コミュニケーションが伝播するマジックを、 紙に吹き込む作り人
No.003
福家 真紀/JedenTag コラージュノベルクラフト
ペーパークラフト作家
ちょっと変わったインタビュー。
毎回、違う誰かになりすまして、作家さんにアレコレ聞いてみます。
今日は、おしどり芸能人もビックリの仲良し老夫婦。
私たちって、みなさんと少し違った旅行が好きなんです。
いわゆる観光地も行くんですけど、田舎でも都会でも、どこでも二人で旅行します。
違うのは、旅行した先々で思い出の作品を必ずつくること。
ガラス吹きもした、陶芸もした、もちろん食品サンプルづくりもしましたね~。
さて、今回の大阪旅行も今日が最終日なので、素敵な思い出作品をつくりましょうね。
夫:
少し小腹がすいたから、何か食べるかい?
妻:
そうですね。何がいいかしら。。。
夫:
「イカ焼き」って書いてあるね。イカ焼きにしよう!
妻:
あなた、関西のイカ焼きは、粉モノなのよ。
東京は、イカ焼きって言ったら、イカ1杯まるごとでゴージャスですけど、
関西は、小麦粉の中にちょっとだけイカのゲソが入ってるだけ。
夫:
いいじゃないか、それが名物っぽいし、
はんぶんこにして食べよう!
夫:
さて、お腹も落ち着いたし、そろそろ何か作りたいね~
妻:
あそこの店先でワークショップをしてるみたいですよ。
少し、のぞいてみましょう!
ペーパークラフトをコミュニケーションツール化する
妻:
すいませーん。何のワークショップをされてるんですか?
福家:
ストーリーブックという、ご家族や恋人の思い出をつづるペーパークラフトのワークショップをしています。
お時間がございましたら、ご体験どうですか?
夫:
私たちに、まさにピッタリだね。
二人で、よく旅行をするんだけど、各地で思い出の作品をつくることにしているんです。
よしよし、ここで今回の旅行の思い出をつくろう!
福家:
ありがとうございます。
では、早速つくっていきましょう。
お二人の思い出を閉じ込めて、いつまでもこのご旅行の記憶が色あせない、そんな作品にしましょう!
妻:
とっても素敵なワークショップね。
福家:
そうなんです。
このワークショップをすると、
みなさん、いつも以上に饒舌にお話を聞かせてくれます。
ストーリーブックのお写真は、お互いに相手の写真を選んで貼っていただくんですが、このプロセスがミソ!
普段は恥ずかしくて伝えることができない想いも、ストーリーブックを前にすると、写真を貼りながら、スルスルッと言葉に出ちゃうんです。
「そんなこと想っていてくれたんだぁ」みたいなことを感じると、すごく気持ちが高まって、おしゃべりが弾むんです。
だから、私はペーパークラフトがコミュニケーションに最適なツールだと感じてますし、そうなるような仕掛けを作品に取り入れるようにしています。
手づくりの新しい形を求めて
夫:
へぇー、確かにどんどんしゃべりたくなる!
いつもは、ひとりずつ思い出の作品をつくっていたんだけど、福家先生にコーディネートしてもらいながら、妻と共同作業をすると、また新しい発見があるね。
夫婦生活35年になるけど、笑。
福家:
私のワークショップは、参加する方だけがつくられるものでもないと思っていますし、もちろん作家だけでつくるものでもないんです。
作家と参加される方のコミュニケーションの中から、イマジネーションを生み出して、その方にピッタリの作品を共同創作する、新しい形の手づくり作品をめざしています。
でも、あくまでも私は黒子で、主役は参加される方です。作られた作品を他者と思い出をともに共有できるような仕掛けやコーディネートをしながら、ご制作を楽しんでいただくことがワークショップの目標です。
妻:
先生は、なぜペーパークラフトをはじめられたのですか?
福家:
私は、もともと、ものづくりが好きで、日常を題材に、空間を彩るカラフルなインスタレーションの創作をしていたんです。でも、表現したいものが表現できないもどかしさがずっとありました。
そんな折り、ふとしたきっかけから自分の子どものためのストーリーブックをつくってみました。私がつくったブックで、わが子が私や周囲とコミュニケーションをとっていく様を目の当たりにして、とっても温かく、そして微笑ましく感じました。
その時に「私が求めていたものはこれだ!」って思えたんです。
そして、同じように、我が子が周囲とコミュニケーションすることの喜びを感じる人がたくさんいるはずだと考えたことが、ペーパークラフトをはじめたきっかけですね。
ワークショップの後も、体験が続くシカケを
妻:
さぁ、これで完成かな。先生、できました~。
夫:
私もできました!
福家:
お疲れ様です。素晴らしい記念の逸品ができましたね。
ありがとうございます。
妻:
あと、最近、孫が生まれたんだけど、
孫のために、良い贈りものないかしら?
福家:
それでしたら、「BABYストーリーブック」はどうでしょう?
ブックだけ制作いただいて、あとでお写真を入れていただけますよ。
ここでつくって終わりではなく、お贈りする人と一緒に続きをつくったり、お写真をはめ込んだりと、作品がコミュニケーションツールとして、その体験が続いていくしかけになっています!
人と人をボンドするための創作
妻:
すごーい。BABYブックもつくります!
夫:
他には、どんな作品があるんですか?
福家:
そうですね~
基本的には、「人と人をつなぐ作品」ということをコンセプトにしていますので、人をつなぐツールとして活用できるものをつくっていいます。例えば「&」とかですね。
お二人の間に、「&」をおいて、お写真を撮ったりすると、インスタ映えしますよ、笑。
たくさんの人の想いをのせた合同作品
妻:
さて、そろそろ、帰りましょうか?
夫:
そうだね。
先生、今日はありがとうございました。
また、新しい創作ワークショップとかある時は、お声かけくださいね。
遠方から飛んできます、笑。
福家:
ありがとうございます。
いつもは少人数のワークショップをしていますが、たくさんの人と一つの思いでつながって一つの作品をつくる、そしてそこから新しいコミュニティがうまれるような、そんな創作をしてみたいなぁと考えていますので、その夢が具現化できそうになったら、ぜひご協力くださいね。
それでは~。
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プロフィール
福家 真紀/JedenTag コラージュノベルクラフト
「ペーパークラフトをコミュニケーションツールに」 をテーマに制作
「紙」を使い制作後も体験の続くワークショップの開催を目標に活動
キッズプラザ創作工房指導員2009〜2014
ワークショップ
・阪急うめだ本店2013~2018
・レイウェディング2015~
・奈良医科大学付属病院小児センター
「小児センター新設にかかる入院患者様向けのワークショップ」2016
・社会医療法人同仁会 耳原総合病院
「がんサロン用ワークショップ・設置」2017
「つくる・集まる・つながっていくproject」2018~
・山陽製紙株式会社との紙を使った社会活動2017~
作品の提供先
・兵庫県立光風病院 入院病棟3階廊下「陶胎と布平面のインスタレーション」
・社会医療法人同仁会 耳原総合病院「風の伝言プロジェクト」