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トマトリー島ってどこ!?英語ブログを参考に旅行しよう!(大学入学共通テスト)

2018.03.19 04:14

2020年(平成32年)より、大学入試センター試験に代わり実施される「大学入学共通テスト」について、先日(2018年3月14日)プレテストが実施されました。留学エージェントという立場上、英語科の問題だけちょっと確認してみたのですが、今回は「英語筆記(リーディング)」の問題について感じたことを少し語ってみます。


より実践的、ちょっとワクワクする出題形式!

従来のセンター試験(英語)といえば、発音・アクセント問題から始まり、文法・語彙的な問題を解いた後に長めの文章を読み解く問題(データ読み取り系・陳述読解系・小説理解系)が基本構成でした。正直、純粋に「英語力」を計測するための問題づくりみたいな印象が強く、特にデータ読み取りが必要なシチュエーションなど、大学教授とか一部の人を除けば日常生活ではなかなか遭遇しないような場面設定から出題がされていました。

その点、今回のプレテストでは、例えば大学のオープンキャンパスでイベントポスターの内容を読み取る問題とか、口コミサイトのレビューを参考にレストラン選びをする問題など、日常生活でも有り得そうなシチュエーションから出題がされていて、試験とはいえ少しワクワクしながら解答できそうな、もっというと英語に対してより親しみを持ち「楽しさ」を感じながら学習できる、そんな観点からも改善がされている印象を持ちました。


ベジトニア国のトマトリー島へ行こう!?

中でも気になったのは、第3問のA。「あなたは、ベジトニア国へ旅行したいと思っていたところ、以下のブログを発見しました。」みたいな設定から始まり、家族でベジトニアへ旅行した人のブログを読んで解い(以下2問)に答える問題です。ドラゴンボール的なネーミングセンスはさておき、自分自身もバックパッカースタイルで世界一周をしていた頃はブログを中心に情報収集をしていたため、こういう出題形式はとても実践的だと感じました。大学入試対策で勉強する英語が、その後の海外経験にも直結するのは一石二鳥だし、モチベーションの向上にも繋がりますよね(逆に今までの問題形式が特殊すぎただけかもしれませんが)。


真実を見極めろ!口コミサイトを参考にグルメ旅!

第2問のAは、グルメサイトの口コミレビューを読み取る問題。「あなたは海外旅行をしていて、インターネットでレストラン探しをしています。以下は、それらのレストランを過去に訪れた人たちの口コミです。」という設定から問われます。この問題はテスト翌日の朝日新聞などにも取り上げられていましたが、こちらもかなりリアルなシチュエーション、かつ「情報リテラシー」も問われる出題形式だなと感じました。

面白いと思ったのは、4番目の問で「上記レビューに基づき、個人的意見ではなく真実と思われるのはどれか。選択肢より1つ以上選び答えよ。」というもの。実際の正答率は13.6%しかなかったようですが、例えば「レストランが混んでいるかどうかは人それぞれの印象によるから真実とは言い切れない」、「魚料理にはがっかりした、みたいな意見を見る限り、魚のメニューがあることは確からしいから真実だ」、みたいな思考回路で正答を導くタイプの問題で、英語力は大前提として、むしろ情報収集&処理能力が問われていました。


受験勉強の延長線上に、リアルな英語経験がある!

使用された単語数は、センター試験と比べると2倍以上に増えた(朝日新聞)という文言などから、全体的な難易度は少し上がっているのかもしれません。情報を読み取る力が問われるようにもなっているため、従来の学習とは違った対策も必要になってくるでしょう。

けれども、「旅行ブログ」やグルメの「口コミサイト」などが問題形式として採用されるようになるということは、受験勉強の延長線上に「海外旅行」とか「外国人とのコミュニケーション」が紐づいてくるということ。よりリアルなシチュエーションを想定しやすくなった分、学習のモチベーションにも繋がりやすくはなるのではないでしょうか。


※参考

・大学入学共通テスト 英語筆記(リーディング)の問題

http://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00032973.pdf&n=01-1_%E5%95%8F%E9%A1%8C%E5%86%8A%E5%AD%90%E3%80%90%E8%8B%B1%E8%AA%9E%EF%BC%88%E7%AD%86%E8%A8%98%5B%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%5D%EF%BC%89%E3%80%91.pdf

・センター後継試験の英語試行調査、問題により正答率大差(朝日新聞デジタル)

https://www.asahi.com/articles/ASL3F6T7XL3FUTIL05D.html