■■ JH2A NEWS PICK-UP Vol.7 ■■ 2022/11/14
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① 【政策/国内】 環境省 脱炭素先行地域の第2回選定結果を公表
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環境省は11月1日、脱炭素先行地域の第2回選定結果を公表し、全国50件の計画案の中から20件を選定した。脱炭素先行地域とは、2050年カーボンニュートラルに向けて、民生部門の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを実現するとともに、運輸部門や熱利用等も含めてそのほかの温室効果ガス排出削減についても、日本全体の2030年度目標と整合する削減を地域特性に応じて実現する地域のことを指す。選定された札幌市においては、道内初となる大型車両に対応した定置式水素ステーションを整備して水素モデル街区とするとともに、石狩港で建設中の洋上風力発電の余剰電力等で製造されたグリーン水素活用を計画している。(11月1日 環境庁HPより)
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② 【政策/国内】 改正港湾法が成立 港湾の脱炭素化を推進
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11日の参議院本会議において、港湾の脱炭素化の推進やパンデミック、災害時等の港湾機能の確実な維持に向けた、改正港湾法が可決された。港湾の脱炭素化の推進では、国が定める港湾の開発等に関する基本方針に脱炭素化に関する事項を明記することや、港湾法の適用を受ける港湾施設に、船舶に水素等の動力源を補給する施設を追加した。それら施設を港に整備する際には固定資産税等の税制の特例措置を設ける。その他、港湾管理者が定める区域において用途規制を柔軟に設定できる特例措置を設け、官民関係者の脱炭素化推進の枠組みとして「港湾脱炭素化推進計画」「港湾脱炭素化推進協議会」制度を創設する。(11月11日一般報道、国土交通省HPより)
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③ 【サプライチェーン構築/国内】商船三井テクノトレードなど 洋上水素サプライチェーン構築について調査
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商船三井テクノトレード、神鋼環境ソリューション、大陽日酸、日本シップヤードは、「洋上に於ける水素サプライチェーン構築に関する調査」をNEDOに提案し、採択された。本調査事業では、海事分野からのカーボンニュートラル実現に向けて、海水を活用した洋上での水素製造と水素燃料船への水素供給といった洋上における水素サプライチェーンの構築について検討する。検討にあたって、再エネ由来電力の活用を見据え、水素燃料船向けの水素供給インフラの実現をターゲットに①洋上での水素製造と②システム最適化による低コストな水素製造を念頭に置いたもの。(11月8日プレスリリースより)
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④ 【プロジェクト/国内】 官民6者連携による羽田空港及び周辺地域におけるCO2フリー水素利用モデル調査
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日本空港ビルデング株式会社、空港施設株式会社、ENEOS株式会社、大田区、川崎市、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は、共同でNEDOが公募した「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」における「水素製造・利活用ポテンシャル調査」委託事業に対し、「東京国際空港及びその周辺地域におけるCO2フリー水素利活用モデル調査を提案し、採択された。川崎臨海部の基地に輸入するCO2フリー水素を羽田空港及びその周辺地域に供給することを想定し、当該地域での水素エネルギーの潜在的な需要を調査する。調査期間は、2022年10月~2023年9月を予定。(11月5日一般報道、10月27日プレスリリース)
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⑤ 【地産地消/国内】沖縄電力など 離島で水素製造・利活用モデルを構築
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沖縄電力、電力中央研究所、ネクステムズは、「宮古島エリアにおけるグリーン水素・水循環利用社会(離島型水素製造・利活用モデル)構築に向けた実現可能性調査」をNEDOに提案し、採択された。本調査では、再エネ導入と観光開発の進む宮古島エリアを対象として、水資源の循環利用とP2P電力取引技術により再エネ由来であることを担保された電源からのグリーン水素製造、水素の利活用による地域振興促進が一体となった離島型の水素地産地消モデルを構築する。将来的には、この事業モデルを国内の他離島や東南アジア諸国等へ水平展開することを目指す。(11月9日プレスリリースより)
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⑥ 【水電解/国内】旭化成 水素製造用アルカリ水電解パイロット試験設備を着工
