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【blog】「生きてる恐竜」の描き方研究

2022.11.18 08:47

貼り絵のようなペラペラではなく、「今ここにいる」感じのする「生きている恐竜」の描き方を研究したので、その記録です 🦖✨


まず、私の最終目標は「ガーニーさんみたいな恐竜の絵が描きたい」!

ジェームス・ガーニー(James Gurney)氏は、アーティストの間で有名な技法書、『カラー&ライト』や『空想リアリズム』の著者であり、

人と恐竜が共存する夢の世界を描いた『ダイノトピア』シリーズの作者です。


ガーニー氏のブログはこちら↓

人気が出過ぎて一時期は入手困難になっていたらしい『カラー&ライト』↓

私の大好きな『空想リアリズム』↓

どちらも作例として格好良い恐竜の絵が沢山載っています。

そして、ガーニー氏の本で私が1番好きなのがこれ↓

こちらは日本語版は絶版になっており、とても残念です😭

古書店で一生懸命探して、やっと見つけました。


英語版は今でも購入できます↓

絵を見ているだけでも楽しいので、私は英語版で2巻以降を購入しました。


ここで、なぜ私はガーニー氏の絵に惹かれるのかを考えてみました。


【ガーニー氏の恐竜を素敵だと思う理由】


 ①デフォルメ無しのリアルな恐竜

 ②影の入り方、腕や角の見え方など、丹念な取材の元に描かれているため正確で違和感が無い

 ③リアルなのに図鑑とは違い「生きている感じ」がする

 ↓

この3つをまとめると、「ビリーバビリティがすごい!」


🐰ビリーバビリティとは?


【もっともらしく、いかにもありそうな光景。本物ではないのに、まるで本物かのような表現】のこと。


背景グラフィッカーの吉田誠治氏が「リアリティよりビリーバビリティ」と言われてるのを聞いてから、自分が絵を描く上で大事にしている言葉です。


デフォルメ絵がメインの私にとって、「ビリーバブル (それっぽい)であれば、リアル (本物と同じ)かどうかは関係ない」と言う点が、

「写実的じゃなくても、そのキャラが実在する感じが出ていれば良い」

と認めてもらえた感じがして、良い言葉だなぁと思っています😊


ダイノトピアを楽しく読み終わって、よし、私も恐竜の絵を描くぞ!

と描いてみたものの、ビリーバビリティが全然無い…😂

具体的に言うと…


・いつも左向き

・顔は真横からのアングルばかり

・立体感ゼロ、のっぺりとして貼り絵みたい

・デフォルメしていると言っても、口の開き方や足の角度まで全部図鑑の絵をなぞっているだけ


で、とにかくアンビリーバブルでした💦

どうしたら生きてる恐竜が描けるんだろう?


「恐竜の描き方」の本を買ってみましたが、それは図鑑の絵がどのように描かれているかの解説書でした…

そんな知識も技術も無いよ…!

ハイレベルすぎて模写すらできず😭 (でもいつかやるぞ…!)


そこでやってみたのが「ジェスチャードローイング」。

短時間で人体の印象を描く練習法です。

ジェスドロと言えばこの人!の、たてなかじゅんぺい氏や砂糖ふくろう氏に学びつつ、1ヶ月で1000体描きました。

たてなか氏の著書↓

砂糖氏の著書↓

すると1ヶ月後には、人体に関しては「生きてる感じ」が少しずつ出せるようになってきた実感が!

それまでリアル頭身の人体には苦手意識があったのですが、

「私も練習したら描けるようになるんだ! (砂糖さんがよく言われている)質より量ってほんとなんだ!」

と驚いたし、嬉しかったです😊


次にやったのが、インプットの強化でした。

積読になっていた技法書やイラスト本をとにかく読む!


普段は1文字1文字じっくり、アンダーライン引いたりノートに書き出したりしながら読むタイプなのですが (だから読むのに時間がかかってどんどん積読が増えていく…)。

とりあえず何冊も読み切ることを優先して、積読になっていた本やこれは良い!と紹介されている本をどんどん読んでみました。

読み方は「一冊でひとつ学ぶことがあればいいや」くらいのライトな感じです。


そうして読んだ中に、ビリーバビリティを上げるヒントがいくつも見つかりました😃💡


その後は、お絵描き仲間から聞いた「動きのある動物の絵を描くのに参考になるもの」を恐竜に応用!

①フィギュアで見え方を確認

②他の人の描き方のコツを学ぶ

 (ロレンツォの本が分かりやすくて役に立った!)

③ジェスドロ

 (ジェスドロ=人体って勝手に思い込んでいたけど、動物でやってもいいんだ!

目から鱗でした💡

ジェスドロの資料にするのなら、やっぱり動きが感じられるものを選んだ方が良いなと気付いて、これまで図鑑ばかり参照していたところを映画ジュラシックパークシリーズの紹介雑誌などで恐竜ジェスドロを始めてみました)

ロレンツォの本↓

いわゆる描き方指南書なのですが、モノクロのいかにも海外コミックス、と言う感じの女の子や車が素敵で、イラスト集のようにパラパラ眺めて楽しんでいます。

春に続編が出るそうで、とても楽しみにしています❣️


これらを経て、改めて描いてみたところ…

ガーニー氏のリアルな恐竜とは違って、デフォルメした普段の私のタッチではあるものの、「生きてる感じのする恐竜」が!

描けましたー!😭✨✨

かわいいビリーバブル恐竜の誕生です🦖💕


これはこれで好きなので、同じタイプのデフォルメ恐竜も描きつつ、今後はガーニー氏のようなリアルでビリーバブルな恐竜にも挑戦していきたいなと思います。


終わり!

長〜い文を読んでくださってありがとうございました🐰❤️