側のファッチャータのポルティコと白い鐘楼


修道院の壁

博物館・回廊入り口のチケット売り場がある部屋の壁画



★ ローマで最も美しいと言われる回廊

13世紀のコズマーティ様式の回廊(Chiostro)は、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂の、同じ時期に同じ職人らにより作られた回廊と似ている。火事の被害は比較的軽かった。

ローマ時代の石棺や遺跡で回廊を飾られている。  


見学は有料 2018年現在 4ユーロ


絵画館 Pinacoteca

★ アントニアッツォ・ロマーノ


★ 考古学博物館 Sito Archeologico

2008-2009年に教会の畑を改修中に、中世初期美術品を出土。2013年7月に博物館として開館。


メモ


★ 地下埋葬所 聖パウロのネクロポリス

ピラミッドがあるパオロ門が起点のオスティア街道の2マイル目にあたる場所から細長く地下埋葬所があった。8世紀頃の聖ピエトロや聖ロレンツォの墓に似た聖パウロの地下埋葬所跡(Necropoli di San Paolo)らしきものが大聖堂前の公園(Parco Schuster)に遺跡が残る。見学は要予約。

オスティア街道沿いの断崖の遺跡



★ 修道院併設のバールとお土産物屋

軽食がとれるバールやお土産物屋も併設。修道院で作られる自然派化粧品やチョコレートなどが買える。




公式HP

料金など



ブログ



参考

Roma Cristiana


ウィキペディア

wiki

Roma Segreta


その他