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藤田晋 invitational RTDリーグ

ロボ小林の誤作動!?佐々木とたろうのホンイツ手順! RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 17-18回戦、BLACK DIVISION13-14回戦レポート

2018.03.25 10:00

3/19(月)および3/22(木)21:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ2018 WHITE DIVISION 17-18回戦およびBLACK DIVISION 13-14回戦の様子をお届けします。

レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。


▼▼▼BLACK 13回戦:ロボ小林、誤作動がありつつも重要局面では正常運転▼▼▼

安定した成績でトータル2位につける小林が、いきなり意外な手順を見せる。

お気づきだろうか。

北家の小林が、北をポンしていないのである。

これは面白いなと思って見ていたのだが、鳴かなかったのはただのうっかりだと言う。

小林「7mからチーすれば自然にホンイツになるかな〜とか考え事してたら、もっと大事な北を鳴き忘れた」

とのこと。

決して感情を表に出さず、淡々と正確な手順を続けることからロボと評される小林だが、そんな麻雀ロボ小林でもミスはある。


すると、次局でも意外な打牌。

3pを引いた小林は、ここから9mを打つ。

これまたおかしい。

そもそもこの手牌からの打9mが他の選択肢に劣るのではないかというのは元より、ここで打9mとするなら前巡に打った6pとの整合性が取れないからだ。

では、何を切ればいいのかというと、7m、8s、2p辺りに絞られそうなところ。

【7m】 安全度の高い8m9mを残しながら5ブロックに構えて真っすぐアガリを目指す。6mを引けば三色も追える。

【8s】 安全度の高い8m9mを残しながら5ブロックに構えて真っすぐアガリを目指す。三色はなくなるが、中をポンしたときに必ず両面テンパイになるのが強み。

【2p】 保留の1打。6ブロックに構え、中ポンにも、7s引きのピンフにも、三色にも対応できる。


前巡に打6pで6ブロックに構えたのであれば、ここでも2pで6ブロックに構えるのが自然に見えるが、上記3牌であれば何を切ってもいいように思える。

ただ、前述の通り、9mだけは前巡に打った6pとの整合性が取れない。

ここで9mを切るぐらいなら、前巡に9mを打っておき、1アンコ3トイツでトイツ手の可能性を残した方が良さそうだからである。

これも小林に理由を尋ねたのだが、その回答が意外だった。

小林「7m切りがいい気がするけど、9mはなんで切ったかわからん( ̄▽ ̄;) 9m切りはトイツ・コーツ好きなシロウトの打牌だね」

なんと、これもミスだったのである(笑)

仕掛けが利く手牌だけに、仕掛け巧者の小林にしては珍しい手順ミスに見えたが、なんとこの手順が最速最高打点に仕上がってしまう。

小林の順風度合いを表すかのようなアガリである。


しかし、こんな誤作動がありながらも、やはり超重要局面では正常運転に修正してくるところはさすが。

小林は、軽快に中をポンした5800でトップ目に立つと、南3局でもこのテンパイ。

4mが4枚見え、6mが3枚見えで5mは絶好の狙い目だが、小林はそれを拒否して2枚切れの西単騎に受けていく。

小林「5mも絶好だと思ったけど、後に危険牌を引いたときに安全にテンパイを組めるよう、打ちやすい西に受けた。西でもアガりやすいしね」

すると、正にその言葉通り、打ちにくい生牌の東を掴むと、安全な西を打って東単騎に受け替え。

そして、テンパイを維持しなければならないオヤの村上から、ホウテイで8000を打ち取った。

ミスはありつつも、重要な局面では正確な手順を打ち続ける小林。

順風にも乗り、首位に返り咲いた。


▼▼▼BLACK 14回戦:松本、念願の初トップ!▼▼▼

ここまで惜しいところで逆転される展開でノートップの松本だったが、オヤでこの12000をアガると、今度はトップを守り切った。

あまりのうれしさにこの表情。

他のプレイヤーと比べると実績ではどうしても劣ってしまう最年少の松本には、今期で負ければ次がないという意識がある。

そういう気持ちも汲めば、それはそれはうれしいトップだったろう。

本当にうれしいだろうな、うれしいよな。

まっちゃん、おめでとう!ここから反撃開始だ!


▼▼▼WHITE 17回戦:ホンイツ評論家佐々木の隠れたホンイツ手順▼▼▼

まっすぐに打ち進めてリーチをかける印象が強い佐々木だが、ホンイツ評論家と自称するように、ホンイツ手順も実にうまい。

トップ目で迎えた東4局オヤ番。

真っすぐに進めるなら西から字牌を切っていくところだが、佐々木の選択は打8p。

これは、ホンイツをメインに睨んだ手順といえるだろう。

ペン7pを残すより、役牌の重なり期待でホンイツを見据え、安全度の高い字牌を残した方がいいという判断。

仮にホンイツにならなかった場合でも、安手はあまり要らない点数状況であるため、ドラ1pからの1メンツを想定すると、6mから1メンツ、ソウズで2メンツ1雀頭が見込めるため、ペン7pは構想から外してよい。

そして、ピンズが伸びてこの形になったところからまっすぐに字牌を打ち出していき、リーチツモウラ1で2600オール。

アガリ形はホンイツではないが、打点と安全度を兼ねた絶妙なホンイツ手順で決め手を作り、佐々木が連勝を重ねた。


▼▼▼WHITE 18回戦:もう1人のホンイツ評論家たろうのホンイツ手順▼▼▼

「おれもヒサトに負けないぐらいホンイツにはこだわりがあるよ」とは、たろうの弁。

さて、この手牌から何を切ろうか。

トップ目であることを考えれば、1枚切れの發を切っておき、仕掛けた東のみというのが無難な進行に見える。

ところが、たろうの選択は打3p。

この手牌、たろうにはマンガンに見えている。

すなわち、西か發を重ねた役役ホンイツである。もしくは遠くの小四喜までか。

そして、オタ風の北を1枚目から仕掛けていくと、和久津のリーチ一発目にテンパイを果たし、猿川の7sを捉えた。

トップ目とはいえ、2着目とわずか100点差であったため、ほしいのは決め手になり得る打点。

そういう状況も考慮したたろうが、凄まじい想像力でホンイツを実体化した。


すると、オヤ番でダマテンに構えて高目を一発ツモ。

2600オールでトップを決めた。

これは、ダブ南をポンしている下家猿川の現物4pが狙い目になっていること、猿川に対してドラの4mを打たずに振り替えられること、によるダマテンである。

ただし、ここで考えるべきは、この手をダマテンに構えてアガりやすさを追える状況にしたのは何かという話である。

その状況を作り出したのは紛れもなくさきほどのホンイツであり、もしあれが1000点だったらこの手をリーチでギャンブルに出るしかなかった。

見事なホンイツ手順でトップを取ったたろうと佐々木が、プラスを上積みして3位以下を引き離し、3節目を終えている。


鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)

■次回3/26(月)21:00からWHITE DIVISION 15-16回戦をAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定