小久保まいさんユーフォニアムリサイタル
師匠の津堅先生から、トランペットとユーフォニアム(吹奏楽伴奏)のために書いたマルセル・ケンツビッチ作曲「Duo Concertante」をピアノ伴奏でできるように作ってほしいと連絡をいただきまして、ただ、僕はピアノアレンジは全然得意ではなく、管楽器へのトランスクリプション(原曲が壊れないようにしつつ、異なる編成で演奏できるように割り当て直すオーケストレーション作業)ばかりやっているので、どうしようかと考えて、東京音大同期の岩田恵子氏の存在を思い出しました。
岩田氏はYouTubeなどオンライン上でも積極的に配信しているのでご存じの方も多いかもしれませんが、彼女の持つ絶対音感と想像力でなんでもサササっと楽譜を作ることができてしまう天才(変態)です。お願いしたらすぐOKもらいました。
僕が元の吹奏楽編成の楽譜データに空白のピアノパートを作成し、そこへ岩田氏にどんどんピアノ伴奏譜を入力してもらうところまでやってもらい、その後また僕が浄書や細部の確認などをして完成。こんな作業をしたのですが、この楽譜を演奏されたのが先日11月11日(金)に開催された「小久保まい ユーフォニアムリサイタル」でした。
10年以上に渡って名古屋フィルのトランペット奏者として、その大半は首席として大活躍の宮本弦氏がゲストとして参加されることからつながった今回のご縁です。宮本くんは東京音大の後輩でもあり、学生の時から知っていますが、久々に会ったら見た目が何も変わっていなくて驚きでした。
学生の頃から素晴らしい演奏をしていましたが、ハンパない安定感でした。
ユーフォの小久保まいさんとは今回初めてお会いしましたが、演奏は映像や音源などで存じていました。艶やかなサウンドで流麗に歌い上げ、特にフォルテの演奏は非常に引き込まれるものがあり、大変勉強になりました。
リサイタル後半はマリンバ奏者で作曲家の加藤大輝氏による作品を本人のマリンバ演奏での共演でした。ユーフォニアムとマリンバの演奏というのを初めて聴きましたが、相性がとても良いのですね。プログラム最後はトランペットの宮本氏も参加しての「カラーズ 第一番」という作品で、これがとても聴きやすく、ぜひ機会があったら僕も演奏してみたくなりました。
東武東上線の中板橋駅近くにあるマリーコンツェルトという小さな会場は、ホームページでみるよりも奏者とお客さんの距離が近かったのですが、天井が高いこともあって金管楽器でも全然うるさくなく(今回の奏者の技量が十分に関係しているのだと思いますが)、とても良い雰囲気でした。
こちらのコンサートは今月25日に浜松でも開催されるので、お近くの方はぜひご来場ください。とても素敵なコンサートです。
偶然会場で会った数年前に東京音大のトランペットを卒業して今とても頑張ってる清川くんと宮本くんと3人で写真とりました。それぞれおよそ10歳ずつ離れてます(笑)
荻原明(おぎわらあきら)