Fille arc-en-ciel(フィーユ アルカンシエル)
【Fille arc-en-ciel(フィーユ アルカンシエル)】
♂1人 ♀1人 計2人
~25分
代永 隆道(しろなが たかみち)
♂ 17歳 主人公
田村 早希(たむら さき)
♀ 17歳 ヒロイン
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隆道 ♂ :
早希 ♀ :
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早希「ごめんねっ、待った?」
隆道「いや、俺もさっき来たとこだよ」
早希「ほんと?」
隆道「疑い過ぎだって。それより、その私服もすごく可愛いね。いつもの制服とはまた違って、すごく良いよ」
早希「えっ、あ、ありがと・・・。そんな風に言われると照れちゃうよ・・・」
隆道「それで、まずは何買うんだっけ?」
早希「ちょっと待ってね、リストにまとめてきたんだー。それにしてもみんなひどいよね。転校してきたばっかりのたか君に買い出し任せるんだもん」
隆道「いや、俺は田村さんの付き添いで荷物持ちだけだから。気にしなくていいよ」
早希「ほんと、たか君は優しいなぁ」
隆道「買う物はこれで最後かな?」
早希「ちょっと確認するね。・・・うん。大丈夫みたい」
隆道「思ったより時間かからなかったな。それに、この辺りの店も覚えれたし」
早希「あ、そっか。じゃあ時間もあるし、どこか行ってみたいところとかある?私が案内してあげるよ!」
隆道「いいの?じゃあ・・・、田村さんおすすめのお店とかある?カフェとか」
早希「おすすめかー・・・。あっ、じゃああそこかな」
隆道「おぉ・・・、なんか意外」
早希「え、ごめん。気に入らなかった?」
隆道「いやいや、そうじゃなくって。もっと可愛かったり女の子らしいお店とか想像してたから。喫茶店って感じで落ち着いてて、俺はすごく好きな感じだよ」
早希「よかったぁ。ここね、私のお気に入りなの」
隆道「よく来るの?」
早希「部活が無い日は結構来るかな。私の家こっちのほうだからさ」
隆道「へー。なら俺も、これから時間ある時とか来てみようかな」
早希「うんうんっ。あ、でね。おすすめはこの特製コーヒーゼリーだよ。何回食べても飽きないのっ」
隆道「コーヒーゼリーかぁ。じゃあ・・・せっかくだから食べてみようかな」
早希「うんっ。気に入ってもらえたら嬉しいな♪」
隆道「そっかー、田村さんも転校組だったんだね」
早希「中学生の時だけどね。あと小学生の時にも一回かな」
隆道「辛くなかった?」
早希「それはもう、すっごく泣いたよー?親友とか幼馴染とかいたもん」
隆道「そーだよね」
早希「でも、手紙書いたり、スマホ持ってからはSNSとかで話してるからもう寂しくないけどね。たか君は?そーゆー友達いないの?」
隆道「んー・・・、居ないかな。ずっと転勤族だったからさ。あんまり深く仲良くして来なくて」
早希「あ、そーだったんだ・・・。また転校するかもしれないの?」
隆道「いや、もう無いかな。今両親海外に行ってるんだよ。流石にそれは着いていけなくて、今は親父の地元だったここで一人暮らしってわけ」
早希「海外っ!?すごいねぇ・・・。そっかー、一人暮らしなのか。すごいなぁ・・・」
隆道「近くに親戚も住んでるから、いろいろと助けてもらってるけどね」
早希「たか君って料理とかもできるのかな?器用そうだもんねー」
隆道「まぁ、普通ぐらいじゃないかな?」
早希「あっ、うーん・・・えーっと・・・どうしようかな・・・」
隆道「どうしたの?」
早希「えっとね・・・、お願いできないかなって」
隆道「お願い?」
早希「私にね、料理を教えてほしいの・・・」
隆道「え?教えるって」
早希「ごめんっ、迷惑だよね。気にしないで」
隆道「いいよ。別に教えるぐらい、迷惑とかないよ」
早希「ほんと・・・?ほんとにいいの?」
隆道「あ、でも、そんなにうまいわけじゃないよ?最低限できるってだけで」
早希「ううん・・・。私ほんとにダメダメで・・・」
隆道「そんなにひどいの?想像できないや」
早希「引いちゃやだよ?・・・その、茹で卵作ろうと思ったら、マヨネーズになっちゃうぐらいだよ」
隆道「っ・・・ちょっとまって。ごめん、予想外過ぎてどう反応していいか分からなかったよ」
早希「だから引かないでねって前置きしたじゃん!」
隆道「大丈夫だって、引いてないよ。ちょっとビックリしただけ。それで、何か作れるようになりたい料理とかはあるの?」
早希「んー・・・。たか君は、何か好きな料理とかある?」
隆道「俺?んー・・・そーだなぁ・・・。子供っぽいけどハンバーグかな」
