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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

【塾物語】お土産

2015.12.21 04:30

「親が持ってけってうるさいから」

修学旅行帰りの高校二年生が教室にお土産を持ってきてくれた。

「どこ行ってきたの?」「火星」

つまらない冗談と共に、悪戯な笑顔を見せた。

そうか、君とももう4年の付き合いになるのか。


最初の出会いは、ハロウィンの日だった。

その日、教室ではハロウィン会が行われていて、

マントを着て仮装をしていた僕に、

君は出会ったばかりなのにもかかわらず、こう言った。

「先生ってマント似合わない顔してるね」

どんな顔だよと思った。


いつの間にか授業を見る機会が多くなって、

得意も苦手も性格も大体把握した。いい子なんだけど、素直じゃない。

目的地は、七里ガ浜高校。内申点が全然足りなかった。

最初は学校の先生も「絶対無理だ」って言ってたけど、

君はその負けん気の強さで、ぐんぐん成績を伸ばしていった。

そして、見事合格をした。


合格発表の日、教室に来て開口一番「余裕だよ」と君は嘘ぶったけど、

あとでお母さんに聞いたら、家では嬉しくて泣いていたそうじゃない。

たまたま知ったその事実は秘密にしておこう。

それに、

「修学旅行のお土産、家にはないのに、塾には絶対持って行くって言ってきかないんですよ」

って、こちらから御礼の電話をしたら、お母さんが教えてくれたその事実も。

まったく、素直じゃないんだから。


でもね、合格した後にふと言ってくれた、

「俺、いつか先生より教えるのうまい講師になるよ」って言葉。

本当に思っているかどうかもちろんわからないけど、

たとえ嘘でも、今も大切に僕の胸の中にはとってある、

まるで宝物みたいな、とっても嬉しい言葉だったよ。