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マヤ

三代目❤夢小説 『直己編30』

2018.03.22 13:40

俺は荷物を手に持ち、またあの竹林に立った




すると、小路の向こうから昨日のあの老人が真っ直ぐこちらへやって来た




「あ、昨日はどうも」




「おや?もう帰られるのかな?」




「はい」




「お客人はどこから来られたのか?」




「東京です」




「京都ではどこに滞在されてたのかな?」




「あ…太秦です」





「ここは嵯峨野の竹林じゃが…」






「え?…太秦の撮影所から少し歩いた所にある竹林ではないのですか?」





「…そうか」





「やはり化かされたようじゃな」







「どういう意味ですか?」





「今から200年ほど前は太秦にも沢山の竹藪があった」




「嵯峨野の竹林のように人によって手入れがされていない、文字どおりの鬱蒼とした竹藪での」




「俳句にも詠まれていた位、太秦の辺り一面竹藪に覆われていたそうじゃ」




「映画の全盛期に入り、太秦に撮影所の建設が決まり、周辺の竹藪が切り取られ、現在ではほとんど見ることが出来なくなった」







太秦には…竹藪がない?







つづく





夢小説ですが、直己さん目線でストーリーが進んでいきます。