【第656回】丸林孝太郎(俳優)
生き方としての俳優
初めまして、東京で俳優をやっている丸林孝太郎です。
福岡で声優を目指し、演劇に触れ、今は映像を中心に活動している自分が、東京で出会った演技の先生である金世一さんと、福岡で台詞の無い「沈黙劇」を創作している。
自分の事ながら、奇妙な「歩み方」をしてきたなぁ。
と思うわけです。
さて、俳優という事柄に触れて約12年、様々な俳優に出会ったり、様々な壁にぶつかったりして、思う事があります。
それは、俳優とはどんな芸術家なのか?という事です。
俳優は殆どの場合、他者と創作したり、他者の作品の中に入る事で芸術活動を行います。
自作自演しなければ、自分の思想だけの作品を作ることはありません。
では俳優は、演劇製作や映画製作に参加しなければ「芸術活動」をして「作品」を作れないのでしょうか。
私の考えでは、俳優の活動の根幹にあるものは「演技技術の向上と自身の世界観を洗練させ、拡張させる」ことだと思います。
つまりは、「自分自身を磨き続けること」こそが、俳優としての芸術活動そのものであり、俳優自身が「作品」そのものである。そして、自身を俳優と自認しながら歩み続ける「人生」自体が、「俳優の芸術活動であり作品そのもの」と考えています。
この考えは恐らく、「ビジネス俳優=俳優」という認知が一般的で、出演が出来ない事や俳優としての歩み方が分からず、悩み迷い、自分自身を傷つけて辞めて行った俳優を見てきた事や、不器用ながらも「俳優だけは、」と意地になって歩み続けてきた自分をなんとか肯定する為に編み出した、現時点での一つの答えなのでしょう。
今回の「水の駅」は金世一さんの俳優訓練法「SEIL'S」に基づいて作られています。
その厳しい身体訓練を通して、自分の身体の癖と心や思考の癖を見つめ続けながら、自分という「作品」を作り続けている共演者の姿を見て、この考えがより自分の中で強くなりました。
去年の福岡公演〜現在の凱旋公演まで、総計約3ヶ月。
それぞれの俳優が、今までの自分の歴史を見つめ、整えたり許したり、新たな自分の価値を発見しながら、雲の様に変化し続けていく。
「水の駅」という作品を楽しむと同時に、それぞれが自分に向き合いながら作り続けた「俳優」という作品も大いに楽しんでいただけたら幸いです。
InlanDimensions International Arts Festival 2022, photo by Tobiasz Papuczys
「水の駅」 2022 POLSKA⇨FUKUOKA
2021年9月
コロナ禍の中開催され盛況の中幕を下ろした『水の駅』2021・FUKUOKA
そして、2022年…
さらにブラッシュアップされた「水の駅」がポーランド公演を経て福岡に凱旋!
【ポーランド公演】
InlanDimensions International Arts Festival2022招聘参加
SEAMI & Arts Management Center Fukuoka produce
『The Water Station』
日時:2022年10月6日(木)・7日(金)19:00開演
会場:Instytut Grotowskiego, Piekarnia(ポーランド・ヴロツワフ、グロトフスキ研究所)
InlanDimensions International Arts Festival2022
【福岡公演】
日時: 2022年 11月17日(木)17:30開場、18:00開演
11月18日(金)14:30開場、15:00開演
※上演時間約2時間30分(休憩なし)
会場: ももちパレス 大ホール(福岡市早良区百道2-3-15
料金: 一般 前売3,500円/当日4,000円
U25 前売2,500円/当日3,000円
※全席自由
チケット取扱: ローソンチケット https://l-tike.com/ (Lコード:81573)
TIGET https://tiget.net/
お問合せ: アートマネージメントセンター福岡 070-3258-4941
mizunoeki.fuk@gmail.com
【丸林孝太郎 出演情報】
映画『あの娘は知らない』井樫彩 監督 順一 役
福岡上映館 KBCシネマ 近日公開
映画『あの娘は知らない』
映画『息ができない』冨樫森 監督 関浩一郎 役
クリスマスイベント上映会
2022年12月24日
会場 横浜シネマノヴェチェント
14:00〜上映
15:45〜休憩
15:55〜トークショー(冨樫森監督・白木孝宜・村上真衣が参加)
17:30〜サイン会&撮影会
18:00終演予定
料金:前売り2500円 当日3000円
終演後、監督・キャストを交えてどっぷり語り合う一日限りのクリスマス会!
クリスマス会費:3500円
(フード+指定ドリンク3杯付き)
映画『息ができない』
横浜シネマノヴェチェント