永遠の命
https://ncode.syosetu.com/n1346bg/ より
永遠の命、それは永遠に続く生命。しかし、それは永遠であっても先はない。
これからの先の成長も、衰えも、傷も、癒えも何もかも忘れて永遠に続く。それは命ではない。生命ではない。
永遠とは死と同義ではないか、そう思えてくる。しかし、永遠と死は違う。永遠は続く。
続きの続き、先はない。終わりはない。死は終わりだ。終わる。誰かの心に残滓は残るだろう。しかし、それもいつかは消え、終わる。先が続き、終わりがない。永遠は未来亡き死。
私はそれが分かってなお、死を拒み、永遠を欲する。いや、永遠ならざる永遠が欲しい。
始まり、続き、終わり、また始まる永遠。私が欲しい永遠の命。紡げる命。死にたくない、終わりたくない、消えたくない。誰かに観測され続けなければ気が狂いそうだ。
誰かに観られ続けなければ自分がいるのかさえわからない。怖い。永遠はどこにあるのだろうか。それは神か。英雄か。偉人か。有名になれば死してなお忘れられることはない。
しかし、それは死だ。終わる。終わっている。
神話も英雄譚も偉人の逸話も、いつか本が閉じられるように終わる。
人の気まぐれで消え、閉じられ、開かれなくなった本はきっと消えるだろう。
私はその可能性が怖い。終わり始まる永遠。探して回る有限の命。
どこにある。私の命はまだ永遠ではない。見つけなければ、私は終わりたくない。私は探す、永遠の始まり、永遠の終わり。
探す。どこにある。東の国の人の蔵書から西の国の人の文献。永遠を目指した好敵手達の存在が私の行く先に必ずあった。しかし、好敵手はすでに朽ちた木の肥やしとなっていた。
私も終わるのだろうか。世界の人々は私を気が狂ったジジイと呼ぶ。誰も見なくなる。
きっと、見られなくなれば消えるのだろう。
2週間前のホテルの支配人の顔のように。観測され続けなければ消える。ついに私の命も終わりに近づいている。超新星爆発のように、観測者どもが私に集まってくる。
私が終わると同時に霧散していくのだろう。散り散りに、私の記憶は消えてしまうのだろう。知っている。私は終わる者たちを見てきた。父、母、兄、恋人、娘。皆、終わり消えて行った。観測しているのは私だけだ。
私が消えればもう誰も覚えていない。最後に私を観測しているのは冷たい機械。
弱まる心音を観測している。世界の端の小さなベッドで私は終わった。
ここはどこだろう。わからない。しかし、温かい。いや、熱い。苦しい。分からない。狭い。
助けて、出たい。叫ぶ、出たい。叫ぶ、助けて。やがて、ひどい息苦しさと共に外に出る。
体が軋む。痛い。叫ぶ、痛い。やがて、月日は経ち、私はふと気づく。始まったのだと。
永遠の命に憧れる。でも、みんな永遠の命なんていらないという。
死なないのはすごいと思うんですけどね。永遠の生きられるのはすごいと思うんですけどね。そういうとみんな「うえ、何言ってのこいつ…。」みたいな顔をします。
永遠に生きられたら辛いだけだと大人は言います。ですが、私は知っています。
辛いこともありますが、楽しいことだってこの世の中起こります。
これから起こるかもしれない楽しいことを死んでしまうだけのことで知れないなんて、人生損してます。だから、私は永遠に生きたい。そう思います。
やっぱり、みなさん「うえ、何言ってのこいつ…。」と思いますか?
http://www.sampoh.co.jp/takahashikeiko/books/eiennnoseimei.html 【永遠の生命 -リアルな生そのものへ-】 より
内なる「永遠」の扉を開くとき、あなたの中で何かが始まる。
20世紀の世紀末を迎えている今、多くの現代人は言い知れぬ虚無感、不充足感、空洞感を抱えて日々を生きている。どうしたら誰もが時代の束縛を超え、閉塞状況から自由になれるのか――。高橋佳子氏は本書を通して「私たち一人ひとりが『永遠』に根ざして生きること」を提言している。永遠の次元と接触するとき、自分が一体何者であり、どこから来てどこに還る存在なのかを、一瞬にして思い出す。それは魂が震えるほどの至福の瞬間――そう熱く訴えかける本書は、「永遠」のまなざしを恢復させ、あなたを魂再発見の旅へと誘ってくれるに違いない。
目次
はじめに
第一部 永遠の生命とは何か
第一章 世紀末分水嶺 第二章 永遠の証明
第二部 永遠の生命としていかに生きるべきか
第一章 魂の原理・自我の原理 第二章 永遠の生命として生きるとき
内容の一節
人間存在の根底に横たわる永遠の次元との接触をもつとき、誰もが、自らの生命の真実を思い出します。私たちは一体何者であり、一体どこから来て、どこに還る存在なのか。言葉にならなくても一瞬にして、間違いなく絶対の真実として実感してしまうのです。それはまさしく、人生のすべてを引き換えにしても惜しくないほどの至福の一瞬です。(「はじめに」3頁)
愛読者の言葉
・ すばらしい本に出逢いました。一気に読ませていただきました。これからも私自身の心のみがき方や生き方について、内面世界をもっと知りたくなりました。
(48歳女性・主婦)
・ この本を読んでから、人生観、ものの考え方がすべて変わりました。心の栄養剤、精神安定剤としていつも身近に置いています。
(50歳女性・不動産管理業)
・ 本書を読んでみて、私の生き方は「自我の原理」によって生きてきたことがはっきりとわかりました。これからは「魂の原理」によって生きていこうと思います。
高橋 佳子(たかはし けいこ)
1956年、東京生まれ。現代社会が抱える様々な課題の根本に、人間が永遠の生命としての「魂の原点」を見失った存在の空洞化があると説き、その原点回復を導く新たな人間観・世界観を「魂の学」として集成。誰もが、日々の生活の中でその道を歩めるように、実践の原則と手法を体系化している。
現在、「魂の学」の実践団体GLAを主宰し、講義や個人指導は年間300回以上に及ぶ。あらゆる世代・職業の人々の人生に寄り添い、導くとともに、日本と世界の未来を見すえて、経営・医療・教育・法務・芸術など、様々な分野の専門家への指導にもあたる。魂の次元から現実の問題を捉える卓越した対話指導は、まさに「人生と仕事の総合コンサルタント」として、各方面から絶大な信頼が寄せられている。
1992年から一般に向けて各地で開催する講演会には、これまでに延べ130万人を超える人々が参加。主な著書に、『運命の逆転』『未来は変えられる!』『魂主義という生き方』『1億総自己ベストの時代』『希望の王国』『魂の発見』『新・祈りのみち』『あなたが生まれてきた理由』
(以上、三宝出版)ほか多数。