スペイン巡礼の道
【カミーノ・デ・サンティアゴを歩く】
長年の夢であったスペイン巡礼の道を歩く日が来た。7月11日にアラブ首長国連邦のドバイを経由して、北スペインのパンプローナに入るのは12日となった。この日はちょうど世界的に有名な祭りとして知らされる牛追い祭り「サン・フェルミン」が開催中にあたり、街中が大騒ぎになっていた。その真っ只中に入ることになった。「日はまた昇る」の大作を世に発表した、あのエルネスト・ヘミングウェイも今から88年前の1925年にパリから汽車でパンプローナに入り、サン・フェルミンを楽しみ、闘牛場のマタドールに熱狂したであろう。巡礼に意気投合したのは、共に前期高齢者の認定を受けたスペイン協会の仲間である茂木孝雄と村山光男の二人だ。還暦を迎えたら「行こう! 行こう!!」と話しだけは進んでいたが、遅々として決行できないでいた。巡礼の構想を練ってからもう7年は経っていた。その内と言っている間に人生の日が暮れてしまうよな・・・とビノティント(赤ワイン)を飲んでは語り合っていた。キリスト教の世界三大聖地のひとつ、サンティアゴ・デ・コンポステーラまではスペイン国内だけで全長800Kの道程になるが、今回は時間の制約もあり、分割巡礼で75Kを4日間で歩くことにした。
スタート地点は,フランスと国境を接するピレネー山脈の麓、パンプローナから東へ53Kのところにあるロンセスバジェスという田舎町からとなる。いわゆるフランスルートであるこの道は、カミーノ・フランセスと呼ばれてドイツ人やフランス人がピレネー越えをして来る巡礼者(ペレグリーノ)が多く、過酷な巡礼路のコースのひとつに数えられる。ただ一歩一歩、足を前に進めるだけのことだが、体力と気力が4日間保持できるか、しかも真夏のスペイン大地。暑さとの戦いでもあった。汗臭い体を労ってくれたのは点在する村々のバルにある冷えたアグア(水)と巡礼者に対する村人のホスピタリティーであった。
もうひとつの自分探しの巡礼の旅に出会えたのか。人は皆が人に生かされていることに感謝するのであった。
[目的地のサンティアゴ・ デ・コンポステーラまで800㎞]
イラチェではワインが無料で飲めた。
ピレネー山脈麓のロンセスバジェスが巡礼のスタート
小麦畑でイタリア人のロベルトに出逢う
ープエンテ ラ レイナのシンボル像ー
7月14日のパンプローナはサン・フェルミン祭で賑わっていた!
巡礼宿で一緒になった元セビリアの銀行員ペドロ♪
アルト デル ペルドンの坂道も長く続く・・・