デジタルとアナログツールを使い分け顧客に寄り添った現場進行を実施
ミス・トラブルが激減!スマート現場管理
現場で発生したミスやトラブルは、即クレームにつながりかねない。また、ミスやトラブルで工事がストップすると、工期が長くなる。すると粗利の低下も招いてしまう。スムーズな現場進行は非常に重要だ。各社の現場管理担当のスペシャリストに、アナログ、デジタル両面での運用術を取材し、効率的に賢く現場を管理する方法を探った。
デジタルとアナログツールを使い分け
顧客に寄り添った現場進行を実施
管理アプリ「ANDPAD」で業務効率化を図る一方で、複写式のペーパー「ことばの領収書」「追加・変更工事依頼書」「アフターサービス依頼書」を使い、顧客対応を行う感動ハウス。スピーディに確実な対応をするための、その運用法について聞いた。
顧客の利益を最優先に考えた社内システム
山形県全域を商圏とする感動ハウス。現場監督は6名おり、大まかなエリア分けをして、常時1人当たり15、16件のリフォーム案件を抱える。2、3日の短工期の案件なら毎日現場に顔を出し、1日平均5、6件の現場を1人で回っているという。
各人のスケジュールはカレンダーアプリで管理・共有し、施工はANDPADで管理するなど、効率化を進める。ANDPADの「施主共有」機能を用いて、施主に毎日の作業を写真入りで報告もする。だが、基本的に顧客対応は紙ベースとなる。
打ち合わせでは行き違いを避けるために、話した内容を必ず複写式の「ことばの領収書」に書いて顧客に渡す。「それでも現場で判断に迷うことが起きたら、『顧客の利益を優先』を基準にしています」と現場監督を取りまとめる荒井忠課長は語る。
同様に複写式で運用するのが、①赤の「追加・変更工事依頼書」と②黄色の「アフターサービス依頼書」だ。①は顧客から依頼があった際に書き、営業・現場監督・大工・積算・設計で回して、ANDPADにアップする。また、感動ハウスではアフターサービスはどの業務よりも優先し、1時間以内の返答としている。そのため、②は電話を受けた社員なら誰でも書ける仕組みをとる。ペーパーだと間違いが起きにくいのだ。
「満面の笑みは100点で、普通の笑顔は0点」が社内モットー。工事は自社職人が担当しトラブルを未然に防ぐなど、感動ハウスでは顧客に負荷のかからない現場進行を旨としている。
打ち合わせでは必ず「ことばの領収書」を発行して証拠を残す
感動ハウスでは「言った言わない」を避けるために、打ち合わせ時に必ず「ことばの領収書」を書いて渡す。3枚複写で顧客・営業担当・会社控え。他にも赤の「追加・変更工事依頼書」と社員全員が書ける黄色の「アフターサービス依頼書」を複写式のペーパーで運用。
お話をうかがったのは…
感動ハウス(山形県山形市)住宅事業部 工務監督 課長 荒井忠さん
10代で大工を経験後、観光バスの運転手として15年ほど働き、当時社長だった高橋会長の誘いを受けて感動ハウスに入社。現場管理に携わり現在21年目を迎える。供給目線ではなく顧客目線で顧客に寄り添うがモットー。
リフォマガ2021年9月号掲載
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