「The Prince and the Firebird」Krystyna Turska
どんな絵本が好きですか?と聞かれたら私は、物語を感じる絵本が好きです、とよく答えてしまいます。
絵を見るだけでもそこに深い物語を感じることが出来るような絵本、そんな絵本が好きなんですが、こちらはそうした作品を作っている一人、クリスティーナ・トゥルスカというポーランド出身のイギリスで活動した作家の「THE PRINCE AND THE FIREBIRD」と言う絵本です。
お話はご存じの方も多いと思いますがバレエの「火の鳥」(ストラヴィンスキー)を翻案し、絵本にしたものです。
ある国の王子イワンは婚約者のワシリーサと幸せな日々を送っていました。
しかし或る日、ワシリーサは突然森の奥へ消えたきり帰ってこなくなってしまったのです。
そしてそこは魔王の王国に続く深い森。
けれど王子はワシリーサを探すために森の中へ入っていきます。
森の中で王子は魔法の庭で火の鳥を見つけ、捕まえます。そして火の鳥は自分を逃してもらう代わりに羽を一枚王子に差し出すのです。
やがて魔法の庭には今度は、魔王の城から魔法にかけられた美しい娘たちが表れ、王子はその様子を隠れてみているとその中にワシリーサがいるではないですか…!王子は娘達の後を追い、魔王の居城へ踏み込んでいくのです…。
魔法の世界のファンタジーで、お話だけでも面白いのですが、やはりこの物語を引き立てているのは絵を描いているトゥルスカの力ではないでしょうか。装飾に彩られたページ、人物達の着ている豪奢な衣服、魔王の恐ろしい表情などなど、見所がたくさんあり、ページをめくるたびにどんどんとそのファンタジーの世界へ誘い込まれてしまいます。
めくるめく不思議な世界へ誘ってくれる、そんな本を読む喜び、絵本の楽しみはこんなところにもありますよね。
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