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旭化成は、川崎製造所(神奈川県)で水素製造用のアルカリ水電解パイロット試験設備を着工した。本設備は、NEDOのGI基金事業。複数の電解槽モジュールで構成され、変動応答性や長期耐久性といった多様な実証試験が可能なパイロット試験設備を導入。0.8MW×1~4モジュールでの水電解構成の変更が可能であり、仮に運転中に1モジュールが故障した場合や、夜間を想定した低出力運転など、様々な環境における装置挙動を再現できる。また、再エネの出力変動が再現できる装置設計となっている。本設備は2022年10月下旬に起工式を終え、今後、建設工事、機器設置および試運転を経て、2024年初頭の運転開始を目指す。(11月7日プレスリリースより)
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⑦ 【水素バイク/国内】 カワサキモータース 水素エンジンモーターサイクルの2030年代前半の実用化を目指す
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カワサキモータースは、同社初となる電動二輪車2機種を2023年にも発売すると発表した。24年には、エンジンとモーターを併用するハイブリッド二輪車の市販化を目指している。更に、カーボンニュートラル実現に向けた方針として、水素エンジンモーターサイクルの2030年代前半の実用化を目指していき、11日のイタリア・ミラノ市郊外で開催される「ミラノショー」においては、カワサキモーターサイクルのトップエンドモデルであるNinja H2のスーパーチャージドエンジンをベースに直噴化し、圧縮気体水素を燃料とする研究用エンジンを参考出展する予定。(11月9日プレスリリースより)
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⑧ 【水素蒸気ボイラー/国内】三井住友建設 グリーン水素活用に向けた水素蒸気ボイラーを建設業界で初導入
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三井住友建設は、プレキャストコンクリート(PCa)部材を製造する能登川工場(滋賀県)にて、グリーン水素活用に向けたCO2排出ゼロ(運転稼働時)の水素蒸気ボイラーを建設業界で初めて導入し、運転を開始した。能登川工場では、工場全体のCO2排出量の約6割をPCa部材製造時に使用する蒸気ボイラーが占め、加えて約2割をコンクリート製造プラントやクレーンなどの稼働時電力が占める。今回稼働を開始した水素蒸気ボイラーに続き、水素製造装置・貯蔵設備の導入と工場建屋屋根への太陽光パネル設置を2023年秋までに行い、再エネ(グリーン水素)による蒸気ボイラー稼働を目指す。(11月1日プレスリリースより)
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⑨ 【新技術/国内】JOGMEC ガス・水素の生産性向上へ新技術開発
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JOGMECは、国からの委託を受け、LPG(プロパン/ブタン)の国家備蓄の管理業務を行っている。CO2を有効利用することで、水素の生産性向上も可能となる新技術を開発し、特許を取得した。都市ガス、LPGから水素を製造する際の不純物を除去するのに吸着材(ゼオライトなど)を用いるが、吸着材は可燃性ガスも吸着するため、吸着材の交換・廃棄の際は、安全のため可燃性ガスを除去する作業が必要。この作業に従来窒素ガス(N2)を用いていたが、CO2を用いると50分の1の時間で除去できることを発見した。なお、本手法は、都市ガス製造やLPGを噴射剤として利用するスプレー缶(エアゾール)の製造にも適用可能。(10月31日プレスリリースより)
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⑩ 【金融/国内】 三井住友海上火災保険 事故車からFCV・EVへの買い替え費用を補償する保険特約を開発
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三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、法人を対象とした「燃料電池車を含む買替費用特約」を開発したと発表した。内燃機関車などで事故を起こした際、FCV・EVをはじめとする電動車への買い替えを支援する。契約車両が事故で損傷し、新たにFCV、EV、PHVの買替えを行った際、費用が新車保険価格を上回る場合、同価格プラス100万円を限度に保険金を支払う仕組み。同様の特約は、損保業界では初であり、2023年1月以降に保険始期となる契約から販売を開始。同特約を通じて、企業や団体、自治体の燃料電池車(FCV)やEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、の新規導入を後押しする。(11月2日 プレスリリースより)
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⑪ 【政策/海外】 米国NREL トピック別「深堀り」研究でクリーンエネルギーサプライチェーンに関する報告書を発表
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米国エネルギー省(DOE)の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の科学者は3日、国家政策への情報提供を目的としたクリーンエネルギー供給網を強化するための5つの分野別の報告書(①太陽光発電②風力③グリッドエネルギー貯蔵④半導体⑤水電解と燃料電池)を作成したと発表した。「太陽光発電」では、2035年までに電力需要の40%以上をまかない、建物、自動車、産業活動のCO2排出量を劇的に削減することができるとし、「水電解槽と燃料電池」では、電解水素の現在需要に対しては十分な資源を有しているが、2050年のクリーンエネルギー目標を達成するために、現在の200倍の生産能力が必要となると示唆した。(11月3日 プレスリリースより)
