腎不全について
ワンちゃん猫ちゃんにとっても、飼い主さんにとっても、獣医にとっても、非常に厄介な病気です。
この病気は突然起こるわけではなく、大きな症状を見せずに、徐々に進行していきます。
まず最初に症状として現れるのは、多飲多尿です。
ここで問題なのが、このように症状が出てきても、検査で証明できないことも多いという所です。
尿中のタンパクが増加するのが、検査として見つけられる一番最初の所見ですが、腎不全以外でも増えることがあったり、一度の検査では証明できない、などがあります。
血液検査検査でクレアチニンという物質が多くなってくれば、腎臓が弱っている確実な証拠になりますが、これが基準値を超えた時点で、腎臓の機能はすでに4分の1以下になっている状態です。
そして、明確な症状としての食欲不振、嘔吐が出てくるのは突然なことが多く、点滴や制吐剤により、一旦症状が改善される子もいますが、改善せずに、吐き気で餌が全く食べることができなくなってしまう子も多くいます。
ここまでになると、あとは延命治療として点滴を実施し続けることくらいしかできなくなることがほとんどです。
病院によっては腹膜透析といって、腹腔内に点滴をいれて、あとから抜くことで尿毒素を減らす、ということをやる所もあるそうですが、人での腹膜透析とことなり効果としては微妙なようです。
発見しにくい、治しにくい、症状がつらい、見てる方もつらいという厳しい病気です。
猫ちゃんでは、腎不全の進行を抑えてくれる新しい薬が昨年にできました。
高価ではありますが、腎臓の悪化がわかれば使用してみることもお勧めしています。
なんにしろ、怪しいと思ったら病院でチェックしてみるのも良いかと思います。
早期に発見して、進行を抑える治療を行っていってあげましょう。