in the 地獄

音響のコツ(ガムテープ編)

2018.03.23 23:17

音響、というよりはステージイベント全般で、ないと困る必須アイテム、ガムテープ。

舞台関係の仕事をしている人ならその重要度を分かってくれるはずです。


音響での用途は主に、

1…演者の立ち位置、機材の置く位置の印

2…ケーブルの整理、保護

の2点です。


【1 …演者の立ち位置、機材の置く位置の印】

例えば演者がステージ袖からどーん!と走って出てくる場面があるとします。

しかしステージ上は常に明るい訳ではないですし、勢いに任せて本当の立ち位置からズレてしまう可能性もあります。

そんな時に、リハーサル時点で決まった立ち位置にガムテープを貼っておく。

このことを業界用語で「バミり」と言います。


演者がそのバミってるところに立てば、リハーサル通りの立ち位置に立てるということです。

機材も同じ。例えばステージの進行上、途中からマイクを立てなければいけない場合、リハーサルと違う場所に立ててしまうとリハーサルをやった意味がありません。音変わるし。

また「ここかな?ここだっけな?」とまごまごしていると進行自体が遅れてしまいます。

なのでマイクスタンドを立てていた位置をバミっておけば、スムーズに準備が進む出来るのです。


【バミりのコツ】

まずガムテープは布テープじゃないといけません。これは絶対です。

というのは、紙テープだと撤収の時、キレイに剥ぐことが出来ないからです。

誰しもが経験あるであろう、シール跡をキレイにするめんどくささ。

ましてや音響は基本的に借りているステージで行うものです。「キレイに剥げないのでこのまま帰っていいですか?」なんて言った日には会場出入り禁止です。

なので、剥ぎやすい布テープ一択。


ビニールテープでバミる方法もありますが、僕はビニールテープの粘着力に信用が置けないので使いません。

剥ぎやすいテープの代表格であるマスキングテープなんて以ての外です。

ちょっと踏んだだけで剥がれてしまいます。


次にガムテープの色が重要になります。

音響で使うガムテープは主に茶、黒、白です。

これはステージの材質によって使い分けます。

例えば木で出来たステージに茶色のガムテープを使うと目立ち辛く、ステージがキレイに見える分、目印としてはちょっと見えにくくなります。

黒のガムテープを使うと目立つので立ち位置は分かりやすくなりますが、ステージ上が散らかって見えます。

これは演目によって使い分けるのが良いです。


バンドが入れ替わり立ち替わりのライブイベントならしっかり色分けした方が機材の配置が分かりやすくなり進行しやすいですし、舞踊のような地明かりでやるイベントならガムテープが目立たない方が美しいでしょう。

場面場面での使い分けが肝心です。


【2 ケーブルの整理、保護】

特にバンドのライブだとステージ上をケーブルが組んず解れつ行き交うことになります。

そのままだとまずステージの見た目が汚くなりますし、演者が足をひっかけてコケる可能性もあります。

なので人が通る道(動線)をなるべく避け、ガムテープで固定してまとめなければいけません。

また、足をひっかけてしまった時、固定していないとケーブルが引っ張られ、ケーブルの端、機材と繋がっている部分が破損するケースもあります。

なのでケーブルを整理してガムテープで固定することは、機材の保護にも繋がるのです。


この2点が音響におけるガムテープの有用性です。


【ガムテープ選びのコツ】

昔、ガムテープを忘れてしまって近所の100均で調達したことがあります。

イベントは無事終わり、さあ撤収だとケーブルを固定していたガムテープを剥ぎました。

するとガムテープの粘着部分が溶けて、ケーブルにべったり付いてしまっていました。

ケーブルのバミりというものは、人が通る場所はケーブル自体を覆うように5mぐらいビャーっと留める場合があります。

その部分も全てべったべたになりました。


ちなみに雑巾で拭いてもベタベタは取れません。

根気よく何回も何回も拭き直して、なんとか実用に耐えられそう、程度にしか復活しませんでした。

なのでガムテープはちょっと割高でもホームセンターにあるようなものをオススメします。

僕のオススメメーカーは「オカモトテープ」です。大体どのホームセンターにも売っているので手に入りやすかったです。


100均のガムテープのように溶けてしまうものとそうでないものは、テープをよく観察すればなんとなく分かります。

茶色部分がつるつるしていて、粘着部分が白いやつは注意です。

茶色部分に繊維が見えていてデコボコしているやつは安心できます。


【小ネタ】

ガムテープでケーブルを固定する際ですが、90度以上の角度でケーブルの曲がり角を長時間固定するとケーブルの芯が痛む可能性があります。

なので角を止める時はくるっと一周輪っかにしてから止めると、90度以上でも緩やかにカーブした状態を保ってくれますよ。

こんなところで。

ガムテープ編でした。