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⑫ 【政策/海外】 韓国首相 水素経済政策の方向を発表
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韓国政府は同日、ソウルにて韓悳洙首相主宰で第5回水素経済委員会を開き、水素経済政策の方向を発表し、クリーン水素供給網構築、世界1位の水素産業育成を国政課題として掲げた。方針の中身として、発電·輸送分野で大規模な水素需要を創出するため、2030年までに水素商用車3万台と液化水素ステーションを70か所まで普及させることにした。インフラ構築においては、発電所密集地域に年400万トン級のアンモニア受入基地、10万トン級の液化水素受入基地、水素専用パイプラインの敷設も予定。また中東・東南アジアなど海外に大規模クリーン水素生産基地と供給網を構築する計画を掲げた。(11月10日一般報道より)
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⑬ 【サプライチェーン構築/海外】JERA シェブロン社と脱炭素分野等で協業
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JERAは、子会社を通じて、世界大手の石油・天然ガス会社シェブロン社」と脱炭素分野等での共同検討に関する合意書を締結。当社とシェブロン社が共同で、豪州で低炭素燃料製造プロジェクトの開発にかかる実現可能性調査を、2023年内の完了を目標に進めていく。本件等には、シェブロン社が蓄積してきたLNG開発・生産やCCSのノウハウを活用する。また、米国では水素製造プロジェクトの開発や液体有機水素キャリア(LOHC)を活用した事業化実現可能性の調査を行う。当社とシェブロン社は、LOHCの独自技術を有するハイドロジーニアス社に出資しており、この技術知見を活用する。(11月8日プレスリリースより)
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⑭ 【グリーン水素/海外】 カザフスタン EUに向けた200万トンのグリーン水素製造プラント建設を計画
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カザフスタン政府とドイツ・スウェーデンのスヴェヴィン・エナジー・グループ(SEG)は、世界最大級のグリーン・水素製造プラントを建設に向けた投資協定を交わした。同プロジェクトは、カザフスタン南西部マンギスタウ州に風力・太陽光発電設備で電力を使い、20GW級のプラントの電解槽を建設し、世界でも最大規模の水素製造可能量となる見通し。投資額は500億ドルに上り、2030年までに稼働し、年間200万トンの水素を生産する予定であり、EUが輸入を目指すグリーン水素の約5分の1に相当する。(11月3日 一般報道)
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⑮ 【グリーン水素/海外】英国チャリオット社 オールトエナジー社らとモロッコでグリーン水素パイロットプロジェクト
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アフリカを中心にエネルギートランジションプロジェクトを手がける英国のチャリオット社(Chariot Limited)は4日、モハメド6世工科大学および英国のオールトエナジー(Oort Energy)とモロッコで実施されるグリーン水素パイロットプロジェクトで協力すると発表した。この協力では、オールトエナジーが特許を取得したPEM電解システムを利用し、大規模なグリーン水素製造およびアンモニア製造の実現可能性を評価しながら、概念実証を行う。このパートナーシップではグリーン水素をアンモニア製造に関する教育と能力開発を同時に行い、パイロットプロジェクトの一つはモロッコOCP社のJorf Lasfarにある研究開発施設で行われる予定。(11月4日プレスリリースより)
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⑯ 【グリーンアンモニア/海外】IHI UAEドバイ首長国でグリーンアンモニア製造および販売の事業性調査へ覚書
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IHIは10日、UAEのドバイ首長国有石油・ガス公社であるEmirates National Oil Company(ENOC)と太陽光資源を活用した再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造および販売の事業性を検討調査する覚書を締結した。本件は実現するとドバイ首長国初となるグリーンアンモニア事業になるという。両社は,ENOCの100%子会社が複数所有する既設石油ターミナル内でグリーンアンモニアを製造し、アジア市場への輸出や現地で発電・船舶用燃料供給を目的としたアンモニア販売事業を検討する。IHIは主に技術的検討と日本での需要調査を担当し,ENOC社は再生可能エネルギー・水素源となる水の可用性、サイト選定、適用法規などの現地に関する諸調査を担当する。(11月10日プレスリリースより)
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⑰ 【ブルー水素/海外】 Air Products カナダ政府から水素ハブ向けに約4億7,500 万ドル (CAD)の資金を調達
