論文等：有効な弁護を受ける権利と訴訟の構造・序説

土井政和先生・福島至先生古稀祝賀論文集『刑事司法と社会的援助の交錯』(現代人文社)に、掲題の論文を掲載させていただきました。

先行研究では、アメリカの裁判例の傾向と異なり、日本の裁判例においては、有効な(効果的な)弁護を受ける権利について、公判で弁護人が立ち会ってさえいればこの権利の侵害が認定されない傾向があると指摘されているところです（田鎖麻衣子「弁護人の効果的な弁護を受ける権利」一橋法学16巻2号(2017年)33頁以下など）。かねがねその点は、上訴の理由や訴訟の構造、歴史的な経緯が影響しているように思っていました（こちらでそのことを指摘した記録が残っていたり）。そのことを言語化し、今後取り組むべき課題を整理したものです。ご批判いただければ幸いです。

なお、上記の論文集には、刑事政策・刑事訴訟法・刑法の論文が多数収録されております。編集委員の先生方と担当編集者の方は調整・原稿の催促を含めていろいろと大変だっただろうと想像します。ありがとうございました。