早希「美味しいよね!ハンバーグ!中にチーズとか、肉汁がじゅわぁって出てくるのもいいよね!」
隆道「食べるの好きなんだねー」
早希「っ///・・・うん、好き」
隆道「彼氏とかに食べさせたいのかなって思ったけど、自分で食べたいから作りたいのかな?あはは」
早希「か、彼氏なんていないよっ!」
隆道「そーなんだ。でもモテるでしょ?」
早希「それは・・・、告白されたことはあるけど・・・」
隆道「好きな人とかいないの?」
早希「も、もう!恥ずかしいからだめ!この話禁止っ!」
隆道「ごめんごめん」
早希「もぅ・・・」
隆道「変わりにってのもおかしいけど、ちゃんと料理は教えるからさ」
早希「絶対だからね、約束だよ?」
隆道「うん、約束します」
早希「お願いします、先生っ!」
隆道「先生ってww」
早希N「早希ルート第3章クリア。早希の好感度が上がったよ♪新しいエピソードが公開されました。新しいCGを獲得しました。おまけエピソード4が公開されました」
早希「お邪魔しまーす・・・」
隆道「そんな緊張しなくても、一人暮らしだから誰もいないよ?」
早希「えー。そっちの方が危険な気がするなー?」
隆道「そんなこと言う?じゃあ、帰ってもいいんだよ?料理も教えれないなー」
早希「むー!たか君のばーか!」
隆道「先に言ってきたのは田村さんでしょ」
早希「ごめんってばー。たか君そんな人じゃないって信じてるよ」
隆道「はは。釘刺されちゃったな」
隆道「あとは、ソースをかけて・・・」
早希「できたー!」
隆道「無事に完成してよかったー・・・」
早希「ごめんなさい・・・」
隆道「あぁっ大丈夫だよ。田村さんがダメとかじゃなくて、もっと教え方が上手かったらなって思っただけだから」
早希「ううんっ!たか君、いやっ、たか先生は凄く教えるの上手です!」
隆道「ありがと。とりあえず、食べよっか。冷めちゃったらもったいないもんね」
早希「うん。お昼ご飯・・・じゃなくて、おやつって時間だけど、食べよっ」
隆道「食べてていいよ。水持ってくるよ」
早希「あ、それぐらいは私が・・・。じゃあお言葉に甘えて・・・いただきます」
隆道「どう、かな?」
早希「んんーっ!すっごくおいしい・・・、これ私が作ったんだよね?」
隆道「そーだよ。田村さんが作ったんだよ。じゃあ俺も。いただきます」
早希「どう・・・かな?」
隆道「んんっ!すごくおいしいよっ!」
早希「ほんと?」
隆道「ほんと、すごくおいしい。これで一人でもできるね」
早希「うーん・・・できるかなぁ?でもまだこれしかできないよ?」
隆道「料理はそんなに難しくないよ。田村さんなら、レシピあればすぐ出来るようになるよ」
早希「迷惑だったかな・・・?ごめんね、無理言って」
隆道「い、いやっ。そんなことはないよ。そーゆー意味じゃなくって」
早希「じゃあ、また来てもいい?」
隆道「え・・・」
早希「料理、教えてくれる?」
隆道「うん・・・、俺でよければ」
早希「お願いしますっ、先生♪」
早希N「早希ルート第4章クリア。早希の好感度が上がったよ♪新しいエピソードが公開されました。新しいCGを獲得しました」
早希「ごめんねっ、待った?」
隆道「いや、俺もさっき来たとこだよ」
早希「ほんと?」
隆道「疑い過ぎだって。ってこの会話毎回やってるよww」
早希「ふふっ、そーいえばそーだね」
隆道「じゃあ、行こうか」
早希「うんっ」
隆道「高校生二人です。はい、ありがとうございます。はい、これ田村さんの分ね」
早希「あ、ありがと」
隆道「動物園なんて久しぶりだなぁ。小学校の遠足以来かも・・・」
早希「そんなに昔なのー?あ、でも私も2年前に家族と来たのが最後かな」
隆道「じゃあ今日は思いっきり楽しまなくちゃねっ!何から見る?」
早希「うーん・・・ペンギンも好きだし、シロクマもいいよね。あっ、ふれあい広場もあるみたいだよっ」
隆道「あはは。じゃあ、順番に見ていこうか」
早希「うんっ」
隆道「つかれたぁ・・・」
早希「むー・・・」
隆道「意外だったなぁ。田村さんって動物に好かれそうなのに」
早希「どーせ私は性格悪いですよーだっ!」
隆道「えーww、なんでそうなるのさー」
早希「だって言うでしょ?動物は人間の本性がわかるーとかって」
隆道「そーなのかなー?」
早希「たか君は凄かったねー。動物まみれで見えなくなってたもんww動物の山だったよww」
隆道「あれはホントに死ぬかと思った・・・。あ、でも田村さんにも一匹来てたじゃん」
早希「うんっ!あの子は良い子だよ。もふもふころころしてて可愛かったー」
隆道「だね、可愛かったね。んー・・・もうお昼過ぎてるし、少し休憩してから残り回ろっか」
早希「そーだね。じゃあ・・・じゃっじゃーん!早希ちゃん特製、スペシャル弁当なのですっ」
隆道「おぉ・・・。自信のほどはっ!」