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カナダの連邦政府および州政府は、アルバータ州にあるAir Productsの数十億ドル規模の水素ハブ施設のプロジェクト資金として、約4億7,500 万ドル (CAD) を発表した。本投資は、カナダと北米におけるハブ機能としてもネットゼロを目指していく方針。プロジェクトは、州内の天然ガス由来の水素生産におけるCO2の95%除去の達成、水素を100%燃料とする発電施設、1日あたり35トンの水素液化施設、世界規模の空気クリーンな液体酸素と窒素を生成する分離施設、水素パイプラインネットワークへの接続により、顧客の信頼性を高め、ネットワーク全体の段階的な脱炭素化を実現していく。(11月8日プレスリリースより)
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⑱ 【水素ハブ/海外】ノルウェーのエクイノール社 英国ガス・電力大手のセントリカと水素生産ハブの開発で協力
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ノルウェーのエネルギー大手エクイノール社(Equinor)と英国のガス・電力大手セントリカ社(Centrica)は3日、英国イーストヨークシャーのイージントン(Easington)に低炭素水素生産ハブの開発の協力協定に署名した。現在、英国の総ガス供給の3分の1がイージントン経由で供給されており、その多くはエクイノール社のノルウェー拠点から供給されている。イージントンは世界最大級の洋上風力発電所の近くに位置しており、ブルーとグリーンの両方の水素製造拠点となる可能性がある。協力関係のもと、セントリカが運営するイージントンの地域は、今後10年間で低炭素型水素製造拠点へと移行する可能性がある。(11月3日プレスリリースより)
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⑲ 【水素ハブ/海外】米国アラスカ・ガスライン開発公社 米国DOEにアラスカ水素ハブのコンセプトペーパーを提出
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アラスカ・ガスライン開発公社は7日、米国DOEにアラスカ水素ハブのコンセプトペーパーを提出したと発表した。DOEはクリーンな水素エネルギー生産と供給を支援するため、6~10か所の水素ハブを選定し、最大70億ドルの連邦資金を提供することを想定している。DOEのガイドラインでは、プロジェクトは最低で1日50トンの水素を製造することが求められているが、アラスカ水素ハブはアラスカLNGプロジェクトの天然ガスを原料とし、初期には1日600トン以上の水素を製造し、最終的には1日あたり1600トンに成長すると予想されている。DOEの8億5000万ドルの資金と37億5000万ドルの民間資金を使うことを想定している。(11月7日プレスリリースより)
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⑳ 【発電/海外】三菱重工業 インドネシアの発電所で水素・バイオマス・アンモニアとの混焼を共同調査
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三菱重工業は、インドネシア国営電力会社PLN社のグループ会社であるインドネシアパワーと、同社が所有・運営する発電所における低炭素燃料の混焼に関して3件のFSを開始するMOUを締結。1件目は、タンジュンプリオク発電所(ジャワ島)を対象に水素混焼の実現可能性を評価するもの。2件目は、インドネシアパワーが保有するスララヤ石炭発電所(ジャワ島)にて、バイオマス混焼・専焼について燃料のハンドリング、貯蔵、輸送、既設ボイラーの改造などを検証する。3件目は、同スララヤ発電所にて、アンモニア製造プラントからアンモニアを輸送して燃料に用いるサプライチェーン確立と共に、既設ボイラーで混焼に必要な技術検討を実施。(11月2日プレスリリースより)
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㉑ 【ドローン/海外】ブルガリアのドロナミクス社 英国CAeS社と水素燃料電池型中長距離ドローンを開発へ
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ブルガリアの貨物ドローンの開発をしている無人航空機メーカーのドロナミクス社(Dronamics)と航空宇宙向けゼロエミッションソリューションを手がける英国のクランフィールド・エアロスペース・ソリューションズ社(CAeS)は9日、水素燃料電池事業で提携すると発表した。ドロナミクス社が設計、開発、運用するフラッグシップ航空機であるブラックスワン(Black Swan)は最大350kgの重量を最大2,500km運ぶことができるが、このブラックスワンにCAeS社が開発中の水素燃料電池技術を組み込み、環境に配慮した安価で長距離の輸送を実現する。(11月10日プレスリリースより)
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【用語解説】
・FCVとはFuel Cell Vehicleの略で、燃料電池自動車のことを指す。※FCEVも同意義。Fuel Cell Electric Vehicleの略。
・EVとはElectric Vehicleの略で、電気自動車のことを指す。
・HVとはHybrid Vehicleの略で、一般的にエンジンで走行することでバッテリーを充電し、低速時はモーターで走行する。PHV車とは異なり、外部から電源をつないで充電することはできない。
・PHVとはPlug-in Hybrid Vehicleの略で、コンセントから差込プラグを用いて、外部電源から直接バッテリーに充電することができるHV車。