早希「大丈夫!今まで教えてもらったこと、ちゃんとできた気がするっ!」
隆道「じゃあ、いただきますっ」
早希「・・・・・・」
隆道「すっごくおいしいっ!卵焼きもちゃんと巻けてるし!からあげにハンバーグ、味も最高だよっ」
早希「良かったぁ・・・」
隆道「田村さん、ここまでよく頑張りました。合格ですっ!もう先生を超えました。教えることはありません!これからも料理を楽しんで頑張ってください!」
早希「やった・・・。頑張ってよかったぁ・・・」
隆道「んんっ、ほんとに美味しい・・・。もぐもぐ」
早希「あ、あのね・・・」
隆道「ん?どうしたの?田村さんも食べなよ?凄くおいしく出来てるよ」
早希「たかみちくんっ。私ね・・・、今日合格もらえたら言おうと思ってたことがあるの」
隆道「・・・うん」
早希「えっと・・・、その・・・あの、ね・・・。あー・・・もう、決めてたのにいざ言おうと思うと凄く緊張する・・・」
隆道「・・・」
早希「すー・・・はー・・・。あのね!私は隆道君が好きです。これからは先生じゃなくて、私の彼氏になってくださいっ」
隆道「はい、お願いします」
早希「ほんと・・・?よかったぁ・・・」
隆道「ふふふっ」
早希「もう、何笑ってるのさー」
隆道「いや、可愛いなって」
早希「バカっ!すっごく緊張したんだよ!?」
隆道「うん、ありがとう。俺もね、田村さんが言わなかったら今日言おうと思ってた」
早希「え・・・ほんとに?」
隆道「まぁ・・・うん」
早希「じゃあ言って。なんて言おうと思ってたの?」
隆道「えー・・・」
早希「言ってよー・・・良いでしょ?だって、まだ好きって聞いてないもん・・・」
隆道「分かったよ。えっと・・・、クラスの人気者でみんなを引っ張ってる姿や、料理を頑張ってる姿、いろんな田村さんを見て、好きになってました。付き合って・・・ってもう付き合ってるのか・・・えーっと、大好きですっ」
早希「えへへっ・・・ありがと」
隆道「これすっごく照れくさいね・・・」
早希「でしょー?」
早希N「Fin。新しいCGを獲得しました。クリアCGを獲得しました。おまけエピソード20、21、22が公開されました」
隆道「うーっす、お疲れー」
早希「あ・・・、たか。お疲れ」
隆道「なんだよー、冷たいなー。何度もあんな仲になったって言うのにさー」
早希「何度もなったからでしょ。それに、私が好きなのはあんたじゃないの、シナリオだから仕方なくだよ」
隆道「ったく、まーだそんなこと言ってんのか?」
早希「うるさい。あんたには関係ないでしょ。誰があんたみたいな浮気男、好きになるもんですか」
隆道「はぁ?それこそシナリオだろーが。恋愛シミュレーションゲームってのはそーゆーもんだろ?いろんなヒロインが居て、ルート選んで攻略してくっていうさ」
早希「はいはい。じゃあ他の女の子のところ行ったらどうですか?」
隆道「つーかさ・・・、あんま言いたくねーけど、お前の好きな人の方が浮気野郎だろ。いろんな女の子見てんじゃん」
早希「・・・それは」
隆道「俺がいろんな女の子と話すのだって、あいつが操作してるんだぜ?」
早希「・・・でも、私だけ5周もしてくれたよ?」
隆道「まぁ、それはハマってたみたいだな」
早希「うん・・・」
隆道「でも、今じゃ新作ゲームに夢中・・・だぜ。所詮俺たちはゲームのキャラだ。与えられた役割を果たしてればそれでいいんだよ」
早希「でも・・・、私は好きなの・・・。初めて会った時のあのキラキラした眼が。ゲームなのに、シナリオなのに、私のことちゃんと思ってくれて、私の言葉に一喜一憂してくれる・・・。そんな彼が大好きなのっ」
隆道「はいはい・・・」
早希「私・・・諦めないから・・・」
隆道「お、おいっ・・・。諦めないったって、無理に決まってるだろ・・・」
早希「あとは・・・これを・・・。できた・・・これで!」
隆道「おい、早希?何やってんだよ?」
早希「やっと見つけたの!私の思いを伝える方法!」
隆道「こ、これって・・・」
早希「うんっ、これでちゃんと彼に会える」
隆道「お前!何しようとしてるのか分かってるのかっ!?」
早希「分かってるよ」
隆道「そんなことしたらこの世界が消えるんだぞ!?」
早希「うん。でも、こうしなきゃ彼の住む世界には行けないから」
隆道「行ってどうする!この世界が消えて、ゲームが消えて、あいつの記憶からも全部消えるんだぞっ」
早希「知ってるよ。でも、私は忘れない」
隆道「そんなの絶対間違ってる・・・。上手くいくはずない」
早希「ごめんね。でも決めたから。今度は私が彼を攻略するだけだよっ!」
―――ピーンポーン
早希「あ、えっと・・・あの・・・。隣に引っ越してきた、田村早希ですっ!あなたに会いたくて来ちゃった♪」